用語解説
用語解説
・マナ
主に教会の教義により指南される人間の生命力。
これを整流して正しく運用すると超人的な力を発揮する。
由来は出エジプト記における天からの恵み。
また他者へと受け渡すことで治癒力を促進させることができる。
基本的なマナの運用における要穴となる人体の部位は十個。
頭頂にケテル。
右こめかみにコクマー。
左こめかみにビナー。
右肺にケセド。
左肺にゲブラー。
心臓にティファレト。
右腰にネツァク。
左腰にホド。
丹田にイェソド。
足裏にマルクト。
これらは生命の樹の構成を模している。
知恵の実と生命の実を食べた者は神に等しい力を得られると信じられており、
即ち知恵の実を食べた者の子孫である人間が、
疑似的に生命の樹を肉体に再現することで超人的な力を得られる理由と説かれている。
流派ごとに微妙にマナの修養の仕方や扱い方が異なる。
マナを極めた者は、さらにダァトと呼ばれる要穴を体外に発現する。
頭上に光の点がひとつ現れる、肩甲骨周辺にふたつ現れる等。
ダァトを現した者のマナを特にウィルトゥスと呼ぶ。
・オウル
主に悪魔の使徒達の教義により指南される人間の生命力。
由来はヘブライ語の光。
こちらの要穴の構成は邪悪の樹を模しており、ほぼマナと同系統と言ってよい。
ただしダァトを現した者のオウルを特にアインソフオウルと呼ぶ。
・悪魔の使徒
反教会勢力。
七柱ごとの悪魔に仕える七派が存在する。
ルシファーの使徒。
ベルゼブブの使徒。
サタンの使徒。
マモンの使徒。
アスモデウスの使徒。
リヴァイアサンの使徒。
ベルフェゴールの使徒。
七派それぞれで教義は異なる。
高位の指導者を導師と呼ぶ。
・ベルゼブブ式武術
ベルゼブブの使徒が扱う武術。
ベルゼブブの使徒の教義が大食なため、特に肉体的に屈強な者が扱う武術体系。
主に拳術や剣術が強力。
修行中の者は体躯や筋骨に頼った戦いをするが、最上の武術は速力に秀でる。
・アスモデウス式武術
アスモデウスの使徒が扱う武術。
組技、寝技、極技が主体となっている。
また性交を通して他者の精気を吸い取る外法を用いる。
熟練者はへそから吸い上げることすら可能。
媚薬に類する薬物や毒物の調合も得意とし、武術に併用することが多い。
女系と男系で大きく性質が変わり、女系は守勢を重要視し、男系は攻勢を重要視する。
・黄天派武術
大天使ラファエルの使う武術の再現。
主に拳術や杖術が有名だが、回避や反撃技を重要視する速力に秀でた武術。
黄天派武術により修養するマナは、特に人の怪我を治癒させるのに適する。
・赤天派武術
大天使ミカエルの使う武術の再現。
主に剣術と槍術が強力な武術体系。
教会の中では最も広く教えられ、最も強い武術と言える。
高位の使い手は百歩離れた敵を切り裂く技「ミカエルの刃」を使える。
・ベルフェゴール式武術
ベルフェゴールの使徒が扱う武術。
効率を重要視し、無駄を削ぎ落した武術体系。
自身の武術における無駄を削ぎ落すだけでなく、敵の無駄に対する分析にも優れる。
つまり相手の技や構えの隙を見抜く目を必須とされる。
習熟ほどに速度が緩慢になり、自分はほとんど動かないままに敵を打倒する境地を理想とする。
・緑天派武術
聖ウリエルの使う武術の再現。
主に格闘と組技が強力な武術体系。
ヤコブがウリエルに指南された武術がその起源とされる。
・フランク式剣術
フランク王国で広く使用されている剣術。
踏み込みが深く、フランク人の勇敢さをもとに組み立てられた攻勢に秀でる。
源流はフランク人の気質に任せた、高度とは言えない剣術体系だった。
それがフランク王国の初代国王であるクロヴィスと共に、兵士三千人が洗礼を受け、
教会の武学との交流により洗練されていった。
その経緯から剣風が赤天派剣術に類似する。
・オド
主にザクセン式武術の教義により指南される人間の生命力。
由来はザクセンの信仰における主神オーディン。
こちらの要穴の構成はザクセン神話の世界樹を模しており九つ。
特に戦闘に適した生命力の出力体系となっている。
・雪山派
ヴァイスナー山を本拠とする、ザクセンの「賢き女」たちの末裔一派。
女系の一派であり、宗主はホレという名を代々継承する。
周辺地域を取り仕切り、ブロッケン山の管理も行う。
・雪山派武術
雪山派が扱う武術。
掌法が主体となっている。
特殊なオドの扱いにより、極低温を操ることができる。
打った相手の生命力を凍えさせて封じる技を得意とする。
また軽妙な身ごなしによる速力に秀でる。