第1-EX話 ルグアにとっての〈WWM〉
割り込み投稿です。再投稿版の文字数なので2000文字あります
どうしてここまでしてくれるのだろうか? 今までの出来事に、俺は少し不安になっていた。
よく考えてみれば、俺はずっと足を引っ張ってばかり。何もいいことがない。周りの人に負けてばっかりだった。
俺が疲れた時は、ルグアが背負ってくれたし。ルクスの子供を助けたのもルグア。対して俺は騒いでるだけ。
「……あの。ルグア団長?」
第五層から第六層へ向かう通路。俺はルグアの背中の上で、頭のくすんだ部分を整理しようとしていた。
「ルグア団長?」
「ん? あ、ああ。どうした?」
「いやその。俺。ちゃんと活躍できてるのかなって。邪魔しかしていないっすから……」
「……言われてみればそうだな」
『先輩?』
後ろを歩くルグアのお兄さんが、疑問符を浮かべ問いかける。俺も知りたいことが多い。特に〈WWM〉というゲーム。
俺は初めて聞いたし、遊んだこともない。どんなゲームなのか、ずっと気になっていた。
「〈WWM〉か……」
「懐かしいですね……。ログアウトできたのも、先輩のおかげですし」
「ルクスさんそうなんすか?」
「はい。実際のプレイ時間はほんの数時間でしたけど……」
「まさか、400年……。いや、650年分遊ぶことになるなんてな」
ろ、650年……。人死んでるじゃん‼ 何がどうなってそんな長くなったの? ゲームシステムとか気になるんだけど‼
「世界観は、現代日本だけどさ……。荒廃していたりとか……」
「廃墟もありましたよね。アンゲーマー先生‼」
「だな。あとは……」
そういえばルナさんも遊んでいたんだった……。この中で遊んでないのは俺だけ? だけど、ラミアとファリナは年齢的に……。
あと、荒廃した日本が舞台っていうの、なんか見てみたいかも。後で購入しようかな……。
「アレン……。すまないが、もう〈WWM〉はサービス終了しているんだ……。一斉ログアウト後に、専用のサーバーが壊れたみたいでさ」
「ま、マジっすか……」
「それに、650年分を処理するために、分散負荷とかありましたからね……。ルグアがいなかったら、全員終わってましたよ」
「ちょいちょいルクス……」
一瞬表情を暗くさせたルグア。何か嫌なこととかあったのだろうか? 俺は静かに言葉を待つ。
通路はまだ途切れていない。そんなフロアを、歩く仲間。経験値も知識も、ルグア達の方が多い。
俺も本気で戦いたいよ……。そう言っても、出番が来なければ意味がない。笑顔で思い出話をする先輩プレイヤー。
「もう少しで外に出るぞ‼」
「ようやくですね。先輩お疲れ様です‼」
第六層に入って、澄んだ空気でリフレッシュ。目の前には綺麗な湖面が広がっている。
ルグアが言うには、ここでガロンやセレス。ウェンドラ達と待ち合わせをしているそうで……。
「そういえば、さっき団長……」
「あれか……。ルクスが分散負荷って言ってただろ?」
「たしかに言ってたっすね。その分散負荷って……」
「そいつがさ……。経過した分の負荷だったんだ……。つまり、受けたらその分の寿命を削られる。って感じだった」
かなり怖いんだけど。それとルグアはどんな関係が? もしかして、その負荷を一人で受けたとか?
「その通りだ」
マジかよ……。この人ほんと何者? 理解出来ないんだけど‼ いや、理解したくない……。致死量ってことだもん。
ルグアが生きてること自体不自然じゃん‼ 意味不明すぎる……。頭の中覗いてみたい。繰り返してしまうかもだけど、見てみたい。
「ま、そんなこんなで、今があるってことだ。にしても、ガロン達どこにいるんだ? この辺で食料調達するとかなんとか……」
「食料調達?」
「アレンにはまだ説明してなかったな。アレンが最初話しかけた時にさ。通信魔法の方でガロン達から連絡をもらったんだよ」
******
『モードレさん。今どこですか?』
『ああ、ガロンか……。私は今第六層に向かってるところだ』
『なるほどです‼ わたしのの方もチームで食料調達中です‼』
『そうか……。順調か?』
『それが……。フランさんが寄り道していて、困っているのです……』
*****
「フランさん……。っすか……」
「食いしん坊だからな……。私とは真逆だ……」
「……真逆?」
「時々何も食べない期間を作っていてさ。ちょうど。その真っ最中だ」
なるほど……。そーなんだ……
「そーな○――」
「ルグア団長?」
「もう、先輩ふざけないでください」
「別にいいだろ。ボケたってさぁ」
「そうですけど。アレンさんが戸惑ってますよ」
ものすごいフレンドリーなのって、このことなのかな? もし俺もふざけていいなら、どんどんやってみよ。
マジでルグア団長は最高すぎる‼ こんな団長が人気者なのが、なんか理解できたかもしれない。
そうしている間に、俺たちは湖のほとりに到着。一度ここで休憩して、ガロン達を待つことに。
綺麗な水面。緊張状態が解けて、気持ちが楽になる。このゲームにも休める空間があって良かった。
デスゲームは嫌いでも、たったこれだけでスッキリする。
『皆さんお疲れ様なのです‼ 食料調達終わったのです‼』




