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勇者は四つ巴になる

凄まじい爆発が巻き起こった広場に爆発により生じた煙が充満している。しかし備え付けられている換気扇により煙は吸い上げられていき、煙が晴れる。


煙が晴れた場所には膝をつきながらも顔の前に腕をクロスさせることで急所を守りきったが、鎧はところどころひび割れ破損したソラが五体満足でそこにいた。


(ちっ、流石にダメージがあるな。左腕は少し動かしにくいな)


ソラは立ち上がりながらダメージを確認しつつ、精霊に視線を向ける。視線の先ではこちら側の様子を見たまま佇んでいる精霊が、手に握った剣をこちらに向けるところであった。


ソラも答えるように剣を構え、精霊のほうに視線を投げかけたとき、広場の壁が突き破られ、そこから一人の女性が飛び出してくる。その女性は炎の牛に纏わりつかれており、そのまま広場に叩きつけられると同時に炎が爆発四散し、周辺を火の海へと変えてしまう。


突然のことで戸惑いつつもソラは火の海から離れるように距離をとり、精霊も同じように距離をとって乱入者に意識を向ける。


そして火の海の中からゆらりと人影が浮かび上がり、炎を吹き飛ばして姿を露わにする。


銀髪の女でラバースーツに身を纏っているが、先ほどの攻撃で焼けてしまったのか二の腕の先と脚の膝や桃の部分が破け、肌が露出していた。そしてその紅い瞳がきらりと光り、手に握った剣を力強く握り締めると闇の魔力が吹き荒れた。


突然の魔力の奔流とその強大さに驚いた精霊は対抗するように自身も魔力を放出し、威嚇する。しかしソラはその魔力よりもその女性の手に握った剣のほうが気になっていた。


(あの剣・・・まさか・・・)


そんな広場にまたもや乱入者が現れる。女性が入ってきた穴から火の球となって突撃してきた少女。そのままラバースーツの女性に突貫するも、ひらりと躱されてしまい地面を転がる。そのまま壁に激突しそうになるが、風のクッションがそれを受け止める。


そのクッションを創り出した翁は穴の奥からゆっくりと現れ、広場全体を見下ろす。そしてそんな二人を見てソラはあの時に見たローブの存在と魔力が一緒なことに気が付く。


「まさかあの時の勇者がここまでおってくるとはな」


「お前らの素顔が気になってここまでやってきたのさ。それにしてもあの女は何だ?孫にしたって教育が行き届いてないな」


「ふむ?あまりにも躾がなってないからてっきり貴様の手の者だと思っていたのだがな」


二人はお互いに言葉で攻撃をしながらもお互いの動きを注視する。そんな中で精霊が突如として魔力をさらに放出させ、その魔力を自身の周囲に押し固めていく。


精霊の姿は徐々に変化していき、重厚な鎧に身を包んだ黒い騎士へと変貌する。巨大なランスと大盾を構え、どっしりと構えた精霊は、ラバースーツの女性を睨みつけている。


ラバースーツの女性は前髪を掬い上げ、髪を手で梳かしたところで剣に魔力を込める。それに合わせて後ろで転がっていた少女が動き出し、炎の鞭をラバースーツの女性の手首に巻き付ける。


そのまま勢いよく地面に叩きつけようとするが、反対側の手に持った剣で鞭を斬り裂かれ、返す刃で少女の身体に斬撃が走る。


纏っている魔力の密度を上げることでその斬撃が身体に通るのを防ぐが、衝撃だけは防げずにそのまま吹き飛ばされる。吹き飛ばされる先で風のクッションを作って待っていた翁は、そのまま少女を助け起こし、二人と一体に視線を向ける。


「全く貴様ら人のアジトで勝手にはしゃぎよって。仕置きをくれてやらんとのう」


「面倒だな。まとめて全員潰してやろう」


「邪魔。さっさと始末するわ」


「邪魔はそっちでしょ!」


『・・・』


精霊以外がそれぞれ言いたいことを言い終えると同時に魔力を開放し、一気に高めていく。それに合わせるように精霊が地面を勢い良く蹴り、まずは翁に突撃する。


突撃と同時にランスを突き出し翁の身体を貫こうとするが、翁は精霊の足元から風を噴出し、バランスを崩すことで攻撃を逸らす。


精霊はそのまま地面を転がりながら壁に激突するが、すぐに立ち上がると同時に今度はランスを闇の魔力に変換し、そのあとに一振りの剣へと変化する。


「あんたイヴァーナの傑作でしょ!?邪魔してんじゃないわよ!!」


炎の腕が地面より出現し、精霊の身体を鷲掴みにする。炎魔術【灼熱の腕(ルブラ・グルート)】。炎でできた巨大な腕を出現させ、人の腕の動きと同じ動きを再現できる魔術である。捕まった精霊はそのまま力を込められていき、締め上げられていく。


そんな中少女の背後にラバースーツの女性が現れ、手に握った剣を振り抜き、またもや少女の身体に斬撃を叩き込む。しかしその直前に間に長杖が割り込みその一撃を防ぐ。


「そう何度もあげてやらんよ」


「邪魔なお爺さん。働きすぎたと過労死しちゃうよ?」


突然ラバースーツの女性が影の中に落ちる。するとそのすぐ後に影から現れ、剣を翁に振り下ろすがそれすらも翁は自前の長杖で防ぎきる。


そしてそのまま自身の周囲に風の球体が幾つも出現し、ラバースーツの女性に殺到する。しかしそれらを影の中にまたもや潜ることでそれを回避し、少し離れたところに現れる。


そこに追撃を仕掛けようとするがそんな翁に雷撃が襲い掛かり、翁もろとも少女すらも痺れさせる。それによって魔術が中断させられ、力が弱まったのを認識した精霊が腕の拘束から逃げ出すと、そのまま離れた場所でひび割れつつある鎧を修復する。


ソラは雷撃を放った後、剣を構えて翁のほうに視線を向ける。


「お前だけは必ず捕らえる。すでに俺の部下がこのアジトの制圧を行っているはずだ。お前たちに逃げ場はない」


「イヴァーナ。すぐに脱出の準備を整えよ」


『今やってるよ!それより応援来てくれますぅ!?こっちもなんか強い人来てて大変なんですけど!』


スピーカーからその声が響き、翁は舌打ちを溢し少女に耳打ちする。しかしソラはイヴァーナの言葉に疑問を持っていた。未だに自分の部下からの連絡がないソラは、イヴァーナという女のそばにいるのが別の組織の人間だと推察し、それは目の前のラバースーツの女性の仲間かもしれないと判断した。


「あんたらいつの間にこんなに人員を割いたわけ?独立部隊にしたって動きと人数のかけ方がすごすぎるんだけど」


「え?もしかしてあたしって”轟雷”の仲間だと思われてたんだ。あはっ!残念だけどあたしはあそこの勇者様とは別の組織だよ」


「やはりそうか。勇者が怪訝そうな顔をしておったからもしやとは思っていたが・・・じゃがどこの組織だ?この場所を探し出すのはかなり時間がかかったはずだが?」


「そうね。この際だから──あ、ごめんね?どうやら言わないでってことらしいや。まぁ気にしないで?」


そう言って剣を構えたとき、そんなラバースーツの女性にソラが斬りかかる。突然斬りかかってきたことで少し反応が遅れつつも、なんとか斬り返した女性は、そのまま何度か切り結んでから鍔迫り合いを始めると、疑問をソラに投げかける。


「驚きだね。君とは争わないかなと思ってたんだけど?」


「所属不明の組織に属してるってだけで王国所属の人間としては見逃せないんだよ。特にうちの街襲った連中のアジトにいた組織なら尚更、な!!」


剣に込める力を上げていき、徐々にではあるが押す力を上げていく。ラバースーツの女性はたまらず後ろに下がり、一度鍔迫り合いを解除してから魔力を込め、斬撃を放つ。黒い斬撃がソラを飲み込もうとするが、凄まじく速い斬撃が真っ二つに裂き、ソラの左右に分かれる。


ソラの雷撃を纏った斬撃によってその攻撃は防がれ、ラバースーツの女性は口笛を短く吹き、剣を振り回しながら魔力を高めていく。


「【黒き波動(アンパクト・ノワール)】」


女性を中心に黒い波動が勢いよく広がり、ソラや他の者たちを吹き飛ばそうとする。しかしソラはまたもや雷撃を纏った斬撃でそれを斬り裂き防ぎ、他の者も魔術で防ぐ。


「ふんふん。なるほどね」


次は指を鳴らす女性。するとソラの剣や魔術で防いだ者たちの周りの空間に突如として黒い球体が出現し、爆ぜる。闇魔術【黒き波動(アンパクト・ノワール)】によって散らした自身の魔力を防いだ対象に付着させ、何らかのアクションによって起動する闇魔術【黒き爆発ノワール・エクスプロジオン】を発動させ、付着した魔力を爆発させたのだ。


しかしソラは浮かび上がった球体をすぐさま切り払うことで魔術の発動を防ぎ、そのまま地面を蹴って今度は翁に接近する。


翁は爆発を風の防壁で防ぐとともに少女の身体に風を纏わせて何かを行おうとしていた。


「アメリ!イヴァーナのもとへ迎え!奴を失うのは避けねばならん!ここは儂に任せよ!」


「了解おじいちゃん!!」


そう言って自身の魔力も纏って凄まじい速度で広場から脱出した少女。そして翁は自分に襲い掛かってきたソラの攻撃を長杖で受け止め、長杖をその場で勢いよく回転させることでソラを弾く。


回転をすぐに止めて長杖の先端でソラを突く。その先端には風の魔力が蓄えられており、突きの動作に合わせて高密度の竜巻が発生してソラの脇腹を掠る。痛みに顔を顰めつつも剣を振るい、竜巻を斬り裂きつつ翁へと向かう雷撃を放つ。


翁はそのまま竜巻を途中で爆発させて雷撃を弾き、そのまま距離をとってソラと女性、そして精霊を見下ろすように飛び上がる。


「貴様ら全員行かせはせん。儂こそは”千風(せんぷう)”のゴーラ。殺される相手の名くらいは覚えておくがいい」


千風(せんぷう)”。昔から戦場を旅するかの如く駆け回った傭兵の異名であり、数多の風魔術を扱う様からありとあらゆる風を操るものとしてその名で呼ばれていた歴戦の傭兵である。


しかしそんな存在にソラは臆することなく剣を構え、そして魔力を込め上げると、刀身に紅い紋様が浮かび上がり脈動を始める。


そんな剣に反応するかのようにラバースーツの女性が持つ剣も同じような反応を見せ、ソラと女性はお互いがお互いの剣に視線を向け、そして互いの視線が交差する。


「・・・まじ?こんなところでこんな出会い方する?」


「奇遇だな。俺も同じことを考えていたよ」


お互いが同じことを考えていたのか、二人は笑みを浮かべる。


「”轟雷の勇者”ソラだ。悪いが加減はできそうにないから全員殺していくぞ?」


「クロエだよ。今はそれだけ名乗ってあげるね」


そして精霊が飛び上がり、ゴーラ目掛けてランスを突き出す。ゴーラはそれを風の盾で受け止めるとその場で精霊の周囲の空間を固定し、空中に固定させる。そしてそこ目掛けて竜巻の槍が幾つも殺到し、精霊の身体を穿つ。


「風魔術【風槍の牢獄ランツェ・ゲフェングニス】」


属性魔力でできた槍が対象を貫き殺す魔術である。しかし対象は精霊であるため魔力を吸収することで体を再生させていく。しかしそうはさせまいとゴーラはさらなる魔術を発動させる。


「鬱陶しいのう。【竜巻(ヴィントホーゼ)】【風撃(ヴィント・カノーネ)】」


長杖を精霊のほうに向けるだけで精霊の足元より巨大な竜巻が発生し、そのまま精霊を竜巻の中にとらえる。さらには他の二人が動き出そうとしていたため牽制として風の砲撃が放たれ、二人に防御を強いる。


そして竜巻の中にとらわれた精霊は身動きができないまま、頭上に集まっている魔力を検知する。


「気づいたか。だが遅いのう」


その声とともに凄まじい暴風の塊が精霊に落とされ、地面を削り取りながら数秒間その場にとどまり、消え失せる。暴風がとどまった場所には削られた地面しか残っておらず、精霊の姿は跡形も残ってはいなかった。


「風魔術【風神の裁き(ボレアス・リッヒテン)】。貴様の様な精霊紛いには勿体ない魔術であったか」


「おいおい高位魔術をそんなあっさり使うなよ。嫉妬するだろ」


「貴様も問題なく使えただろうに。よもや魔力出力が弱いとは・・・宝の持ち腐れだのう」


「憐れむのは早いんじゃないお爺ちゃん?まだ精霊くんは生きてるみたいだけど」


そう言ったクロエに合わせるかのように魔力が集まっていき、一つの人型に姿を変える。そこには無傷の状態の闇の精霊が空中に浮かんでいた。


それを見てソラはその存在がただの闇の精霊だとは到底思えなかった。


(普通の精霊だとあそこまで完膚なきまでに破壊されたらさすがに消滅するはずだ。なのにあの存在はあそこから再生した。()()()()()再生してるんだ?)


ゴーラも同じようなことを考えつつ、三人に対して風魔術の牽制を行っていた。


(核となるものは確認できなかった。となるとあれは本体ではない分身体?じゃがそうなると本体はどこに・・・)


そんなことを考えていたゴーラやソラ、クロエの影が突如としてぶれる。そしてそこから何体もの闇の精霊が飛び出し、背後からの奇襲をかける。


しかし三人とも魔力の揺らぎがわかっていたためその奇襲にはしっかりと対応し、すべてを斬り伏せ、魔術で弾き飛ばすことに成功する。


しかし斬り伏せられても殴り倒されても、魔術で消し飛ばされても再生する闇の精霊。その異常性に流石に焦りが見え始める三人。


「おいおい再生しすぎだろ。分身体にしてもやりすぎだ」


「ちとめんどうだのう」


「おじいちゃんたちが造ったって言ってたじゃん。しっかり手綱握りなよ」


クロエは言い終えるなり剣に魔力を流し込んでいく。すると刀身が黒く輝き始め、刀身の赤い文字が脈動を始める。


「まぁでも面倒なのは変わらないしさっさと全部斬ってあげるね」


瞬間クロエの身体が影の中に沈む。そして次の瞬間にはその広場にいた存在全員の身体に斜めに斬撃が叩き込まれる。


ゴーラとソラは何か来ると考えていたため、防御魔術を展開しそれを防ぐが、闇の精霊本体と分身体はその斬撃をもろに受けてしまう。分身体は霧散し、そして隠れていた闇の精霊は傷つき膝をついた状態で現れる。


どうやら先ほどまで戦っていたのはすべてが分身体であり、本体はずっと隠れていたようであった。


体内の核にすらダメージを負い、どうにか回復をしようと考える精霊であったが、ダメージを負っていない二人が逃さない。


闇の精霊の周囲に四つの竜巻が出現し、強烈な風の流れが中心にいる闇の精霊の身体を拘束する。身動きのとれない闇の精霊の目の前に移動したソラは、振り上げた刃をそのまま振り下ろす。


凄まじい雷撃を纏った斬撃が闇の精霊を飲み込む。闇の精霊は自分の身体に闇の魔力を纏い、なんとかその一撃を相殺しようとする。しかしその背後からクロエが現れ、横薙ぎに黒い斬撃を叩き込む。


雷と闇の斬撃に挟まれた闇の精霊はそのまま二つの斬撃に飲み込まれて闇の精霊は声にならない叫びを放ちながら、斬撃の中に消え去ってしまう。


完全に闇の精霊がいなくなったことを確認した二人。その瞬間二人を囲うように四つの竜巻が出現し、二人の動きを制限しようとする。


しかしソラはそうなることを読んでおり、あらかじめ設置していた魔法陣を起動させ、【落雷(ドンナーシュラーク)】を発動させる。雷撃が竜巻の中心に叩き込まれ爆発し霧散させる。


「マナー悪いなご老体」


「戦場のマナーなんぞ忘れてしもうたわ」


「耄碌してるねぇおじいちゃん!」


いつの間にか上空にいたゴーラの後ろにいつの間にか移動していたクロエが剣を連続で振り、ゴーラに斬りつける。間に風の防壁があったためそれに斬撃はすべて防がれてしまう。


防がれたクロエはそのまま風の防壁を蹴り、勢いよく地面に着地する。


着地するとクロエは剣を構え、魔力を高めていく。それに合わせてゴーラも纏う風の量を増やし、自身の周囲に風の槍を浮かばせていく。それらを見てソラも体内に魔力を循環させ始める。


しかし誰よりも魔力を動かすのが遅かったソラが一番最初に動く。足音すらなく一瞬でゴーラの目の前に移動するソラ。そのまま鋭く息を吐き、右拳をゴーラの風の鎧に叩き込む。


ゴーラはソラが自身の風の鎧に拳を叩き込むタイミングでようやく動き出そうとするが、あまりにもその動作は遅く、拳をもろに受けそのまま壁に叩きつける。


「くっ!?」


(こやつ魔力出力も高くないはずなのにどうやってここまでの威力の打撃を繰り出しておる!?純粋な力だけではわしの風は突破できないはずであろうに!?)


困惑しながらも追撃に備え、進行方向に風の球体をいくつも設置し、動きを制限する。触れれば爆風が吹き荒れる球体ではあるが、ソラはそんな球体をすべて無駄なくすり抜け、一瞬でゴーラの目の前に到達し、そのまま両拳に力を籠める。


「無天流【烈天(れってん)】」


「【嵐の宮殿トルメンタ・パラーシオ】!!」


風属性の上級魔術。自身を纏うように風の層が幾つも展開され、そのすべてが高速で回転し外界からの攻撃を防ぐ。全ての層は高速で回転し、各層を越えるごとに回転の方向が変わる仕組みとなっており、それによって貫通力の高い魔術や攻撃を防ぐことも可能なのだ。


そんな防御魔術によってソラの攻撃は全て防ぎきられてしまうが、七層に及ぶ守りの内の三層を破ってしまう。


クロエはそんな二人の戦いを外から眺めており、ソラがさらなる追撃を加えようとしているのを察し、背後から仕留めようとするが、そこでふと気が付く。ソラが握っていた剣がソラの手元にはなく、腰にも刺さっていなかった。


どこにそれがあるのか視線を巡らせるのと同時に背後で地面に何かが刺さる音が響く。クロエはその方向に視線を向けると同時に目の前に黒い刀身が煌めく。


寸でのところで顔を逸らしたクロエ。頬からは鮮血が舞い散り、ほぼ反射的に全方位に向けて自身の影から鋭い闇の棘が放たれる。反撃を受けたソラだったが伸びてきた棘全てを斬り裂き、逆にそのままクロエに肉薄する。


クロエもそれに対応するように剣を振るう。軌跡から魔力が迸り、闇の刃が生まれる。刃はそのままソラを飲み込もうとするが、ソラは雷の如き一閃をもって闇の刃を真っ二つにしてしまう。


そんな二人の真ん中に風の槍が突き刺さり、爆発する。爆風が発生しお互いの距離が開かれるのを見て三人は各々がまたもや自身の得物を構え、魔力を滾らせていく。








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