第83話 アレン絶好調⁈
――ビュルルルッ‼ シャーン‼
「よし‼ これで10体目‼ 馴れると楽しいっすね‼ 風魔さん‼」
――ビュルルルルンッ……シャンッ‼ バスン‼
「想定以上の上達速度。アレンの成長は……。もしや、ルグアはこの事を」
「突然何言ってるんすか? 独り言が……」
「気にする必要はない。そして、これは個人的な考察だ。前を見ろ。次が来る」
「了解しやした‼」
豪速球のパーフェクトホームラン。いつの間にか、俺は全てのレーザーをクリティカルヒットさせ、ほぼワンパンで仕留めている。
たった1回の成功で、楽しさが倍増したのだから。押さえるコツさえわかれば、こんな簡単に修得できるなんて。気分上々の絶好調。撃破数もみんなを追い抜いていた。
「あまり調子に乗らない方がいい。しかし、経験を積むことにもなる。本人以外が決めるものではないが、忠告として繰り返す。〝あまり調子に乗らない方がいい〟。理由はいずれわかる」
気にかけるような風魔のセリフ。調子にって、乗るに決まってる。でなきゃ、楽しくないから。
鏡に映したいくらいの笑みは、今までよりも生き生きしていると、心の中で想像できる。自分の顔はきっかけがなければ、わからない。
まるで、キューブの中で遊ぶスカッシュゲームの如く、弾き飛ばすだけのシューティングバトル。
スカッシュゲームは、俺の得意ジャンルだ。知らぬ間に忘れ、自信を無くしていたのが、できなくした理由に違いない。
「まだまだこれからっすよ‼ どんどん‼ ジャンジャン‼」
「アレンしゃん。たった一人でお祭り騒ぎなんだりょん……」
「セェェイアァーーー‼」
「なんだか、お囃子が始まりそうなんだりょん……」
――ドゴォン‼ パリーン……。シャラシャラシャラ……。
「本当にお祭りになってるりょん……」
「フィレンさん。毎回ツッコミをしないで欲しいんすけど……」
「どこがいけないんだりょん?」
「へっ?」
やっぱり答えづらい。フィレンの問いかけは答えづらい。イエスもノーも言えないくらい難しくて、なんかイライラする。
ならば、イライラした分をスカッシュゲームで解消。さらに、怒りも加わって威力上昇。最終的には結果オーライ。
良いんだか悪いのだか……。イマイチよくわからない。そんなことは、ひとまずおいといて……。
いつまでバトルが続くのだろうか。俺はもちろんのこと、攻防戦に全力を尽くす仲間達。空気中では微粒子が飛散している。
「みんな、そろそろ目的のエネミーが来るわよ‼ 強敵だから覚悟しておきなさい。アタシでも、ベータテストで苦労したイベントボスだから」
いきなり急停止をした、チェリスからの警告。疲労が溜まっている時にイベントボスって……。思考回路の体力が持たない。
これが、風魔の忠告なのだろう。無駄に動いたことで、俺は後悔する羽目になってしまった。
そうしているうちに、辺りは静かになっていく。俺にしか見えないボスのオーラ。色は黒くだんだん近づいてくる。
『おまたせ。あ、チェリス久しぶり。また戦いに来たの?』
「遅いわよ‼ あと、会話できたのね……。って、そういう問題じゃなーい‼」
現れたのは、ガチガチに大砲やらガトリングガンやらを身につけた、空中浮遊するメカ少女。そして、美形で小さくて可愛い。
『……むぅ。それと、お兄ちゃん達もいたんだね』
お兄ちゃん? このパーティはどこまで増えるのだか……。もはや、パーティじゃなくて団体だ……。それよりも、誰がお兄ちゃんなのだろう? あと、名前は何? 答えは次回に続く。




