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Aランクパーティをクビになった『動画編集者』がアイドルパーティに加入して無双  作者: 焼屋藻塩
第1章 『動画編集者』の覚醒

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第25話 決闘

 酒場にて、男達が話していた。


「お前、最近の休日何してるよ?」

「そりゃお前、『Mtube』で冒険者関連の動画ひたすら漁ってるよ。中でもやっぱ決闘の動画は一番面白いね」

「決闘は確かに熱いよなぁ。俺もPPV購入してよく観戦してるぜ」

「色んな冒険者の試合があるけど、最近一番の注目は『白銀の獅子』だよな」

「あぁ、あそこは凄いよな!18戦18勝18KOだろ?時間切れ判定なしの、KO率100%!」

「間違いなく今一番の注目株だね。国内ランキング入りもしているし、国内チャンピオンも狙えるって話だぞ。PPVや観戦チケットも飛ぶように売れるんだとよ」

「いいなぁ、俺も一回生で見てみてぇなぁ」


 そのとき、一人の男のスマホに通知が届いた。


「あっ!噂をすれば!『白銀の獅子』が決闘やるってよ!」

「まじか!どれどれ……3日後!?また随分急だなぁ」

「普通数か月前から告知あるもんな。でも、『白銀の獅子』ならスタジアム埋めるだろうなぁ」

「どれどれ対戦相手は……ん?Dランクの『四星の絆』?聞いたことねぇなぁ」

「あっ、俺地下アイドル好きだから知ってる!その子達めっちゃ可愛いぞ!」

「へぇ〜、そうなのかぁ〜。まぁDランクなら『白銀の獅子』の圧勝だろうけど。え〜と賭けの対象は……ん?『四星の絆』全員の『白銀の獅子』パーティ加入?」

「へぇ〜。誰か一人引き抜くのは良くあるけど、パーティ丸ごとってのは珍しいなぁ」

「俺会場行くけど、お前どうする?」

「そうだなぁ、いい機会だし、スタジアムで生で見てみようかなぁ」

「OK!チケット販売、明日の0時からだってよ!秒で完売するから、明日はスマホ開いて待機だぞ?」

「チケット買えるといいなぁ〜」

「そういや、公式がやってるブックメーカーで勝敗予想の賭けができるから、やっといた方がいいぞ。

 今回は間違いなく『白銀の獅子』が勝つだろうからな」

「まぁ、オッズは雀の涙ぐらいしかないだろうから、でかい額突っ込んで酒代ぐらいは稼ぐか」




 3日後、『四星の絆』は決闘スタジアムの前に立っていた。


「ここがスタジアム……初めて来ましたけど、なんて大きい……」

「お客さんもいっぱい並んでる……私達、今からここに行くんだ……」

「収容人数は3万人ですからね。行きましょう」


 ムビ達は関係者用の入口からスタジアムに入った。


「ムビ君ってさ、『白銀の獅子』の頃、スタジアムに来たことあるんだよね?」

「そうですね。十数回来てます。ただ、『動画編集者』は非戦闘要員とカウントされるので、戦闘フィールド内の関係者用のベンチでいつも試合を見ていました」


 廊下を歩いていると、案内スタッフが『四星の絆』を待っていた。


「『四星の絆』の皆様ですね。控室にご案内します」


 控室内に通され、5人は椅子に座る。


「やばい……緊張し過ぎて、口から心臓が出そうだよ」

「ムビ君、レベル差相当あるけど、本当に大丈夫なんだよね……??」

「大丈夫です。作戦通りやれば、必ず勝てます」

「……分かった。ムビ君を信じるよ」

「あとはやるだけです。結果はどうあれ、集中していきましょう」


 一時間程待ち、案内スタッフが控室のドアを開けた。


「時間になりました。戦闘フィールドへ移動をお願いします」


 5人は、暗い廊下を歩いていく。

 遠くから歓声が聞こえてくる。

 暗闇の向こうに、光が見える。

 光に近づく程、歓声が大きくなっていく……。


 5人が戦闘フィールドに出た瞬間、体がビリビリする程の物凄い歓声が上がった。

 スタジアムは観客で埋め尽くされており、空席がどこにも見当たらない。


「凄い……これが3万人の観客……」


 ユリがくすっと笑う。


「どうかしましたか?」

「ううん・・。ドームに立つときってこんな感じなのかなって思って」

「確かに。なんだか夢が叶ったみたいですね」

「行きましょう。私達の夢は終わらせません。必ず勝ちましょう」


 戦闘フィールドの中央には、既に『白銀の獅子』の4人が待ち構えていた。


「よう、アイドルを引退する準備はできたか?」


『白銀の獅子』から、猛烈なプレッシャーが放たれる。

 かつて『四星の絆』が感じたことのない、圧倒的な圧だ。

 間違いなく、ぶっちぎりで過去最強の相手。


「……これがAランクパーティ……」

「……こんなのに勝てっての……?無理ゲーじゃん……」

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2025年9月10日、注目度 - 連載中で2位にランクインされました!
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