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閑話3 ティアちゃんの一人語り

今日、私は入学式から少し遅れて王立リーン学園にやってきました。

私が、この学園に入ることを決めたのは、今からちょうど一月前のことでした。


その日、私は『私にかかわるある重大なこと』と聞いてしまいました。

その話を聞いてしまった私は、いてもたってもいれず、お父様とお母様に学園に通いたいと告げました。


初めは、驚き、反対していたお父様たちですが、『重大なこと』を私が知ってしまったことでしぶしぶ入学を許可してくれました。


私の家から学園まではかなりの距離があるのですが、そこはお父様たちが気を利かせ、揺れの少ない高級な馬車と、数人の使用人を付けてくれたので、とても快適でした。


学園に着くと、使用人の人たちが手続きをすべて済ませてくれました。

私は、この広い学園を移動するために、風の補助魔法を使ったくらいです。


そして、ついに私がこれから暮らすことになる寮に着きました。

使用人の人たちとはここでお別れです。

部屋までは、寮長さんが案内してくれました。


私が暮らす部屋は、本来なら三人部屋の所を、お父様がわざわざ二人部屋として使えるように頼んでくれたそうです。

それも、バス、トイレ付だそうです。


寮長さんがトントンと部屋をノックすると、中から「は~い」という声がして、しばらくして部屋のドアが開きました。


驚きました。

そこには、腰まである黒くつややかな髪をし、髪と同じ黒く、綺麗な瞳をした160cmくらいのすごい美少女が立っていました。


「こんばんは、リタさん。ちょっと事情があってくるのが遅れたけれど、この子があなたのルームメイトよ」

驚いている間に、寮長さんが私の紹介を始めてしまったので、慌てて自己紹介します


「は、はじめまして、ティアノート=フィル=ローラントと言います。え・・・えと、ティアと呼んでください。よろしくお願いします」


うぅ・・・あまりうまく自己紹介できませんでした。


「初めまして、私はリタ=ロスト=ケミアといいます。リタと呼んでください。これからよろしくね」


しかし、彼女・・・リタさんはそんなこと気にせず、優しい笑顔で私に手を差し出してくれました。


「は、はい!!よろしくお願いします!!」


私はうれしくなってつい、リタさんの手をブンブンと振り回してしまいました。

しかし、リタさんはそんな私を優しく見つめてくれます。




寮長さんも帰り、リタさんが私を部屋に案内してくれると、そこには金色の髪をした美少女が、ベッドに座っていました。

リタさんの友達でしょうか?


「あれ?あの~~リタ・・・さん」

「なんですか?あ、そうです。ティアちゃんって呼んでいいですか?」


私がこの金色の髪をした美少女のことを聞こうとした時、リタさんがそういいました。


「ティアちゃん・・・ですか?」


私は思わず、目を見開いてしまいました。

なぜなら、外にあまり出ない私は、友達も少なく、今まで、ティアノート様ですとか、お嬢様と呼ばれ、『ティアちゃん』なんて親しく呼んでくれる人はいなかったのです。


「・・・ダメ?」


リタさんが少し悲しそうな顔で私を見ます。


「い、いえ、今までそんなふうに呼ばれたことなかったので、うれしいです♪」


私は、満天の笑顔でそう答えました。


「それで、ティアちゃん、何の御用でした?」


うれしくて、つい質問していることを忘れていました。


「あ、そうでした。その・・・そちらの方はどなたでしょうか?リタのお友達ですか?」


私の言葉を聞いて、リタさんたちが黙り込んでしまいました。

もしかして、まずいことを聞いてしまったのでしょうか?


「あなた、私のこと見えてます?」

「えっと・・・どういう意味でしょうか?」


何やらよくわからないことを聞かれました。


「いえ、なんでもないです。私は黒衣クロイ 真貴マキといいます。よろしくです」

「あ、はい。ティアノート=フィル=ローラントです。よろしくお願いします」


何かの聞き間違いでしょうね。

私と真貴さんは自己紹介をしあいます。

それにしても、少し珍しい名前ですね。


「クロイ=マキさんですか・・・は遠来の方でしょうか?」

「そうです。ずっと遠くから来ました。ちなみに、真貴が名前で黒衣が家名です」


遠来の風習でしょうか?

私たちとは名前を言う順番が違うのですね。


「それで、黒井さんは・・・」

「真貴でいいです。私もティアと呼ばせてもらいます」


真貴さんも『ティア』と呼んでくれるのですね。

うれしいです。


「あ、はい。真貴・・・さんはリタのお友達の方ですか?」

「それは・・・・・」


そこで、真貴さんが言葉に詰まります。

どうしたのでしょう?


「ティアちゃん。真貴ちゃんは私の友達じゃなくて、恋人です♪」


そこへ、リタさんが爆弾発言をします。


恋人?

それってなんだったでしょうか?

確か、私も憧れたことがあったはずです・・・・・え?

恋人・・・恋人!?・・・・こ・い・び・と!?


「え?・・・え?え?えぇぇぇぇぇ!?」

「ちょ、ちょっとリタ!?」


私は大混乱してしまいます。


「ちなみに、この部屋に真貴ちゃんがいるのは私が連れ込んでるからです。みんなには内緒ですよ?」

「つ、つれ・・・・って・・・え?そういうこと?そういうことなの!?」


連れ込んでる・・・・・つまりそういうことをしているってことですよね!!

そ、そんな・・・こんな美少女達が・・・あんなことやこんなことをしてるの!!?


「さらに、真貴ちゃんは何と隠密魔法が得意で、みんなには見えないように四六時中私とイチャイチャしてます!!」

「し・・・四六時中・・・きゅぅぅぅぅ」


しかも、見えなくなる魔法が使えることをいいことに、四六時中・・・つまりそ、外とか、教室とかで・・・・あんなことやこんなことを・・・・・。

あぁ・・・気分が遠のいていきます・・・・・。






その夜、ふと目を覚ました私の耳に、『ちゅっちゅっ』という音が聞こえてきました。

ほ、本当に恋人同士なんですね。

う、うらやましいです。

・・・・・・で、でも、このままでは眠れません!!

リタさん、真貴さん、少しは自重してください!!







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