表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編まとめ

潜影

作者: ultimate!!


 俺は、ある日を境に『影』に潜れるようになった。

 それに気づいたのは、殺しをしてしまい、警察から逃げているときのことだった。

 

 それからというもの、俺は欲望のままに進み続けた。

 強盗、殺人、窃盗、やれることは何でもやった。


 その日々はスリル満点で最高に楽しかった。

 いままでのどんなことよりも楽しく感じてしまった。


 そんな、イカれたことに楽しみを見出していたからだろうか。


 やはり天罰というものは下るものだな。

 まず徐々に何をしても楽しくなくなってしまった。

 いままで楽しかったこと、新しいこと。何をしても楽しくない。


 そして、気持ちが常に沈む。

 何時でもどんなときも心が沈んでぼーっとするときも増えた。


 だから、『影』に潜ることも減った。


 ある日、ふと『影』のことを思い出し、久しぶりに潜った。


 息がしやすい。気持ちがいい。


 こんなふうに感じるのは久しぶりだった。


 ただ、何かがおかしい。

 

 気づいたときには、取り返しの付かないほど沈んでいた。上がり方すら思い出せない。

 何か無いかと腕や足を振り続ける。ただ何にも触れることはなく、気づいたときには何も見えず、これが絶望か。なんてことも思ったりした。


 ただ俺は1つの答えにたどり着いた。

 やはりこれは天罰だったんだ、と。

 これまで俺が殺してきた人たちの俺に対する復讐なんだ、と。


 そう思うと、俺は仕方なく思えてきた。

 

 そして、今更これまでの罪を噛みしめるようにゆっくりと落ちていく時間を数え続けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ