悪戯心
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛ではないですが、初っ端からキスシーンあります。
その後も色々際どいです。
苦手な方はご注意下さい。
出会い頭に首に手を回されて、四の五の言わずに唇を奪われた。丁寧に後頭部を押さえ付け、口腔に舌を捩じ込まされれば抵抗なぞ出来る事も無く。私は尻餅を着かないよう、必死になりながら、足腰に力を入れた。されるがままを悟ったのか、服越しに腹を辿り、胸元を抜け、首の辺りをそろりと撫でる。
これが彼(彼女?)の挨拶だった。好き嫌いが激しい。好き、は肌を合わせても構わない。嫌い、はそもそも近寄る事さえ許さない。そんな極端なものだった。
「今日も来てくれて嬉しいよ」
「それは良かったです……」
そろそろ私は周りの神様達から『この売女めが』と罵倒されてもおかしくない気がする。皆様……一切表に出さないだけでそれなりに思っているのでは無かろうか。
まぁそんな事は、目の前でさり気なく体を触る彼には全くの無縁な事である。現に私を長椅子に座らせると上に乗り上げてきた。またも熱烈なキスを交わす。ずっとご機嫌だった。
まぁ、それならばと貴方様に関する話題を提供する。
「今日、貴方様の血縁者に会って来たんですよ」
「あぁ、知ってる」
話が早い!! 横の繋がりの広さに唖然とする。その反応を殊更楽しんで、また唇を合わせようとして来るのをどうにか誤魔化す。
「血は争えないと知りました。でも……改めて三狐神様はこう……まだ丸い方なのだと……」
「悪戯されたんだ」
走馬灯の様に駆け巡る本日の出来事。取り敢えずお参りに行こうとした。
まず電車が止まる。地図アプリが機能せず、遠回り。鳥居を潜る前に間違い電話。ちなみに毒にも薬にもならない所から。やっとこさ鳥居を抜けると肩に小石が当たる痛み。どうやら青い実のようだ。弾けた中身が飛び散って、服を染めた。此処まで来ると、御籤用の小銭が無いことも関係がある気がしてきた。
姿は表して下さら無かったが、何となく、何となく……困った反応を笑われている感じがする。でも最終的に体中の毒素を吐き出され、居心地良さに眠くなりながらぼんやりしたし、有り余るご利益を貰った。
流石トリックスター……。何より強引に事を進めながらも憎めない。そんなところが彼と似ていた。
「困った顔を見るのが大好きなんだ。でも君は困っても嫌いにはならない。結局許してしまう。だからこうして。ん」
「ひわっ」
腹を辿った指が胸元まで行き、さり気なく釦を弾こうとして来る。制ししようとすると絡めとられ、気に入った様に擦り寄られた。うーん……やっぱり憎めない……。
「困らせたい」
「そうですか……」
売女なんて誰一人として思ってませんよ☆
初っ端から飛ばしているのは、特定を可能にする為。
そこが好き!! 大好き!!
相変わらずノリと勢いで話ます。
大して読まなくても大丈夫です。
神様はいた方が楽しい。八百万いるならキャラ付けした方がもっと楽しい。実際経験を元に書いてる作者です。
神話齧っていくと、
あ〜分かる〜。的を得てるなぁ神話って。(当たり前だよ!!)
と思う今日この頃。
神様って世代を追うごとにマイルドになるんだなって。
三狐神様の売りって
気紛れで奔放だけど憎めない。困らせられても、嫌いにはならない。でもこれ以上はない。
と思ってたんですけど、それを超えて来ました。爆笑が止まりません。
そう言えば、
九曜様は木の葉でした。(生身の人間のか弱さを知ってる)
三緒様は弾けない木実。木の葉(そもそも穏やか)
何方も共通して、痛くは無い。けども気が付く。
改めて、かなり気を使って下さったんだなぁと。
個性が出ていて面白いと思います。
ちなみに
九曜様がこのトリックスター様にお会いしたら、
「人間だと言うことを、お忘れですか? 貴殿の伊吹一つで容易く息絶えるのですよ」
とか思い切り睨みながら、言いそうだなぁと。
その後帰ってきて、触れられた箇所に傷がないか熱心に確認しそうだなぁと。
傷があったら速攻、三緒様に連れていきそうな。
(顔が広いんですよ。その話もおいおい)
三緒様に話したら
「昔からそうだよ。試練与えるの大好き……。うん……」
の遠い目をしながらお話しそうだなぁと。