第1-EX話 神シリーズ武器の儀式
割り込みです!3000文字と長いです!
「なんでチェリスは、ベータテスターになったんすか?」
「なによ、その質問」
「いや、なんか気になって……」
「そうね……」
俺はルグアが歩いていた道と思い出しながら、最短距離で進む。ここにもクエストがあると、ルグアが教えてくれたけど……。
「ねぇ。それって〈ゼノンの神器〉のことかしら?」
「ゼノンの神器?」
「まあ、このクエストは〈神シリーズ〉を全部集めて、儀式を行うものなのよね……。
あのルグアのせいで、必要な神器はバラバラよ……」
「神シリーズ……。待って。俺二つ持っているっす‼」
「な、なん……え?」
しどろもどろになりながら、ボソッとこぼれたチェリスの声。俺は、ストレージから、神剣と神槍を取り出す。
神剣〈レヴェネス・ソード〉。神槍〈エレネス・ランス〉。ルナさんと再会できれば、神弓〈ナイトメア・フロー〉も準備できる。
しかし、チェリスが言うにはまだたくさん種類があるようで、最低でも五つ必要とのこと。
今から集めるってこと? うーんどうなんだろ? あと、この前ルグアと二人っきりでクエスト攻略した時に……。
***第二層荒野***
『ルグア‼ 宝箱見つけたっす‼』
『本当か?』
『はい‼』
――パカり……
『これは……。大剣っすか?』
『ちょっと確認させてくれ……』
――シュン……。ポワン……。
〈アイテム名:アグライト・ブレイド〉
〈種別:神王剣〉〈武器タイプ:大剣〉
『どうやら神シリーズの一つみたいだ。アレン。お前が持っていてくれ。どこかで役立つはずだ――』
******
「そうだ‼ アグライト・ブレイド‼」
俺は、異次元ポケットから呼び出すように、神シリーズの武器を出現させていく。他にも何かあったはずだけど……。
ストレージ一覧を見つめながら、じっくりと探していく。手持ちの武器数はいつの間にか20種類になっていた。
***第三層秘境湖***
『ルグア団長?』
『アレン。宝箱ってこの湖の中なんだよな?』
『あ、はい……。そうっすけど……』
『ん。じゃ、ちょい後ろ向いていてくれ。軽く装備を外す』
『え、えは、ふぁ?』
――ピシャン……。
『るるる。ルグア団長⁉』
『んじゃ。ひと泳ぎして来るから。そこで待っててくれ。もしなかなか浮上しなかったとしても、心配しなくていいからな‼』
『えあはい。ってだんちょーーーーーーーーー⁉』
『そそ、それでもっすよ‼ 水着なら大丈夫っすけど……。さすがに……し、下着姿は……。あ、あはは……』
――ジャボーーン‼
『るるる。ルグア団長⁉』
『んじゃ。ひと泳ぎして来るから。そこで待っててくれ。もしなかなか浮上しなかったとしても、心配しなくていいからな‼』
『えあはい。ってだんちょーーーーーーーーー⁉』
「ルグアだんちょーーーーーーー‼」
――『んだから大丈夫だって……。今潜水してどれぐらいだ?』
「あ、はい……」
自分のステータス画面に表示された時刻表。そこには〈PM 8:59〉と書かれている。彼女が潜ったのは今から1時間半前。
酸素マスク的なアイテムを身につけてないルグアだけど。なぜずっと潜っていられるのだろうか?
――『……ッ⁉』
「る、ルグア?」
――『酸素ゲージが0になった……。あと潜れる時間は16時間……か……』
「そ、その……。ルグア? もしその16時間を超えたら、どうなるんすか?」
――『超えたらか……。HP全損はするが……。思考と集中力が持続する最長時間だからなぁ……』
ルグアにも限界はあるのか……。じゃ、じゃあ、その16時間を超えた状態での我慢勝負とか、したことは……。
――『ない』
「ふぇ?」
――『けど、ちょっとやってみるか……』
ルグアって、ほんとチャレンジャー……。俺は丸一日分待たないとなのか……。彼女の限界を超えた時って、どんな状態なんだろう?
俺は泳げないから、すぐ溺れるけど……。溺れたら意味無いよね? 水中戦は嫌だ……。
◇◇◇それから1週間後◇◇◇
――『……よし。アレン‼』
「ルグア団長‼」
――『繋がった……。はぁ……。やっと戻って来れた……』
「も、もしかしてルグア?」
――『んあ、長く潜るには遠くまで行ったほうがいいよなってさ……。そしたらアレンとの接続は圏外になるし、完全に道に迷ってしまった……』
「あ、あはは……。そういうことだったんすね……。それで、全損とかは……」
――『あ、そうだったな……。ずっと入った場所を探してたってのもあるが……。まあ、全損はしなかった。減り続けるHPにはヒヤッとしたけどさ』
「なるほど……。ってぜ、全損無しぃぃぃぃぃぃぃ‼」
――『おん。あと、例の宝箱。ついでに他のやつ全部回収しといたぜ‼』
「お疲れ様っす‼」
***現在***
「って感じっす」
「なるほどね……。それで犬、その宝箱の中身は何だったのよ?」
「全部神シリーズっすね……」
俺が最終的に持っていたのは、全8種類。必要な個数は揃っていた。俺はチェリスの案内で儀式会場に向かう。
そこは、ルグアやルナと一緒に寝ていた広場だった。ここが儀式会場だったなんて……。
「犬。持ってる武器をアタシが言った通りに並べてもらえる?」
「お、俺が? っすか?」
「所有者なのよね? アタシには不可能よ」
「あ、そっか……」
チェリスが木の棒で円を描き、その線の上にまた円を描く。まるで、昔の占いみたいな? それとも呪術系のあれ?
「犬。西に剣。東に鉄槌。北に盾。南に槍。南西に短剣。北東に投擲剣。北西にナックル。南東に大剣。言った通りに配置頼むわよ?」
「ラジャっす‼」
俺はその通りに武器を置いて行く。これが儀式の準備なのだろうか? どんどん並べて配置を完了させると、中心部が光り始める。
「犬。あれを見なさい」
「チェリス?」
「ほら。真ん中の方よ」
「あ、はい……」
光り続ける円の中心部。そこには、一際目立つ宝箱が出現していた。すると、チェリスが俺の背中を押して……。
「あんたが取ってきなさい」
「ふぇ?」
「ほら。ゴー‼」
「はい……」
やっぱり完全に犬扱いじゃん‼ なんで俺犬にならないと行けないの‼ 言われたなら行くしかないけど、俺そこまで忠犬じゃないからね‼ 渋谷駅のあれとは違うからね‼
要領悪い忠犬て、馬鹿すぎじゃん‼ 自分で言うのもあれだけど、馬鹿じゃん‼ 忠犬ってのは賢いんだからね‼
賢くないよ。賢くないよ俺。なんもできない雑魚人間だよ。見た目偏差値だけが高い中身ピーマン野郎だよ……。
「妄想するなら取ってきて‼」
いやいやいや、そのネタ古いって俺生まれてないよ。母さんの世代だよ。もっと言えばおばあちゃんの世代だって……。
『○○するなら○おくれ』のやつでしょ‼ なんでそれが出てくるん? マジ意味不なんすけど、行ってきます……。
という感じで、俺は宝箱のところに移動し、蓋を開けると。そこには一振りの長剣。色はと言うと、血塗られたような暗色の赤だった。
「アイテム名は……」
――シュン……。ポワン……。
〈アイテム名:ブラウディ・ブレイド〉
〈種別:魔獣剣〉〈武器タイプ:長剣〉
初期能力値
攻撃力:35,675(+2,086)
「なにこれ強すぎじゃん‼ 〈クリムゾン・ブレード〉はどんな感じなんだろ?」
――シュン……。
〈アイテム名:クリムゾン・ブレード〉
〈種別:龍剣〉〈武器タイプ:長剣〉
初期能力値
攻撃力:7,568,924(+589,263)
「いや、〈クリムゾン・ブレード〉の方が化け物なんじゃん」(苦笑)




