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第1話 vsゴブリン


※2022年3月07日 加筆修正

※ 〃 年3月20日 修正版描写反映

※ 〃 年5月05日 誤字脱字修正

※ 〃 年 〃 日 句読点修正

※2022年5月15日 記号修正 

 なんでレベルアップするとステータスの数値が下がるんだよ⁉ 全然レベルアップしてないじゃんか‼

 本当は口に出して怒鳴りたい。けれどもゴブリンは集まるのが早く、倒しても減る気配がないばかりか無限に増え続けている。


 ――レベルアップしました。


 聞こえてくるシステムアナウンス。もうステータスを見る余裕がなくなり、一心不乱に倒していく。


 ――レベルアップしました。


「……にしてもレベルアップするの速くね? これじゃあ、あっという間に最弱確定だろ⁉」


 俺はボヤきながら剣を振り続ける。もう、レベルアップしたくない。こう思っている人も多いよね?

 そういえば、このゲームはタワーダンジョンだったはず……。フロアが縦に重なるダンジョンのことで、上層へ行くほど敵も強くなっていく。

 だんだんめんどさくなって、ゴブリンの群れを振り切り走って逃げる。着いた先は行き止まり……。ではなく、巨大な球体だった。


「これ使えんじゃん‼ ラッキー‼」


 壁との隙間から反対側へ。球体の中央に立つと身体全体で押す。ゴロゴロと大きな音を響かせ、ゴブリンの群れへ接近。五百体近くの敵を一掃した。


 ――レベルアップしました。


 ――レベルアップしました。


 ――レベルアップしました。


「通知うるさいなぁ~。こうなったらミュートにしとこ。後で見ればいいだけだし……」


 耳にタコができるくらい、長い音声が終わるまで待つ。二十分後に音がようやく消えたのでステータスを表示させる。


 プレイヤー名:アレン

 レベル:9999 ジョブ:剣士

 HP:4,500

 攻撃力:2,900

 防御力:2,500

 魔法攻撃力:2,200

 魔法防御力:3,980


「完全に最弱確定だなこりゃ‼ ヤバすぎじゃん‼ このゲームぶっ壊れてる‼ あぁ~。笑いが止まんねぇ‼」


 球体をビシバシ叩き大笑いしながら転がり回る。こんなゲームはゲームじゃねぇ。けど、面白い‼

 もう夢中になっていた。弱くなるのは、困るけど……。そろそろログアウトして、ベッドでゆっくり寝よう。

 そう思った俺はオプションメニューからログアウトボタンを探すが、目的の項目が見つからない。


 ――『これより、本ゲームは〝デスゲーム〟として運営されます。いずれかのプレイヤーが全エリアを攻略後、この設定は解除されます』


「おいおい殺し合いかよ⁉ 最弱だらけじゃ、話にもならねぇ……。ってことは、みんな狙われ確定? 高レベルほどワンパンの即死で即退場ってマジ⁈ ヤベぇじゃん‼ ログインしない方が安全なんかよ‼」


 ――『挑戦、お待ちしております』


 アナウンスが終了。こうして始まる最弱だらけの"デスゲーム"。俺は偶然見つけた階段から、次のフロアへ向かうことにした。


 ◇◇◇◇◇◇


「遊び始めて早々、ログアウトが出来なくなるわ、レベルアップ早すぎだわ、一瞬で最弱だわ……。おまけに〝デスゲーム〟。面白いけどあんまりだ……」


 一体運営は。どういう頭でサービスをしているのやら。部外者が考えることではないけど気にしてしまう。俺はそんなことを考えながらフロアを進む。

 道行く可愛い女性プレイヤー。がっしりとした体格の良い男性プレイヤーに、幼い子供プレイヤー。様々な人達で溢れていた。


「割とプレイ人口多いんだなぁ~」


 中世ヨーロッパ風の建て物が立ち並び、道がはっきりしていて、歩きやすい第二層の街。すれ違う人も様々で、とても賑わっていた。

 建ち並ぶ店も多種に渡り、装備のレパートリーも街行く人を見ればよくわかる。

 全体的に〝剣士〟が多数派か? 俺も含めて、剣を身につけたプレイヤーが、その大半を占めている気がした


『ただいま、三代目【アーサーラウンダー】メンバー募集中です‼』


 少し離れた場所から聞こえた声。主を探すと、目に入ったのは小柄な明るい茶髪の少女。身長は小学生サイズで幼く見えるが、多分俺より歳上だと思う。


『あ‼ そこのお兄さんどうですか?』


 その少女から飛んできたのは、勧誘の言葉だった。

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