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魔術師たちに革命を  作者: 諸星影
ROUTE1(プロローグ/斬裂魔事件編)
4/28

1-03  ファーストコンタクト

公開予定の五作品の内の第一作目です。

コンセプトとしては『魔術』×『工作員』のローファンタジーとなります。

 学園初日、俺は初風や栢原の手助けもあり、特に問題もなく午前の

 カリキュラムを終了し昼休みを迎えていた。


 カフェテリアでの食事もそこそこに学園内を散策中。

 不意に持っていたスマホが震える。


 瞬間、何らかの問題が生じ、緊急の連絡でも入ったのかと不安になったが

 画面を確認しその不安が杞憂であったことを悟る。


「――――非通知だと?」


 発信者が表示されるはずの画面で映し出された非通知の文字に内心焦りを見せる。

 何故なら学園支給のこのスマホには未だ友人の一人も登録しておらず、あまつさえ

 まだ一度もまともに使用していないはずで。


 本来なら登録番号か、これを支給した生徒会、もしくは本部にいる有坂さんから

 しか繋がらないはずなのだが。


「…………」


 着信からしばらく。

 俺は散々迷った末に意を決し通話ボタンを押しスマホを耳に当てる。


「もしもし」

『ザザザー』


 一瞬の雑音の後。

 機械的な音声がスマホから聞こえてくる。


『やぁ、ハイド7』

「誰だ?」


 ハイド7。

 俺の組織内のコードネームを知っている時点で相手が只者ではないことは

 想像に難くない。だが組織の人間でないことも明らかである以上、迂闊な言葉は

 避けるべきだろう。


『そう警戒するな。私は味方だ』


 俺の内心を知ってか、男か女かも判らない声は言葉を続ける。


『君の上司、風城寧々から話を聞いていないか?』

「もしや現地での協力者というのはお前か?」

『そう。私の名はそうだな、とりあえず情報屋と呼んでくれたまえ』

「…………」


「(情報屋。確か風城さん曰く魔術特区内での情報提供者だったな……)」


「さすがというべきか。俺がこの島に来て二日で連絡先を把握するとは

 御見それした」

『ふふふ、そう褒めるな。君たちのような極秘組織のエージェントに協力するんだ。

 これくらいできて当然だろ?』

「――――確かにな」


 踏み込みすぎず。されど引きすぎず。

 絶妙な距離感を保ち会話を重ねていく。


『さてそでは早速だが仕事の話をしようか』

「何か情報でも渡してくれるのか?」

『いや、そうではない』

「――――?」

『実は折り入って君に相談がある』

「相談だと」

『ああ。悪いが情報の提供はその条件をクリアしてからにしてもらいたい』

「…………」


 情報屋の予想外の出方に思わず閉口する。

 そして周囲を確認し、人気のない物陰へと移動する。


「室長からはそんな話聞いていないが」

『それに関しては契約締結時との近況の差にある』

「というと?」

『現在、この特区内で頻発している事件、通称『斬裂魔事件』をご存じか?』

「――いや、知らない」


 斬裂魔。その名は入島時のニュース速報で何度か見かけ程度であり、

 詳しくは俺も知らない。


『斬裂魔、連続学生襲撃事件の犯人として現状、特区内で指名手配されている

 凶悪犯だ。君に提示したい条件とは即ち、奴の逮捕に協力してほしい

 というものだ』

「逮捕? ――――理解できないな。何故俺がそんなことをしなければ

 ならないんだ」


 ジジッと再びノイズが入る。

 動揺しているのか情報屋からの音声が若干乱れているのが判る。


『君の意見は尤もだ。しかし本件はそちら側にとっても由々しき事態なのだ』

「ほう」

『現在、特区内はその斬裂魔による事件が頻発、情報が錯綜状態となっている。

 これではいくら私といえど君らに対して満足のいく情報が得られない

 可能性が高い』

「それを信用する根拠は?」

『ない。ただ私の情報網もまた事件が発生する度に著しくその精度が下がる

 傾向にある。これは私にとっても、ひいては私の情報を当てにしている君たちに

 とっても由々しき事態であることに変わりはない』

「――――なるほど」


 情報屋の意見に関しては一理ある。

 確かに彼の云う通り、我々もまた彼の収集した情報を当てにしている部分も

 否定できない。


 より迅速な任務遂行にはそれが最善の方法だからだ。


「協力関係である以上、こちらもあんたに手を貸せということだな」

『理解が早くて助かる』


 続けて情報屋。


『あぁしかし勘違いしないでほしいんだが、勿論君がこの頼みを断ったとしても

 仕事として契約している以上、全面的な協力は約束する』

「随分と仕事熱心なんだな」

『それが私のポリシーだからね』

「――――」


 数秒の沈黙。

 特段断る理由もないものの、すぐには返事を返さず逡巡する様子を見せてから

 言葉を続ける。


「分かった。その頼み、引き受けよう」

『――――助かる。必要なデータは今晩にでもそちらに送ろう、確認してくれ』

ご閲読ありがとうございました。

これからも不定期ではありますがローファンタジーを中心に小説を投稿して

いきますので、応援よろしくお願いいたします。

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