表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅のジェラール  作者: ローリング蕎麦ット
45/244

第四十三話


「うふふ、共闘したこともあるのよ。あの時のジェラールくん、危機に陥ったわたくしを颯爽と助けてくれて格好良かったわ」


「やめてください。敵味方の識別をして、ただ目の前の敵を斬っていただけのことです……」


 メルルナがねっとりとした媚態でジェラールにしなだれる。


 体が不自由なメルルナを邪険にできず、ジェラールはしどろもどろだ。


 ララが不思議そうに小首をかしげる。


「そんなジェラール様がどうして回心などを?」


「フォントノワの戦いの最中、私を使っていたベルフェゴールの導師が戦死しまして。それで、機能停止していた私を教会の方に拾っていただいたのです」


「どうして殺されなかったのかしら?」


 メルルナが口をはさむ。


「その、私は一切の己の思考を放棄しておりましたから……教会の方々は、そんな私をまだ生まれてすらいない。ならばどうして裁けよう、と洗礼を施してくださり、人間として育ててくださったのです」


「あら、感動的ですわ。しかし、こうしてわたくし達を助けてしまって、どうなるのかしら?」


「……破門ですかね」


 ジェラールが苦笑する。


「それでも、師は私の考えに同調してくださると思っています」


「ジェラールくん、アスモデウスの使徒はあなたを歓迎しますわよ?」


 メルルナが蠱惑的に媚笑し右から胸を押し付けてくる。


「わたくしもジェラール様とご一緒にアスモデウスの使徒を盛り立てて参りたいですわ」


 ララは左から胸を押し付けてくる。


 それをジェラールは困惑しながら、穏やかに押しのける。


「もう、馬鹿なことをおっしゃってないでください。メルルナ殿、フォルセウス様のマナに干渉させていただきますよ。イェソドの封印さえ解けば、後は難しくありません。後三日はかかるでしょうが、どうかご辛抱を」


「よろしくお願いいたしますわね、ジェラールくん」


 それからアスモデウスの使徒達の拠点へと、七日をかける。


 シエクスの町という、一見するとごく普通の町である。


 町の多くの者はアスモデウスの使徒で、町長もそうだという。


 近くの山にアスモデウスを祀った祠もあり、そこで祭儀を行うのだ。


 こういった、悪魔の使徒達の隠れ蓑になる町は各地に点在していた。


 偽装のため、表向きは健全な運営で民に受け入れられ、裏向きは目をつけられても上手く立ち回るための賄賂や手管で上からも気に入られる。


 ともすれば普通の町よりも上手く運営されることがままあるという。


 すっかり歩けるようになったメルルナに導かれ、ジェラールとララが町長の館へと訪れたのは深夜であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ