第2話
生まれ変わった気分で新しい一日をスタートさせる。朝食が並ぶテーブル。いつものように弟の隣りに座る。
「おはよ。ねぇ、昨日の手紙に何て書いてあったの?」
「何も書かれてなかったわよ。真っ白。何なの嫌がらせなのよ?」
確かに何も書かれていなかった。真夜中に手紙を丸めてゴミ箱へ投げ入れたのだ。
◆◇◇◇◇
何事もなく構内に入り教室への廊下を歩く。現在1−Aでボッチ確定の女子は4名。勿論、血塗られた暗殺者。ウォーキング・ライブラリ。何処でもスリーパー。いきなり不登校。巫山戯たあだ名を付けられている。勿論、血塗られた暗殺者は私のことだ。
教室のドアが開けられていたことに安堵する。だって、ドアを開けると注目されるのよ? 私みたいな立場になると日常が地獄になるの。
周囲からの視線を感じないで席に着くことが出来た。それだけでも肩の荷が下りるってものだ。
「斎藤さんって…第一中学よね?」
「ひいっ!?」防御結界を張る前に話しかけられたので、椅子から転げた。
教室中の視線が一斉に集まる。顔を真っ赤にしながら…立ち上がり、椅子を戻して座る。
「ご、ごめん…驚かすつもりはなかったの」
「だ、大丈夫…」
深呼吸して話しかけてきた相手を見る。教室の上位ランカー藤宮 あかねさんだ。ステータス的には、容姿B、知性A、運動C、カリスマAだ。強い…。
「あのね。ちょっと…聞きたいことがあって。お昼さ、一緒に食べない?」
「あ、はい…」
異世界で言えば貴族と庶民。断ることなど出来るはずがない。折角、高校初の会話が始まったのに、運悪くチャイムが鳴った。
机の上に教科書とノートを広げる。
あれれ? チャイムに助けらたのかも。
聞きたいことをは? もし藤宮さんの納得する答えを知らなかったら? お昼がマンツーマンじゃなかったら? そもそも「今日からお前は下僕じゃ!!」とか言われたら!?
◇◆◇◇◇
意識を取り戻すと、そこは保健室。極限のストレスに絶えきれず倒れたのかな?
「こんなんじゃ、友達できないよ」ボソリと呟く。
「なら、友達にならない?」
「げ、幻聴が聞こえる…。もう駄目かも」
「えっ!?」 「えっ!?」




