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Aランクパーティをクビになった『動画編集者』がアイドルパーティに加入して無双  作者: 焼屋藻塩
第1章 『動画編集者』の覚醒

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第14話 『白銀の獅子』の野盗討伐戦3

 王都に着いたゼルは、3日間の滞在期間中、色んな『Mtuber』とコラボ撮影した。


「ゼルさん!コラボありがとうございます!いやー、まさか『白銀の獅子』とコラボできるなんて!」

「『白銀の獅子』のゼルさんですね!コラボできて光栄です!」


 おっ、この子可愛いな。

 やっぱ俺顔が良いからモテるなぁ。

 さて、今日はどの子持ち帰ろうかな。


 ゼルはどの現場でも持て囃され、王様気分に浸っていた。

 新しく『白銀の獅子』に加入したヘンリーとも合流し、動画撮影を任せた。

 ヘンリーはムビと違い、会話に入ってきて場を盛り上げた。


(ムビと違って優秀だな。戦闘もできるし、俺の判断はやはり正しかったな)


 ゼルは輝かしい『白銀の獅子』の未来を思うと胸が躍った。

 夜は『Mtuber』達と大いに飲み、親睦を深め、持て囃され、コラボ相手の可愛い女子を持ち帰り、最高に楽しい時間を過ごした。


 最終日、ゼルは王都でメディアに出演した。

『今勢いのあるMuber同士の対談』という企画らしい。

 今日は王都での3日間のうち、最も重要な日だ。

 部屋には司会、ゼル、そして対談相手の少女の3人が座っている。


「それでは、紹介します。『ミラチャンネル』のミラさんと、『白銀の獅子チャンネル』のリーダー、ゼルさんです」

「よろしくなのじゃ!」

「よろしくお願いします」

「お二人は3年前から投稿を始めた同期ということですが、お会いするのは初めてですか?」

「そうなのじゃ!でも『白銀の獅子』の動画はよく見ているぞ!」

「僕も、ミラさんの動画はよく見ています」


 ミラ・ファンタジア。

 活動歴わずか3年で登録者数1000万を超えた化け物『Mtuber』。

『白銀の獅子』の約6倍の登録者数だ。

 他の『Mtuber』相手なら王様気分でいられるゼルだが、ミラだけは別格だ。


 今回の企画はそもそもミラありきのもの。

 元々『トップMtuber同士の対談』という企画名だったらしい。

 だが、番組側が提案する対談相手にミラが悉く興味を示さず、なかなか成立しなかった。

 ディレクターがミラに希望を尋ねたところ、『白銀の獅子』ならば是非対談したいということだったので、急遽企画名を変更するという経緯があった。

 ミラに注目されていると知って、ゼルは天にも昇る気持ちだった。


 あのミラからの直々のご指名とはな……。

 俺もいよいよそのレベルってことか……。


「本日はいくつかトークテーマを決めています。それでは最初のテーマですが、お互いの気になるところは何でしょう?まずはゼルさんからお願いします」


 ゼルはミラを見る。

 アイドル顔負けの美少女だ。

 正直彼氏がいるかどうかが気になるが、用意してきた回答を口にした。


「そうですね……ミラさんの口調、ですかね。古風というか、独特の話し方をされますよね」

「おう、確かにそれはよく聞かれるのう!実はワシ、飛び切りのばあちゃん子でな、ばあちゃんの真似ばかりしていたらこうなってしまったのじゃ!かっかっか!」


 しばしミラの話題でトークが進み、今度は司会がミラに質問を促す。


「ミラさんは、『白銀の獅子』ゼルさんのどんなところが気になりますか?」


 さぁて、何が聞かれるやら。

 彼女がいるかとか、異性のタイプでも良いぞ。


「そうそう、ずっと気になっていたのじゃ!『白銀の獅子』といえば、動画の面白さじゃ!企画は、お主が考えているのか?」


 動画については企画、撮影、編集とムビに丸投げだった。

 まぁ話を合わせた方がミラも喜ぶだろう。


「そうですね、大体は僕が考えています」

「あんな毎日次から次に凄いのう!ワシなんて3日に1度の投稿が限界じゃ!」

「いえいえ。ミラさんは編集もご自分でされてますしね」

「そろそろ編集を他人に任せようかと悩んでいるのじゃ。お主のところは、どんな体制で編集しておるのじゃ?」

「あー、うちは雇った『動画編集者』一人でやってますね」

「一人!?あのクオリティと投稿頻度で!?凄いのう♪そやつにぜひ会ってみたいのう!」


 ミラは本気で驚いたようだった。

 そんなに驚くことだろうか。


 その後も終始和やかに対談を続け、無事に収録を終えた。

 帰りの廊下で、ゼルはミラに話しかけた。


「ミラさん。今日、良かったらコラボ撮影しませんか?」


 もしこの化け物『Mtuber』とコラボできれば、『白銀の獅子』の登録者数は爆上がりするだろう。

 ミラには気に入られている筈だから、勝算は十分にある。

 今日というのはいきなり過ぎるが、俺みたいなイケメンにはこれくらい押された方が嬉しいだろう。

 ひょっとしたら、惚れられてお持ち帰りコースまであるかもしれない。


「ん?今日か?……そうじゃな……例の『動画編集者』は来るのか?」


 ??

 何だその返答は?


「いえ、今日は他のパーティメンバーはルミノールに置いてきているので、自分と、もう一人別の『動画編集者』の2人だけです」

「ん?『動画編集者』は一人ではなかったのか?」

「ああ、はい……一人雇いまして」

「そうじゃったか。では、今度、例の『動画編集者』がおるときにコラボしようぞ♪」


 ??

 どういうことだ?


 ゼルはミラの意図がよく分からなかった。

 遠回しに断られているのだろうか。


「そうですね、ではそのときにしましょう」

「うむ♪この日なんてどうじゃ?ワシがルミノ―ルに行っても構わんぞ♪」


 どうやら、コラボ自体には前向きらしい。

『動画編集者』の話を聞いて、よほど気に入ったのだろうか。

 一体どこにそんな要素があったのかゼルには皆目見当が付かなかったが、一世一代のチャンスを掴めるなら何でも構わない。


「良いんですか!?では、そのときにルミノールの街をご案内します!よろしくお願いします!」

「うむ、細かいところはまた後程のー♪」

「ところで、もし良かったら、この後食事でもどうですか?」

「……あー、うん。それもコラボのときにの♪」


 ミラは去っていった。

 ゼルはガッツポーズをした。


 よしっ!ミラとコラボの約束を取り付けたぞ!

 これで一気に俺達も上を目指せる!

 ……しかし問題は、『動画編集者』だな。

 ムビはクビにしたしな……。

 まぁいい、その日だけ『白銀の獅子』として雇ってやるか。

 それにしても、今日の夜の予定が空いたな……。

 一昨日の女の子でも誘うか。


 ゼルは女の子に電話を掛けるため、スマホを取り出した。

 電源が切れている。

 そういえば、昨日の夜からずっと切っていたな。

 電源を入れると、ゴリから数十件の通知が届いていた。


 ん?なんだ?何かあったのか?


 ゼルはゴリに電話を掛ける。


「ようゴリ。なんか用か?…………なんだって、リゼが!?」

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2025年9月10日、注目度 - 連載中で2位にランクインされました!
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