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Aランクパーティをクビになった『動画編集者』がアイドルパーティに加入して無双  作者: 焼屋藻塩
第3章 S級冒険者選抜大会

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第184話 触手プレイ

「キィ キィ♪」


 触手が甲高い声を上げながら、無防備なシノの体をめちゃめちゃに這い回る。

 粘液をまとったその動きは、まるで喜びを表現しているかのようだった。


「や……やめっ……うあぁぁッ!」


 肌と触手が擦れ合うたび、粘性のある音が響く。

 悍ましい感触が全身を這い、シノの神経を逆撫でする。

 圧倒的な不快感。


 触手の方は逆にシノの感触を気に入ったらしく、甲高いキィキィ声を上げながら、愛くるしそうにシノの華奢な体をゆっくり絞り上げていく。

 抵抗したい。

 なのに、体は動かない。

 無防備な体を、低俗な魔物に好き放題される屈辱。

 シノは、頭がどうにかなりそうだった。


「おいおい、すっかり気に入られてんじゃねぇか♪」


 ゴリが触手とシノの絡み合いを眺めながら、下卑た笑みを浮かべる。

 その視線が、胸や太ももに集まり、シノの怒りと羞恥をさらに煽る。


(くそっ……なんとかしないと……!)


 シノの視線が、近くの木に向かう。


(あそこまで行ければ……幹を支えに立ち上がれる……!)


 バフを受けた触手。

 デバフを受けた自分。

 このまま地面に押さえつけられていては、何もできない。

 せめて立ち上がることができれば、少しは抵抗できる——!


 シノは全身の力を振り絞り、なんとか仰向けになる。

 そのまま、地面を這いながら、木へと向かって少しずつ進む。


「おっ、まだ抵抗すんのか?芋虫みてぇだな、ははは♪」


 ゴリの嘲笑が背後から降りかかる。

 だが、シノは耳を塞ぐように心を閉ざし、ただ前だけを見つめた。


(絶対に……負けない……)


 その間も、触手が全身を這い回る。

 両手両足に触手が巻き付き、思うように動かせない。


 それでも、シノは少しずつ、少しずつ前へと進んだ。


(もう少し……立ち上がりさえすれば、こんな魔物、踏み潰してやる……!)


 その進行方向にある木に、ゴリが気づく。

 シノの意図を察し、口元に意地の悪い笑みを浮かべた。


「おいマリー。結界呪文だ」

「《閉鎖結界(ロックルーム)》」


 空間に正方形の障壁が現れ、シノはその中に閉じ込められた。


「えっ……!?ちょ、ちょっと……!」


 シノは障壁に手を当て、絶望の色を浮かべる。


「せっかく友達が仲良くしてんだろ?二人で水入らずで楽しめるようにしてやったぞ♪ちょっと窮屈だがな♪」

「だ、出して……!お願い、ここから……!」


 シノは壁を手で叩く。

 だが、結界は微動だにしない。


「出たければ出ていいぞ?その結界はあまり強くない。レベル60くらいの力があれば簡単に壊せるぞ♪S級冒険者目指してるなら楽勝だろ??」


 シノのレベルは52。

 しかも、デバフの影響で力は大きく削がれている。

 全力で壁を殴っても、何の反応もない。


「だはははは!この程度の結界も壊せないで、よくもノコノコ出場したもんだ!表彰もんの恥知らずだぜ、てめぇはよ!(笑)」


 シノは自分の非力を心底呪った。

 悔しさが胸を焼き、目の奥が熱くなる。


「キィ キィ♪」


 魔物は、狭い密閉空間に喜びを感じているようだった。

 動きがさらに活発になり、シノの体を執拗に這い回る。


「やめて……!」


 シノは障壁にもたれ掛かり、ただ耐えることしかできなかった。

 ゴリは鼻の下を伸ばしながら、シノの苦悶の表情を眺めていた。


「へへへ……どうだ、もうきついか?『ゴリ様には一生敵いません!』って謝るなら、助けてやってもいいぜ?」

「だ……誰がそんなっ……!」


 シノは顔を歪めながらも、瞳には抵抗の意志が宿っていた。


「強情な奴だなぁ?しょうがない。マリー、あれを」

「《防御減少(ディフェンスダウン)》」


 シノの体が光に包まれる。


(くっ……また、デバフを……!?)


 ゴリがニタニタ笑う。


「防御力が下がるデバフだ♪かかったことはあるか?防御力が下がるってことはな……体が刺激に敏感になっちまうんだよ♡」


 直後、シノの体にデバフの効果が表れる。


 デバフの影響により、シノの感覚は極端に研ぎ澄まされていた。

 ほんのわずかな接触すら、鋭い痛みや不快感として全身を駆け巡る。

 今のシノにとって、触れられること自体が耐えがたい苦痛だった。


 ——なのに、魔物は容赦なく動き続ける。

 粘液に包まれた触手が、衣服の隙間を縫うように這い回り、シノの神経を逆撫でする。


「やっ……やめてっ!ああっ……!」


 シノの体は反射的に震え、声が漏れる。

 過敏になった感覚が、シノの意志を試すかのように、次々と刺激を送り込んでくる。

 魔物は、シノの反応に執着しているようだった。

 甲高い声を上げながら、動きを止めることなく、シノをじわじわと追い詰めていく。


「へへへ……こんなこともできるぞ?」

「《雷属性付与(エレクトロ)》」


 ——パチパチッ。


 魔物の体表に微かな電気が走る。

 触手が帯びた雷の力は、シノの敏感になった体に容赦なく作用した。


「っ……うあっ!」


 シノの体が反射的に跳ね上がる。

 触手が肌に触れるたび、微弱な電流が走り、神経を刺激する。

 その感覚は、粘液の冷たさとは異なる、鋭く刺すような不快さだった。


「そそる反応だな……さぁて、いつまで強がっていられるかな?」


 ゴリの嘲笑が、密閉された空間に響く。

 シノは歯を食いしばり、声を漏らすまいと必死に耐える。


(負けない……絶対に……)


 魔物は、シノの反応に執着しているようだった。

 甲高い声を上げながら、動きを止めることなく、シノをじわじわと追い詰めていく。

 狭い空間に響くのは、電気の弾ける音と、シノの荒い息遣い。

 それでもシノは、心だけは折れないように踏みとどまっていた。

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2025年9月10日、注目度 - 連載中で2位にランクインされました!
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