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レッド王子
ピンクはがばっと起き上がった。
「まあ、レッド・テイルス王子が⁉」
ピンクはうれしさのあまり、ベッドの上でぴょんぴょん飛び跳ねた。
「ああ、早く会いたいわ……」ピンクは想像していた。
レッド王子の美しい輪郭、切れ長のオレンジ色の目、長いまつげ、そしてスラッとした美しい体系を。
想像というよりは妄想の方が近いかもしれないが。
ピンクは立ち上がり、部屋の窓から様子を眺めた。
しばらくボーっと眺めていると……
「……?」
何だか様子がおかしい。
門のところにレッド王子の姿は見えるが、何やら門番ともめている。
「ここを通せ!ピンク姫と会いたいのだ!」
「いけません!『野蛮な嘘王子』を、姫様に会わせるわけにはいきません!」
「なんだと!」
レッド王子が、美しい顔をゆがめて怒鳴っている。
「大変だわ!レッド王子が!」
ピンクは急いで階段を駆け下りた。