自由都市カルミアンでの出会い
「セプテムリス」
セプテムリスは、広大な大陸に7つの国家が拮抗する混沌の世界。数千年にわたり、国家同士の覇権争いや古代からの遺産を巡る争奪戦が続いています。大陸には未踏の地、神秘的な遺跡、危険な魔物が満ちており、冒険者たちはこれらの危険に挑むことで名声や富を得ることを夢見ています。
7つの国とその特色
1. アルカディア連邦
特色: 魔法技術が最も発展した魔導都市国家連邦。
社会: 魔法が日常生活の一部となり、魔導学院や研究所が数多く存在。
課題: 魔力を巡る内部抗争、魔導士ギルド間の暗闘。
伝承: 大陸最古の「封印された魔法書」が眠ると言われている。
2. ヴァリスタ帝国
特色: 圧倒的な軍事力を誇る大陸最大の軍事国家。
社会: 強固な身分制度で支配されるが、武功を立てれば昇格が可能。
課題: 領土拡大に執着するが、内政の混乱が進行中。
伝承: 「戦神の鎧」を身につけた皇帝が国家を創設した。
3. リェン・シャン王国
特色: 東方の山岳地帯に広がる自然崇拝の国。
社会: 精霊信仰が深く、精霊使いと呼ばれる人々が力を持つ。
課題: 外国の進出に対する抵抗と自然環境の保護。
伝承: 「風の精霊王」が国を守護している。
4. ノルザーク公国
特色: 広大な荒野と鉱山を領土とするドワーフ主体の国。
社会: 鍛冶技術と鉱石交易で繁栄しているが、閉鎖的。
課題: 地下の古代遺跡で発見される未知の危険。
伝承: 地底深くには「永遠に燃える炎」が存在すると言われている。
5. エルミラ王国
特色: 森林地帯を支配するエルフの国。
社会: 自然と調和した生活を送り、長寿の知恵を誇る。
課題: 外交の孤立、樹木伐採の侵略に直面。
伝承: 森の中心には「生命の泉」が存在し、永遠の命を与えるという。
6. カルミアン自由都市連合
特色: 商人と海賊が支配する大陸南部の港湾都市群。
社会: 自由と富を求める者たちが集う、多民族混合の活気ある土地。
課題: 内部の派閥争いと海賊行為の横行。
伝承: 海底には「黄金の迷宮」が眠っている。
7. アムドゥーン神樹の教国
特色: 神樹を崇拝する宗教国家。
社会: 神官たちが治める神聖な土地。神秘的な奇跡が多く語られる。
課題: 神樹の力が弱まりつつあることへの危機感。
伝承: 神樹の根は「世界の中心」に繋がっていると信じられている。
プロローグ:自由都市カルミアンでの出会い
港と市場がひしめき合うカルミアン自由都市連合。大陸中から商人や冒険者が集まり、昼夜問わず喧騒の絶えない街。その中心にそびえる冒険者ギルド「サザンライオン」は、広い酒場兼事務所を構え、依頼人と冒険者たちの交渉の場として機能していた。
その日、ギルドの掲示板には危険な依頼が張り出され、冒険者たちがざわついていた。
ギルド内の光景
冒険者ギルド「サザンライオン」の酒場。壁際には様々な依頼が貼り出され、冒険者たちが酒を飲みながら情報を交換している。
その中で、一人の男――カイ・アルディンは、静かに長剣を磨きながら依頼書に目を走らせていた。彼の冷静な灰色の瞳は、周囲の喧噪を意に介さない。
そこに、もう一人の男――リオ・フェリウスが陽気な声で話しかけてきた。
初対面の二人
リオの登場
リオ:
「おーい、その依頼に興味あるのかい、兄さん?」
(ひょいっとカイの横に腰掛け、カイが見ている依頼書を覗き込む)
「『レッドマーシュ湿原で失踪した商隊の調査』ね。報酬は……お、なかなかいい額じゃないか! でも湿原って聞くだけで、湿っぽくてイヤになるねぇ、ハハハ!」
カイ:
(ちらりとリオに目を向けるが、無言でまた依頼書に目を戻す)
「……関係ないならどいてくれないか。邪魔だ。」
リオ:
「そんな冷たいこと言うなよ! もしかしたら僕が君の助けになるかもしれないだろ?」
(にやりと笑いながら)
「リオ・フェリウス。こう見えて、そこそこ腕の立つ冒険者だ。盗賊技術に魔法もちょっと使える。おまけにこのルックス、言うことなしだろ?」
カイ:
「……ふざけた奴だな。」
(溜め息をついて立ち上がる)
「だがこの依頼に関わるのは命を落とす覚悟が必要だ。お前みたいな軽薄な男が興味本位でやるような仕事じゃない。」
リオ:
「軽薄だなんてヒドイなぁ。見た目で判断しちゃダメだって母さんに教わらなかったか?」
(軽口を叩きながら、カイの後を追いかける)
「それに、湿原で失踪した商隊ってことは、道に仕掛けられた罠や盗賊の可能性が高いだろ? そういうのを見抜くのは僕みたいなタイプの得意分野なんだぜ!」
ギルドマスターの仲裁
ギルドマスター(初老の男)がカウンターから二人に声をかける。
ギルドマスター:
「おい、そこの二人。無駄口叩いてる暇があれば、この依頼を受けてくれないか?」
カイ:
(振り返り、ギルドマスターを見る)
「……二人?」
ギルドマスター:
「ああ、湿原の失踪事件だ。リオ、お前が持ち込んだ情報も役に立つだろうし、カイ、お前の腕なら十分対応できる。二人で行け。」
リオ:
(嬉しそうに)
「ほら、僕の腕を見抜いてくれる人もいるんだよ。ありがとよ、マスター!」
(カイに向き直って)
「というわけで、相棒、よろしくな!」
カイ:
「……俺が同意した覚えはない。」
(眉間に皺を寄せつつギルドマスターに視線を送る)
「単独で動いた方が効率的です。」
ギルドマスター:
「効率とかどうでもいい。向こうは危険地帯だ。二人で行った方が安全だろうが。」
(にやりと笑って)
「それに、リオみたいな奴は意外としぶといぞ?」
リオ:
「お褒めにあずかり光栄!」
(カイの肩を軽く叩きながら)
「さぁ、湿原まで行くなら今のうちに準備しようぜ。暗くなると沼地の魔物が出るかもしれないからな。」
カイ:
(諦めたように小さくため息をつく)
「……邪魔だけはするなよ。」
リオ:
「邪魔なんてとんでもない! むしろ助けてあげるって!」
(軽口を叩きつつも、どこか嬉しそうに笑う)
初めての協力:湿原での危機
レッドマーシュ湿原は、どこまでも広がるぬかるんだ地帯と濃霧に覆われた不気味な場所だった。二人は黙々と依頼の手掛かりを追っていたが、途中で沼地に潜む魔物――巨大な毒トカゲに遭遇する。
戦闘の会話
リオ:
(毒トカゲの一撃をかわしながら)
「うわっ、こいつデカいな! カイ、剣でどうにかしてくれよ!」
カイ:
「お前はどうにかして魔物の背後を取れ! 足を止めるから、急げ!」
(長剣を構え、毒トカゲを引きつける)
リオ:
「了解! こういう時こそ僕の出番だな!」
(素早く木陰に隠れ、トカゲの背後に回り込む)
「よし、背中は任せた!」
カイ:
(トカゲに一撃を浴びせるが、硬い鱗に阻まれる)
「くっ、剣が通らない……! 魔法でどうにかしろ!」
リオ:
(トカゲの背後で仕掛けを展開しながら)
「ちょっと待ってくれよ! ほら、こういうのは焦らず丁寧にね……よし、『炎の罠』起動!」
(仕掛けた罠が発動し、トカゲの足元から爆炎が上がる)
カイ:
「……やるじゃないか。」
(トカゲが怯んだ隙に渾身の一撃を放つ)
「これで終わりだ!」
(トカゲが絶命する)
リオ:
(肩で息をしながら、にやりと笑う)
「どうだい? これでも軽薄な奴に見える?」
カイ:
(剣を鞘に収めながら、無言で頷く)
「……悪くない。」
リオ:
「おいおい、素直に『ありがとう』くらい言ってくれよ!」
カイ:
「感謝は言葉より結果で示せ。次も頼むぞ。」
リオ:
(苦笑しつつも嬉しそうに)
「ふふっ、相棒らしくなってきたじゃないか!」
湿原での手がかり
毒トカゲを倒した二人は、湿原の奥へと慎重に進んでいた。霧が濃くなる中、湿原に散乱した荷車の残骸を発見する。それは、依頼で調査することになった失踪した商隊のものだった。
荷車の残骸
リオ:
「おっ、これだな。商隊の荷車ってやつだ。けど、こんなボロボロになってるとはなぁ。」
(荷車の近くにしゃがみ込んで、手がかりを探し始める)
「ひっくり返ってるし、物資もほとんど持ち去られてる。こりゃあ盗賊の仕業って感じがするけど……」
カイ:
(周囲を警戒しながら、荷車に近づく)
「荷車のタイヤには深い切り傷がある。普通の盗賊の仕業じゃないな。何か大きな武器で壊されたようだ。」
(近くの地面を見て)
「それに、この足跡……人間じゃない。」
リオ:
(顔をしかめて)
「んん? ってことは、魔物の仕業ってことか? さっきの毒トカゲみたいな奴が、商隊を襲ったとか?」
カイ:
「可能性はある。ただ、足跡の形状から見て、毒トカゲのものじゃない。もっと大きな何かだ。」
(地面を指差す)
「見ろ、この爪痕の深さ……普通の魔物じゃない。下手をすれば、『災害指定級』の魔物かもしれない。」
リオ:
(肩をすくめながら)
「災害指定級ねぇ……そういうのは聞きたくなかったな。」
(軽口を叩きながらも、少し緊張している様子)
「でも待てよ、もし本当にそんなヤバい魔物だったら、商隊の人たちが生きてる可能性って――」
カイ:
(険しい顔で頷き)
「……低いだろうな。」
(少しの間沈黙し、リオに向き直る)
「だが、まだ全員が死んだとは限らない。手分けしてさらに周囲を調べるぞ。」
リオ:
「了解、相棒。」
(立ち上がり、皮肉っぽく笑う)
「こんな霧の中での捜索なんて、ますます湿っぽい気分になりそうだけどさ。」
手分けして捜索する二人
二人は周囲を探索し始める。リオは荷車やその周囲に残された痕跡を、カイは霧の奥にある魔物の足跡をたどることにした。
リオの捜索
リオ:
(荷車の残骸を漁りながら、小さな袋を見つける)
「これは……銀貨? あーあ、こんなに残していくなんて、盗賊の仕業じゃないってことが確定だな。」
(ふと、手元の荷車をじっと見つめる)
「でも、どうして荷車をここで止めたんだ? わざわざこんな湿原のど真ん中で。」
(荷車の下を覗き込むと、何かの文字が刻まれた破片を発見する)
リオ:
「ほほう、これはお宝の匂いがするぞ?」
(破片を手に取り、軽く指でなぞる)
「……でもこれ、魔法文字か? さっぱり読めないなぁ。」
カイの捜索
カイ:
(地面の足跡を注意深く観察しながら進む)
「足跡の向きが変わっている……何かを追いかけていたのか?」
(剣を引き抜き、警戒を強めながら歩を進める)
「湿原の中央……ここまで来るのは、商隊が何かに追い詰められた可能性が高いな。」
(やがて、倒れた木々と巨大な爪痕がついた岩を発見する)
カイ:
「これは……何かがここで暴れた痕跡だ。」
(岩に付着した液体に触れる)
「毒か……? 商隊の人間はこれを浴びたのかもしれない。」
再び合流する二人
霧の中、二人は互いを呼び合いながら合流した。
リオ:
「おーい、カイ! こっちは大発見だぜ! 魔法文字が刻まれた破片を見つけた!」
(破片を見せながら得意げに)
「これ、きっと商隊が運んでた何かの一部だろ?」
カイ:
(リオの破片を受け取り、観察する)
「……確かに魔法文字だな。見たことのない言語だが、何かを封じ込めるための呪文かもしれない。」
(険しい顔でリオに返す)
「この破片が湿原に落ちているということは、商隊は『危険な何か』を運んでいた可能性がある。」
リオ:
(眉をひそめて)
「つまり、商隊が襲われた原因は、その『何か』ってわけか?」
(少し不安そうに周囲を見回す)
「それで、その『危険な何か』ってのは、まだこの辺りにいると思う?」
カイ:
「いるかもしれない。」
(冷静な声で断言する)
「今まで見てきた痕跡からして、単なる魔物の習性じゃ説明がつかない。強力な魔物が、この湿原で暴れているか、あるいは――」
(カイが話し終える前に、湿原の奥から不気味な咆哮が響き渡る)
魔物の襲撃
リオ:
(驚いて振り返る)
「おいおい、なんだよ今の!?」
カイ:
(剣を構え、リオの前に立つ)
「来るぞ、構えろ!」
霧の中から姿を現したのは、体長5メートルを超える巨大な獣。背中には毒の棘が生え、鋭い牙が光る。その獣は二人を睨みつけると、地響きを立てながらゆっくりと近づいてきた。
リオ:
(苦笑いしながら短剣を抜く)
「……なぁ、カイ。『災害指定級』ってのはこういうのを指すのか?」
カイ:
(歯を食いしばりながら、剣を振りかざす)
「ああ、間違いない。――死ぬなよ。」
リオ:
(不敵な笑みを浮かべ)
「そりゃあこっちのセリフだって!」
激闘の幕開け:湿原の災害指定級魔物
霧の中、巨大な魔物がその全貌を現す。
体高は人間の二倍、筋骨隆々の四足で地を這い、背中には毒の棘が無数に生えている。鋭い牙が霧越しに光り、瞳は冷たい蒼色の輝きを宿していた。その巨体が動くたび、ぬかるんだ地面が振動する。
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緊迫する二人
リオ:
「でかい……でかすぎる……!」
(額に汗を浮かべながら後ずさる)
「なあ、これ絶対災害指定級だろ!? いや、むしろその上のクラスかもしれないぞ!」
カイ:
(剣を構えたまま、冷静にリオを見る)
「落ち着け。動揺したら命を落とすぞ。」
リオ:
(半笑いで)
「落ち着けって!? 無理に決まってるだろ! あんな化け物、どうやって倒すんだよ!」
カイ:
(リオを睨むように一喝)
「考えろ! お前には罠を仕掛ける技術がある。俺が奴の動きを止める。その隙に何かできるはずだ。」
リオ:
(肩をすくめながらも、わずかに笑みを浮かべ)
「ったく、頼りになるんだか無茶なんだか分からないな、相棒さんよ……分かったよ。信じるよ、カイ。」
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戦闘開始
魔物が咆哮を上げながら突進してきた。
カイはすぐにリオの前に立ちはだかり、剣を横に構えて魔物の爪を受け止める。
衝撃でぬかるんだ地面がはじけ、カイは数歩後ずさるが踏みとどまる。
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カイの奮闘
カイ:
「くっ……! この力……予想以上だ……!」
(剣を握る手に力を込め、魔物を押し返す)
「リオ! 早くしろ!」
リオ:
(背後で慌てて罠を準備しながら)
「ちょっと待ってくれ! こんな湿地で罠を仕掛けるのは難しいんだよ!」
(道具袋から仕掛けを取り出しながらぶつぶつと文句を言う)
「ほんとさ、なんでこういうのっていつも焦らされるかなぁ……ああもう!」
カイは剣を大きく振り下ろし、魔物の爪を叩き落とす。しかし、魔物は怯むどころかさらに暴れ出し、毒の棘を全方向に向けて飛ばしてきた。
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毒棘の攻撃
リオ:
(飛び散る棘を見て、慌てて地面に伏せる)
「毒!? 毒を撒き散らすとか聞いてないぞ!」
カイ:
(盾の代わりに剣を振るい、棘をはじく)
「こういう事態に備えて考えを巡らせるのが、お前の仕事だろう!」
リオ:
(顔をしかめながら)
「分かってるよ! ……でも、無茶ぶりが過ぎるんだって!」
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リオの仕掛け
リオは魔物の足元に滑り込み、仕掛けを急いで設置する。
手際よく土に埋め込んだ罠から細かい魔法陣が発動し、淡い青白い光が広がった。
リオ:
「よし! 起爆準備完了! カイ、引け!」
カイ:
(剣で魔物を押さえつけながら)
「どれくらいの威力だ?」
リオ:
(不敵に笑い)
「どれくらいって……まぁ、派手に吹き飛ばしてくれるさ!」
カイは間髪入れずに剣を引き、リオの指示通り魔物から距離を取る。リオはすぐさま罠のスイッチを押した。
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罠の起動
青白い光が一気に膨張し、地面が轟音と共に炸裂する。
魔物の巨体が光の中で翻弄され、大地が揺れるほどの衝撃が湿原を包んだ。
リオ:
(尻もちをつきながら)
「やったか……?」
カイ:
(剣を構えたまま、慎重に魔物の方を見る)
「油断するな……」
煙と泥の中から、魔物が再び姿を現した。罠の爆発で片方の足を負傷したものの、まだ動けるようだった。怒り狂った瞳が二人を捕らえる。
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再び追い詰められる二人
リオ:
「ちょ、嘘だろ!? あれで倒れないとか、冗談キツいって!」
カイ:
(眉間にしわを寄せ、低い声で)
「だが、奴も限界が近い。動きが鈍くなっている。」
リオ:
「こっちも限界が近いんだよ! 次の策、考えてるんだろうな?」
カイ:
(剣を構え直し、リオに背を向けたまま)
「俺が突っ込む。お前はその隙に――」
リオ:
「いやいや、待った待った! 『俺が突っ込む』とか、そんなのありきたりすぎるだろ! もっと他に――」
カイ:
(振り返り、リオをまっすぐに見つめる)
「……お前を信じている、リオ。」
リオ:
(目を見開き、一瞬言葉を失うが、すぐに笑みを浮かべる)
「ったく、そういう顔で言われたら断れないじゃないか。分かったよ、相棒。派手にキメてやろうじゃないか!」
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最後の作戦
リオは再び罠を仕掛ける準備を始め、カイは全速力で魔物に向かって突進する。狙いは魔物の片足――負傷している箇所だ。
カイ:
「これで終わりだ!」
(剣を振り下ろし、魔物の足に深く斬り込む)
魔物が大きくのけぞった瞬間、リオの罠が再び起動。今度は魔物の足元に巨大な火柱が噴き上がり、魔物を炎の中へと飲み込む。
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戦闘の終わり
燃え尽きた魔物の巨体がゆっくりと崩れ落ち、湿原に静寂が戻った。
二人は泥だらけになりながら、その場に座り込む。
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戦闘後の会話
リオ:
(大きく息をつきながら)
「……なあ、次からはもっと楽な依頼にしようぜ。こんなの命がいくつあっても足りないよ。」
カイ:
(剣を地面に突き立て、息を整えながら)
「楽な依頼なんて、冒険者に回ってくるわけがない。」
リオ:
(苦笑して)
「だよな……ったく、なんでこんな奴と組むことになったんだか。」
(ふと、真剣な表情になり)
「……けど、まあ。生きて帰れてよかったよ、相棒。」
カイ:
(少しだけ笑い、リオに向かって頷く)
「ああ。生きて帰れてよかった。」
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依頼の真相へ
戦闘を終えた二人は、魔物が守っていた場所でさらなる手がかりを発見する。それは商隊が運んでいた謎の「魔法の破片」にまつわる真相を示唆するものだった。物語は、やがて二人をさらなる陰謀と危険の渦へと引き込んでいく――
こんなことを思いながら、書いてみました。
カイ・アルディン
年齢: 27歳
種族: 人間
職業: 元傭兵の剣士
性格:
カイは冷静沈着で、物事を論理的に考えるタイプ。無駄を嫌い、効率を重視する現実主義者。しかしその裏には、戦場で失った仲間たちの記憶に苦しむ感受性の強い一面がある。表情には出さないが、弱者や理不尽な運命に苦しむ者を見過ごせない優しさを持つ。
外見:
短く刈り込んだ黒髪と鋭い灰色の瞳を持つ。過去の戦場で負った古傷が顔や腕にいくつも残っている。身の丈ほどの長剣を背負い、シンプルな革の鎧を身に着けている。
背景:
かつてヴァリスタ帝国の傭兵団に所属していたが、仲間を失ったある戦争をきっかけに軍を離脱。現在は冒険者として遺跡探索や傭兵依頼を請け負いながら生計を立てている。冒険者として活動するのは「生きる意味」を探すためでもある。
戦闘スタイル:
剣技と戦術眼を活かした前衛タイプ。戦場経験が豊富で、集団戦では指揮を執ることもある。地に足のついた戦い方を好み、奇策や派手な技よりも着実に相手を追い詰める戦闘スタイルが特徴。
欠点:
感情を押し殺しがちなため、人間関係で壁を作りやすい。過去のトラウマから、他人と深く関わることを避ける癖がある。
リオ・フェリウス
年齢: 22歳
種族: ハーフエルフ
職業: 盗賊兼魔法使い(魔法仕掛けの罠師)
性格:
リオは陽気でお調子者の自由人。軽口が多く、状況を深刻に受け止めないように見えるが、実際は頭の回転が早く、必要なときには的確な判断を下す。一方で、深い孤独を抱えており、自分の存在意義を求めている。
外見:
明るい金髪と緑がかった琥珀色の瞳を持つ。耳はエルフの血を引いているため若干尖っているが、全体的には人間寄りの顔立ち。軽装の皮の防具に、トリック用のガジェットやポーションを詰めたベルトポーチを身に着けている。
背景:
リオはカルミアン自由都市連合で盗賊団に育てられた過去を持つ。その生活から逃げ出す形で冒険者となり、大陸中を放浪するようになる。ハーフエルフという出自のため、どこにも「帰る場所」がないという意識が強く、世界のどこかに自分の居場所があることを信じている。
戦闘スタイル:
俊敏さと罠を活かしたトリッキーな戦闘を得意とする。特殊な仕掛けが施された短剣や、魔法罠(火炎や冷気を発生させる装置など)を用いるほか、小規模ながら補助魔法を扱える。彼の戦術は、敵を混乱させ、弱点を突くことに特化している。
欠点:
無鉄砲で、計画を立てるのが苦手。自分が抱える孤独感を軽薄な態度で隠すため、時に他人との信頼関係を損なうことがある。