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第40話 氷上のルグア

 引きずられる度に顔に引っかかる、氷の飛沫(しぶき)。冷たい雨が降り注ぎ、体感温度を下げていく。


「ルグア。どこまで行くんですか? ちょっと苦しんすけど……」

「なら、寝たフリなんかしないで、自分の足で歩け‼」


 掴まれていた襟を離され、俺はゆっくり立ち上がる。締め付けられた首も解放されたので、ほんの少しの痛みだけだ。


「今向かっているのは、ボスがいる場所だが……。寒さの方は大丈夫か?」

「あ、はい。ウェンドラの防寒装備のおかげで……。それより、ルグアの方こそ大丈夫なんすか? さっき、リアルでも暖房はつけないって……」

「ん? あれもほんとのことだが……」


 やっぱりそうなんだ。嘘をついたことが無いって言ってたもんなぁ~。住所もしっかり教えてくれるんじゃね?


「今はまだ早い。それは最期に取っておけ……」


 だと思った。普通ならプライバシーは表に出したりはしないし、リアルネーム教えてもらっちゃったけど……。

 ルグアだけだとバランス悪くね? 俺も言った方が良いじゃん。絶対その方が良い。リアルネーム交換した方が良い‼


「必要ねぇって。お前のプレイヤーネームは本名だろ。捻りが無いから、勘を使わなくてもわかる」


 さすがです。ま、簡単だよね。うん。俺、ネーミングセンス0だから。ルグアみたいな名前は思いつか……。


「レーシングゲーのランダム設定がルグアだったから。そのまま使ってる。変えるのめんどいし……」


 思えば前に進んでなくね? ずっと立ち話じゃん。ボスはどこ? ボス部屋はどこ? 早く攻略してゲームをクリアしないと‼


「ん? もう、すぐそこまで来ているんだが……。待機中だし」


 いつの間に⁈ 早く来ないかな? もうこんな寒いところにいたくない。暖かい場所に行きたい。凍え死ぬぅ〜。俺は、暗い氷上に立つルグアを見る。

 寒さに強いからなのか、とても平然とした顔で、敵を待っていた。どうしてこんなことを……。


 毎回思う疑問。二面少女で、自分よりも仲間を守る。その優しさは、心の穢れを払い、芯からポカポカと温めてくれる。


「よし、そろそろボスが来るぞ‼ 準備は良いか?」

「はい‼」


 右手に新しい剣を構える。ルグアも、同じように短剣を持ち、クルクルと回してタイミングを見計らう。

 空がさらに暗くなり、やって来たのは青いドラゴン。氷竜だろうか? 身体中に冷気を纏っている。


「凍結ブレスに注意。もし何かあったら、〈クリムゾン・ブレード〉を私に」

「了解しやした‼」


 滑りやすい氷のフィールド。アイスリンクとも見て取れる場所での戦いが始まった。はずなのだが……。

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