第二話 新しい始まり
私は、暗い闇の中を漂っている。
けれど、その闇は怖くもなければ不安のもならず、むしろ安らぎを感じることができる。
どのくらいたったでしょうか?
長いような、短いような・・・
けれど、その安らぎは唐突に終わりを迎える。
目の前に、光があふれだしました。
「おぬしが『リタ』じゃな?儂はこの周辺世界を統べる神じゃ」
私の目の前には、長く白い髭を生やし、仙人のような服を着て、けれど、決して華奢ではなく、背丈ほどもある杖持っていて、よく見れば後光もさしている・・・確かに言われてみればいかにも『神様』という感じのお爺さんがいました。
「神様?」
「うむ、そうじゃ。実はの、お前さんの前世で、こやつ・・・こやつは死神なんじゃが、死んでもおらんお前さんの肉体と魂を切り離した上、輪廻の輪の中にぶち込んでしまったんじゃ」
神様がそういうと、いつの間にか手に持っていた縄を引っ張りました。
そこには、黒の変わった服を着て、金色の髪の毛を両側でまとめている小柄な美少女が、縄でぐるぐる巻きにされた上、猿ぐつわをされていました。
「そのせいで、お前さんを中心にこの世界に悪影響が出てしまっての、さらにこれを放っておくと、周辺の平行世界群にも影響が出てしまうのじゃ。そこでの、この世界を周辺の平行世界群から切り離して、隔離させてもらったのじゃ。」
・・・・・言ってることが難しくてよくわかりません。
「むぅ・・・その顔はよくわかっておらんの。そうじゃな・・・よし、これでどうじゃ?」
神様が持っていた杖を振るうと、私の中に前世の記憶が蘇ってきました。
もっとも、それは知識として蘇ったようで、いうなれば、テレビで見て知っているというような感じです。
「なるほど・・・何となくですがわかったような気がします」
私の前世では、小説や漫画といったものが溢れていたので、神様が言っていたことを『理解』はできなくても、なんとなく『そうなんだ』と思うことができました。
「うむ、それでじゃな、今回の原因を作ったこやつ・・・黒衣 真貴というんじゃが、こやつの処分をお前さんにまかせようと思うのじゃ。ちなみにの、天界での・・・天界というのはわしらの住んでおるところなんじゃが、天界なら消滅刑、いわゆる処刑じゃの、それになるくらいの罪じゃ」
「むむむむむ~~~~~~~」
神様がそういうと、それまで静かにしていた死神・・・黒衣真貴さんが騒ぎ出しました。
まぁ、自分のことなんで仕方ないんでしょうが・・・私にはまたとない美少女とお近づきになるチャンスです。
「それならこの・・・黒衣真貴さん?をくれませんか?」
確かに私はこの死神に理不尽な殺され方をしたんでしょう。
けれど、それは前世です。
今の私には実感がありません。
そして、現世では、私には才能が有りませんでした。
この才能がないというのが悪影響の一つなのでしょうが、そのことについても問題ありません。なぜなら、つらくはありましたけど、貴族に生まれた私は何不自由なく暮らしていたからです。
それよりも!!
大事なことがあります!!
美少女が手に入るかも知れないんです!!
しかも、金髪ツインテですよ?
それに比べたら他のことなんてどうでもいいじゃないですか!!
「ふむ・・・処分とはちと違うようじゃが・・・まあいいじゃろ。こやつはお前さんにやろう。ついでに、逃げたり反逆されたりしても困るじゃろうから、制限もつけておいてやろうかの。あとは煮るなり焼くなり好きにするればよい」
「む~~む~~む~~む~~む~~む~~」
「ありがとうございます♪」
真貴さん・・・もう私のものなら真貴ちゃんって呼んでもいいよね?・・・真貴ちゃんがむ~む~いっていますが、そこは無視です。
こんな美少女が私のもの・・・・・じゅるり。
「それとな、この隔離された世界なんじゃが、おまえさんにやろうと思う」
?
「先ほども言ったがの、この世界はすでに周辺の世界群から切り離されておる。なんでこの世界で何が起きても問題はないんじゃ。それにちと試したいこともあっての。どうじゃ?ついでにお前さんにはこの世界の中なら何でもできる『力』も付けてやろう。」
「いいんですか?」
「もちろんじゃ・・・・・もっとも、『力』があるからと、この世界を積極的に壊すのは進めんがの。それに『何が』とは言えんが、うまくいえばこちらにも益があるんじゃ」
「それなら・・・いただきます」
「うむうむ。ほれ、これが力じゃ」
「ありがとうございます」
私の体が一瞬光に包まれました。
「さて、やることも済んだでの。わしはそろそろお暇させていただこうかの。元気での」
「あ、はい。ありがとうございました」
お礼の言葉を告げるとともに、私の意識は沈んでいきました。
ふむ、これですべての準備は整ったの。
後は結果を見守るだけじゃ。
此度は成功するとよいのじゃがな・・・・・。




