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閑話1 真貴ちゃんの事情

その日、私がいつものように仕事を終わらせて天界に帰ると、神様から呼び出しを受けました。


はて?

急に呼び出しを受けるとは、何かまずいことしたでしょうか?

う~~ん・・・特に心当たりはないですね。

まぁ、いいです、直接聞くことにしましょう。


トントン


「失礼します。私に何か用ですか?」

「うむ、来たか・・・待っておったぞ、可及の件故さっそく本題に入らせてもらうがの。お前さんの担当している世界なんじゃが、崩壊しおった。それも周辺世界を巻き込んでじゃ」


私が扉をノックして神様の部屋に入ると、いきなりそういわれ、混乱してしまいます。


「どういう・・・こと?大事件・・・ですよね?」

「うむ、そうじゃ、大事件じゃ。今、天界の総力を挙げて事態の収拾に当たっておる」

「なら・・・私もいかないと・・・」

「まぁ、待つのじゃ。お前さんには聞きたいことがあるのじゃ」

「聞きたい・・・こと?」

「そうじゃ、実はの、事件の原因なんじゃが、どうやらお前さんのようでの」


え?

今、なんていったの?

私が原因?

わ・た・し・が・げ・ん・い・ん!?


私はさらに混乱し、訳がわからなくなります。


「私が・・・原因?」

「そうじゃ、お前さん、間違えて魂を狩らんかったかの?そう、世界を一つ間違えて狩ったとかの?」

「そんなことしてな・・・・・・・・・・・・あ!!」


私は反論しようと思いましたが、数年前のことを思い出してしまいます。


そういえば、数年前に一度そんなことがあったような・・・・・その時は『まぁいいか』なんて思ったのだけれど、いいわけないです!!

私、なんでそんなこと思ったんでしょう?間違えて他の魂狩るなんて、普通に考えて大事故です!!しかも、それを放置するとか・・・・・あ・・・ありえない・・・。


「どうやら思い当たることがあるようじゃの」


私の顔がみるみる青ざめていきます。

血の気が引くとはこういうことなんでしょうか?


トントン


「失礼します。神様、此度の事件ですが、気づくのが少し遅すぎたようです。事態はすでに収拾できないところまで来ていました。付きましては、周辺の平行世界群の中でも影響の大きいところを隔離、破棄することを提案いたします」


私が青ざめていると、一人の天使・・・それも上級天使と呼ばれる高位の天使が部屋に入ってきて、私に気づきもせず、神様と話し始めました。


「ふむ・・・すでに手遅れじゃったか、仕方がないの・・・破棄を認めるのじゃ。しかし、できるだけ多くの世界を救うのじゃぞ?」

「はい、心得ております。それと、これは今回の事件の調査書です。」

「確かに受け取ったのじゃ」

「では、私はこれで失礼させてもらいます」

「うむ、急ぐのじゃぞ?」


話が終わると、上級天使はさっさと部屋から出て行ってしまいました。

しかし、私はそれどころではありません。


世界の・・・破棄?

確かそれって、天界の長い歴史でも数回しかない大事件でしたよね・・・しかも、今回は周辺平行世界群ごとの破棄・・・もしかして、こんなこと初めてなのでは?

やばいやばいやばい・・・私、やばいよ・・・どうしよ・・・逃げなきゃ!!


「お前さん・・・この調査書、読んでみるかの?」


私が逃亡を考えていると、神様が調査書を差し出してきたので、つい受け取ってしまいました。


とりあえず・・・現状を確認しましょう。

なになに、


『不死者増加による平行世界群崩壊事件報告書


始まりは、数年前の魂管理課から「とある世界で魂の異常な集中が確認されました。至急調査をお願いします」との連絡があったことだ。

その後、すぐに調査員が派遣されるも、これといっておかしなところは見当たらず、人口爆発による魂の一時的な集中と結論された。

しかし、いつまでたっても魂の異常な集中が収まらなかったため、再調査が決定した。

2度目ということもあり、再調査では徹底的に原因を洗い出すこととなった。

その結果、ある一部の人々が不死化し、数百年単位で存在していることが確認された。

                                        

                                        

                                        

さらに詳しく調査した所、ある人物が間違えて魂を狩り取られ、           

平行世界群の死ぬ運命だったものが生存し、                    

そのため、その人物が不死化しました。

(*調査の結果、魂を狩り取ったのは死神課に所属する「黒衣真貴」であることが判明しております                                  )

さらに、                                    

その子供にも不死性が遺伝され、一定の年齢で年を取らなくなることも確認された。

そのうえ、                                   

原因の世界を中心として平行世界群にも不死化が確認された。

よってその危険性を重視し、影響の大きい世界を隔離、破棄することを提案いたします』


報告書を読み終わると、私は茫然としてしまいます。


・・・・・なにこれ?

かなりやばいことになってる・・・でも、問題はそんなことじゃない!!

この報告書、わ・た・し・の・な・ま・え・が・の・って・る!!

しかも、犯人として!!


「さて、そろそろお前さんの処分を決めんといかんの」


ビクッ


神様の言った『処分』という言葉に思わす体が震えます。


「まぁ、これだけの事件じゃ『消滅刑』はまのがれんじゃろう」


ダッ


パチンッ


ギュム


『消滅刑』と聞いた私は、逃亡を試みましたが、神様が指を鳴らすと、どこからか縄が現れて、グルグル巻きにされた上、猿ぐつわまで掛けられてしまいました。


「そう急くでない、それに、お前さんには先にやってもらわねばならんことがあるのじゃ。それというのもの、お前さんが間違えて魂を狩った相手のことじゃ。死んでもおらんのに無理やり転生させたせいで魂に影響が出ての、才能もなければ祝福も一つとして持っておらんのじゃ。さぞつらい人生だったじゃろうの。まぁ、これから先のことはわしが何とかするつもりじゃが、お前さんには相手が望むままの罰を受けてもらうことにしたのじゃ」


・・・・・じょ・・・冗談じゃないです。

『消滅刑』にされる上、どこの誰だかわかんない人に裁かれる?

に・・・にげなきゃ・・・にげ・・・っく、この縄ほどけない!!


「む~~~む~~~む~~~~」(だれかたすけて~~)

「ほぅ、そうかそうか、そんなに早く罪を償いたいのかの。それならさっそく行くとしようかの・・・転移」


私の抵抗むなしく、神様は転移を強行しました。




「・・・・・・・・・『消滅刑』つまり処刑じゃの」


・・・・・っは気絶していました。

変な恰好(縄+猿ぐつわ)で転移させられたせいですね。

って、それより今『消滅刑』とか言ってなかった?


「む~~む~~む~~~~」(それはいや~~~~)


「それならこの・・・黒衣真貴さん?をくれませんか?」


ん?

私がほしい?


私が叫んでいる間に、なにやら、おかしな方向に話が進んでいるようです


「ふむ・・・処分とはちと違うようじゃが・・・まあいいじゃろ」


え?え?

なに?どういうこと?

もしかして、この人と付き合えば『消滅刑』にならなくてすむの?

し、しかたありませんね。

どこの誰か知りませんが、『消滅刑』がなくなるなら、この私が付き合ってあげましょうかね?。

どれどれ、どんな人でしょ?

え~~~と、顔は・・・まぁ、かわいいですね。

髪はロングの黒髪で、身長は160くらいですかね?

いわゆる大和撫子って感じの人です・・・・って女性!?


「む~~む~~む~~む~~む~~む~~」(ど~~う~~い~~う~~こ~~と~~)


そのとき、何やら冷たい物が背中を伝いました。


とても嫌な予感がします。

あぁ・・・神様助けてくださ・・・・・その神様のせいでこうなってるんでした。

もう、自力でどうにかするしかないですね。

まずは、この縄をほどくのが先決です。

む~~~解けろ解けろ解けろ~~~~。

っく、駄目です・・・この縄びくともしません。


「さて、やることも済んだでの。わしはそろそろお暇させていただこうかの。元気での」


私が逃げようと足掻いていたら、いつの間にか話が終わったようで、神様が帰っていきました。


・・・・・ん?

か・み・さ・ま・が・か・え・っ・た?

もしかして、これはチャンスでは?

今のうちにさっさと縄をほどいて・・・あれ?

縄も一緒に消えてます!!

やりました!!

あとはこの人の隙を見て逃げるだけ・・・ってよく見たらこの人寝てます!!

それならもうこんな所に用はないです・・・転移!!


私はさっそく異世界転移を使って逃げることにしました。


・・・・・・あれ?

転移!!転移!!転移!!


・・・・・転移できない?


しかし、なぜか転移できません。


そういえば・・・さっき世界の隔離がどうとか言ってたような・・・・・。

まぁいいです。

世界を渡る方法はあとで考えましょう。

まずはここを離れるのが先決です。


・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


は・・・離れられない・・・・・。


なぜか、この人から一定以上離れると強制的に近くまで戻さてしまいます。


こ・・・こうなったら・・・仕方ないです。

できればやりたくはないですけど、私の自由のためです。

最後の手段を使うことにしましょう。

ごめんなさい、さよなら。


ブゥン


ザク


コロコロコロ


私は最後の手段として、鎌でこの人の首を切り落としました。

離れることができないなら、その元を絶ってしまえばいいのです。


パァァァァァ


シュン


ところが、首を切り離すと、この人と切り離した首が光りだし、元に戻ってしまいました。


え?え?え?

ど・・・どういうこと?

なんで元に戻ってるの?

普通、死神の鎌で切ったら、不死者だって殺せるんです。

それなのになんで・・・・・もしかして、死んだこと、なかったことにされてる?

あ・・・ありえない・・・ありえな・・・・!!!


そう、どう考えてもこんなことありえないです。


不意に、私の頭がクリアになります。


よく考えれば、今回のこと、不自然なことが多すぎます。

不死者が平行世界群まで影響を与える?

世界って言うのはそこまで軟じゃないです。

普通なら不死者の方が世界に排除されるはずです。


それに、あの報告書・・・今考えれば、あれにも違和感があった気がします。


そもそも、私が魂を狩り間違えたうえ、それを放置する?

隠ぺいするならともかく、そのまま放置するなんてありえないです!!


・・・・・もしかして、嵌められた?

いったい誰に?

でも、こんな大がかりなことできる人なんて・・・・・!!

いえ、まって・・・・・でも・・・・・まさか・・・・・。

だめですね・・・・・情報が足りないです。

ここはしばらく状況を見守ることにしましょう。





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