第1-EX-2話 クエストデート② 毒持ちの敵
「クエストの発生場所は……。こっちの方か……」
「え、あ、ちょっとルグア方向逆っすよ‼」
「ん?」
「発生場所は街の西門の方角っす。そっちは東門側」
「そうか……」
早速ルグアの方向音痴スキル(?)が発動した。こんな簡単なことなのに、間違えるだなんて……。なんかちょっと可愛い。
道案内は俺が担当することになり、フロアマップを確認しながら現場へ。そこは、廃墟だらけの無人村。
ゾンビが出てきそうで怖いけど、ルグアが全ての攻撃を受けるそうで。安全性はバッチリらしい。
って、ルグアだけが危険ってことだよね? それっていいのかな? 良くない気がするけど……。
「アレンの方はどうだ?」
「何がっすか?」
「何がって、オーラのことだよ」
「オーラ……。どれがどれなんだろ?」
まだ完全に判別できていない。似た色が多すぎる。まずは黄色。人型のオーラではないから宝箱の可能性が高い。
すぐ隣には金色のオーラ。これはルグアのもの。目を覆いたくなるくらい眩しい。直視だけはやめておこう。
視線を前方に戻し、宝箱のさらに奥は、どす黒いオーラ。きっとこれがボスのブラウディドラゴンだ。と思う……。
「なるほどな……。私の方では、ここのボスは3体以上。最大10体はいる」
「じゅ、10体⁉」
「それも、現段階ではここに目的のボスはいない……みたいだな」
「いないってマジっすか……」
じゃ、じゃあどうやって倒すの‼ ボスいないって、詰みじゃん‼
「まずは、ここのキーボスを全滅。アレンが選んだやつは、どうやら連続討伐クエのようだ」
「連続討伐……」
俺が苦手な‼
「私がいるから安心しろ」
「わかりゃした……」
いくら神のルグアでも、こんなたくさんのボスどうやって片付けるの? 出来ればゆっくりしたいんだけど……。
「アレン。ここに宝箱があるって言ってたよな?」
「はい。言ったっすけど……」
「正確な場所はわかるか?」
「了解っす」
俺は宝箱のオーラがあった場所を見る。しかし、そこにオーラは確認出来なかった。俺はルグアと違って、確認できる範囲は視界の範囲内のみってこと?
宝箱……。宝箱……。ちょ、ルグア‼ 心の中で叫んだ時には、ルグアの姿が消えていた。完全に見失ってるじゃん俺……。
――『アレン聞こえるか?』
「ふぇ?」
――『「ふぇ?」じゃないだろ……。聞こえているか?』
「き、聞こえてるって……」
――『はぁ……。今通信魔法で話している。反応してるってことは……。成功したみたいだな……』
通信魔法ってこういうことなのか……。初めて知ったかも。これを俺ができるようになれば、どこかで役立つと思う‼
だけどどうやればできるように……。って今は、それを考えてる時間がないんだった……。
「ルグア。どこにいるんすか?」
――『ん? 廃墟の中だが……。向かって左の建物』
「あざっす‼」
ルグアから場所を教えてもらったし。急いで合流しよ。俺のせいではぐれたんだし。ちゃんと一緒に行動しなくちゃ……。
――『んと。もうキーボス3体倒したから、別の建物を頼む』
「ふぇ? ま、まだはぐれて5分しか……」
――『こんくらい楽勝だよ。急所さえ分かればな』
「ふむふむ……」
――『早くしないと、全部終わらせるぞ‼』
「はいッ‼」
ルグアが左側の建物をやったのなら、俺は右側の建物。どんなボスがいるのかは、俺のオーラでは確認できない。
全てはその場所に行ってからのお楽しみ。だけど、今の俺でも倒せるのだろうか? 恐る恐る建物の中へ入る。
そこには、その長い紐。足元を見ていなかったことで、踏みつけてしまった。なぜこんなところに?
――『アレン危ない‼』
「……ッ⁉」
突如動き始める紐。いや違う‼ 紐はその見た目を変化させて、俺の目にも黒いオーラが映る。
これはただの紐じゃない。擬態化したキーボスじゃん‼ 急いで距離を取らないとだよ‼ ってか妄想してたらタイムロス‼
「見つけた。アレン‼」
「ルグアだんちょーーーーーーー‼」
「スネークか……。ならこの魔法で……」
ルグアは何やら水色の物体を生み出す。それをスネークというボスに放つと……。
――カチカチカチ……。
スネークは一瞬で氷漬け。俺は足の違和感を気になってしまったが、ルグアの案内で安全な場所に避難する。
「どうやら、毒状態になったようだな……」
「毒状態?」
「ああ、あのスネークは毒のデバフを持っていてさ……。私も毒状態ではあるが……」
「それって……」
「ここのキーボスはみんな毒デバフ持ちみたいだ」
「ま、マジっすか……。って、ルグアHP大丈夫なんすか?」
「んな。問題ねぇよ……。毒状態のままではあるが、通常の回復魔法で全損防止はしてある」
「な、なら。安心っすね……」
「よし。これでデバフは解除されたはずだ。HPゲージの横にドクロマークあっただろ?」
いやいや、そんなの見てる暇なかったんすけど……。ってか、解除されてるなら、もう見れないよね?
そういうことは早く言ってよ……。ルグア団長……。時々説明飛ばすんだから……。これが100万タイトルの考え方なのだろうか?
「体力も回復したし。再戦行くぞ‼」
「さ、再戦って……」
「お前が踏みつけたボスだ。優先して倒した方がいい」
「おねしゃす‼ 団長‼」
「あんま頼り過ぎるなよ?」




