表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

92/376

第79話 十七層にて

「これでもう大丈夫ね。アレン‼ ちょっといいかしら?」

「ちょっとって、なんすか?」

「まあ、いいから来なさい」

「りょ、了解しやした……」


 工業オイルの馴染みない臭い。錆び付いた鉄筋、ひび割れたコンクリートや建築物。ここは第十七層。フロア設定は廃工場か? 足の踏み場がない壊れた吊り橋。

 チェリスのところに向かうため、俺はグラグラと不安定な道を進む。下を見れば、地面を視認できないほどの高さ。恐怖で震えて足止めを食らう。


「早くしろ。後ろが詰まっている」

「そそ、そんなのわ、わかって……」

「無理なら全員運ぶ。背中に乗れ、あと1時間経てば、この橋は壊れる」

「ここっえー?」

「ニワトリしゃんみたいだりょん」


 何気ないフィレンのツッコミ。後ろから突っ込んでくる、緑狼(りょくろう)・風魔。翼がないため落下するが、突風と共に浮上。チェリス以外のメンバーを乗せて、向こう岸に運ぶ。


「よしじゃあ、クエスト終わらせるわよ」

「チェリス、クエストって……」

「討伐クエストよ。この階層には装備も豊富。価値の保証はするわ」


 と言ってる間にも、集まるのは小型エネミー。機械音やモーター音、軋むような甲高い音が耳をつんざく。クエスト攻略。思えば、ゲームというゲームをしていない。

 廃工場を歩く。しばらくして見えてくる少女。キョロキョロと辺りを見回して、誰かを探して……。


『あ、いたいた‼ アレンさん、チェリスさん、クリムさんも‼ はじめまして‼』

「だ、誰?」


 唐突な切り出し。理解が難しい展開。全く意味がわからない。はじめましてなのに、名前知ってるってどゆこと? 少女は脇にノートを挟み、全力疾走で俺達の方へ。


「改めまして、作者のディガルです。ペンネーム変えましたけど。ガデルでログインしています」

「ま、マジっすか……」


(作者ほんとに来ちゃったよぉー。どうするん。ヤバいじゃん。物語終わる‼ 終わるって‼)


「大丈夫ですよ。ちょっと興奮しすぎだと思います。ここからは私も同行するので……」


 同行すると言っているが、危ういに違いない。あくまでも、作者は神の存在。これなんでもありの状態になってしまう。絶対にログアウトした方がいいと思う。しかし、


「実は、ノーマルアカウントなので、ログアウト不可能なんですよね。マスターアカウントなら、自由に出入りできるけど……」

「ガデルったら何やってんのよ。こうしているのもあれね。さっさと敵を片付けましょ」


 いつの間にか、1000体近くまで増えた、小型メカエネミー。ロボットダンスが可愛いが、倒さなければクエストも終わらない。

 どうなっても知らない。どこまで行けるのだろうかと、俺は心配で仕方なかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ