第73話 脂肪吸引再び
ムビはユリの二の腕を触る。
信じられない程滑らかなで柔らかい。
ドキドキしながら、ムビは魔法を発動する。
「”脂肪吸引”」
「んっ」
ユリがピクリと反応する。
数秒で、脂肪の吸引が終わった。
「うわぁ、本当に痩せてる!ちょっと敏感になっちゃうけど、これほんと神魔法だね♪」
ユリは大はしゃぎで自分の二の腕を摘まむ。
「あはは・・・良かったです」
「それじゃあ、反対もよろしく♪」
「わ・・・分かりました」
ムビはいっぱいいっぱいになりながらも、反対の腕も脂肪吸引する。
「ありがとうー、じゃあ今度はお腹ね♪」
「えっ、お腹ですか!?」
「当然でしょ?もうほんと最近お腹が出てきちゃってて」
「あ・・・あのー」
「?どうしたの?」
「・・・この魔法、タオル越しだと発動しないんです。だから、お腹は今度にしましょうか・・・」
ムビは苦笑する。
そもそも、この状況でお腹を触るというのは色々まずい。
「ああ、そうなのか。それじゃあこうするね♪」
ユリはタオルを解いてポイっと投げた。
「な・・・なななな何やってるんですか!!?」
「えー?見えないから大丈夫だってー♪」
温泉は血のように濃い赤色で、確かにお湯の中は見えない。
ユリの鎖骨より上しか見えないが・・・。
ユリは、完全に裸ということだ。
「さ・・・流石に色々とまずいですって・・・!!」
「まずくないって♪・・・なぁにぃー?ムビ君何考えてるのー??」
「い・・・いや別に・・・」
「ひょっとして、やらしいこと考えてるのかな?あれれー?」
「や・・・、やややや!そんなことは全然・・・!!」
「なら、問題ないでしょ?ほら、やっちゃって頂戴♪」
ユリはお腹を突き出すような仕草をした。
「わ・・・分かりました・・・」
ムビは何も見えないお湯の中を、手探りで探す。
「きゃっ!ちょっとムビ君、どこ触ってるの?」
「あっ!すみません、見えなくて・・・ごめんなさい!!」
ムビはユリのお腹を触る。
すべすべしていて、肌触りがいい。
「”脂肪吸引”」
お腹や脇腹を満遍なく撫で回す。
「あははっ!ちょっとやだ、くすぐったい!」
「あぁっ、すみません!」
「いやいいの、我慢するから・・・んふふっ!」
30秒程撫で回し、ユリはビクビク反応しながら笑っていたが、なんとか脂肪を取り切った。
「はぁ・・・はぁ・・・これは大変だったわ」
「お・・・お疲れ様でした。」
「よし、じゃあ次は足ね♪」
「えっ、足もですか!?」
「そうだよー♪折角だから、全身お願い♪」
ユリがパシャっと水音を立て、水面に足を出す。
「変なとこ触らないように、脹脛からお願いしようかな♪」
「わ・・・分かりました・・・」
ムビは両手で右足を包み込み、脹脛の足首側からゆっくりと膝側に進んでいく。
「あははっ♪やっぱりこれくすぐったいかも!」
「す・・・すみません!」
ムビはできるだけ刺激しないように優しく触った。
それが余計にくすぐったさを助長させているのだが。
「んふっ・・・!んふふっ、あははははっ!」
時折ユリが足をバタつかせ、ムビは何度か蹴りを入れられたが、無事に脹脛の脂肪吸引を終えた。
「そのまま、太もももお願いね♪」
「わ、分かりました・・・」
ムビは両手で膝の少し上を包み込む。
「んっ」
ムビの手が少し胴体方向へ近づくと、ピクリとユリが反応した。
脹脛のときとはどうも反応が違う。
「あの・・・適度なところでやめますので・・・」
「うん・・・お願い」
徐々にムビの手が胴体方向へ進んでいく。
ユリはビクビク反応しながら、時折艶めかしい声を出す。
ムビは太ももの真ん中あたりまで脂肪を吸引し終える。
「じゃあこの辺で・・・」
「ううん、もう少し上までお願い」
「・・・分かりました」
ムビは更に胴体部へゆっくりと進む。
ユリの声が、徐々に艶めかしくなってくる。
足の付け根辺りまでの脂肪を吸引した。
「よし、取れましたよ」
「・・・もう少し上までお願い」
「ええっ、これ以上ですか!?」
「うん。まだ少し残ってるから、きれいさっぱり取って」
「わ・・・分かりました・・・」
これ以上は流石にまずいのでは・・・。
ムビの手が、ゆっくりと進み―――腰や股関節の辺りまで到達する。
「んんっ!」
「だっ・・・大丈夫ですか?」
ユリは腰のあたりがゾクゾクしていた。
「・・・ん、ありがとっ。反対の足もお願い」
そのまま左足の脂肪吸引も行う。
ユリは右足と同じように、脹脛では笑い転げ、太もも部分では艶めかしい反応を見せた。
「お・・・終わりました」
ムビは頭が変になりそうだったが、無事に終わり、ふぅと大きく息をついた。
「ムビ君、ありがとうね。こんなに脂肪取れちゃった」
ユリは数キロ程の脂肪のお団子をプカプカ浮かばせて遊んでいた。
「いえ、お役に立てて良かったです」
「でもこの脂肪の塊、さっきまで私の一部だったんだよねー。このまま全部捨てるのはもったいないなー」
ユリはプニプニと脂肪の塊をつつき、くるっとムビの方を見た。
「折角だから、脂肪吸着もお願い♪」
「えっ・・・吸着って・・・また、元に戻すんですか?」
「そんなわけないじゃん!バストアップに利用するの♪」
ユリはムビに笑顔を向ける。
「えっと・・・すみません、脂肪吸着魔法は、直接触れる必要があって・・・」
「うん、オッケーだよ♪」
「えええええっ!!?」
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