第四十六話
どうするか。
聖ミカエルの山でアスモデウスの使徒と行動を共にしているのが明らかになったのだ。
大人しくアスモデウスの使徒の庇護下に入れ。
と、メルルナは言っているのだろう。
「ローマから来る人と会わねばなりません。それから、ユーグ殿に会い、そしてフォルセウス様に会います」
「ユーグ様には十年前のけじめを、フォルセウス様には先日のけじめを、というわけかしら?」
「はい」
「そのローマからの待ち人というのは?」
「……教会へのけじめと申しましょうか」
「ふぅん」
メルルナが目を細める。
「なら、生きて帰ってこれたら、アスモデウスの使徒に迎えて差し上げますわ」
「お気持ちだけ、受け取っておきますよ」
食後の祈りを済ませたジェラールに、セドリックがさてと居住まいを正す。
「ジェラール殿、今回あなたがメルルナ様を助け出した功績は、我々からすれば計り知れない。その恩賞を是非受け取っていただきたい」
それにジェラールは、困った顔をする。
「いえ、私は私の信念で動いただけです。この後、メルルナ殿の働きで、均衡が保たれればと思うばかりです。そんな、恩賞など……」
「働きに対してしかるべき報いをしない。それはメルルナ様の統治に、あなたが望む均衡を欠くのではないかな?」
「それは……そうですが」
「まず君には、アスモデウスの副導師の地位を用意しよう」
「いえ、それはいいです」




