第2-74話 俺も冒険者なんすか⁉
午後の部開始!!!!
アレンの解読が役に立つ
※2022年5月19日 初期タイトルに変更しました
「ルグアだんちょー‼ ってえ? えぇーーー⁉ オーラでルグアだんちょーわかるっすけど、ち、ちっちゃくないっすか?」
反応に困る。私の姿はゲーム内専用アバターではなく、現実世界でのノーマルな低身長。ちなみに148センチ。
腕力等はゲーム内と同等らしい。それでも再会できてよかった。
「こうして会うのは久しぶりだなアレン」
「そうっすね。それよりなんでちっちゃいんすか?」
「私にもわからん。けど気にするな。見た目と口調は合わないが……」
「可愛い少女ですもんね……」
「そうだな」
これでアレンを助ける――自力で脱出していたが――ことができた。あとはみんなで元いた世界に戻ればいいだけ。
戻ればいいのだが……。風魔に聞けばまだクロノが復活していないらしい。復活するまで数十年かかるそうだ。
「どうするか……」
「明理さん。この方は?」
「あえあその、あれ……」
「私の弟子のアレンだよ」
「でで、弟子ぃぃぃぃ‼ 俺弟子ってマジっすか団長‼」
「もちろん。公認扱いだし」
「その。普通の話し方で大丈夫っすよ? 団長?」
「そうなの? それじゃあそうしようかな?」
これで口調を変える必要がなくなった。でも、ゲーム内では癖なので、もしかしたら変わるかもだけど。
――『えなづんーんなしせどーんなゆちらか』
「セイレーン来てたんだね」
「えーと、『えなづんーんなしせどーんなゆちらか』だから……。もしかして、俺がルグア団長の弟子ってことっすか?」
――『いあきえす』
「褒められた‼ ルグア団長‼」
「その。アレンどういうこと?」
「あ、説明しやす。セイレーンのあの言葉って、逆再生なんすよ」
「逆再生‼ そういうことだったんだね。なんか、初めてかも」
「どうしてなんすか? ルグア団長?」
「なんでもない‼」
「なんでもないって、だんちょー‼」
◇◇◇アレストロ城 ジルグ目線◇◇◇
「ルーア。ルーア聞いてるか?」
「んもうなんなのよジルグちゃん」
夜分。寝ている最中の彼女を起こしたことに、わずかばかりの申し訳なさを覚える。自分の失態には何も言えない。
暗夜の回廊。城内は凍てつくような静寂を保つ。かすかに流れる風は、肌の温度と差ほど変わらない。
「なによ急に起こすなんて、事件?」
「アレンが脱走した」
「アレンが……。もももジルグちゃん‼」
「私のミスだ。ついさっき知ったばかりでな」
「なにやってんのよ。ジルグちゃんったら‼ 彼は重要なのよ? もう~い~や~だ」
「書斎に連れて行ったのが、不味かったのだろう。読みふけっていたのも事実だ」
アレンは本好きだった。そして、古代魔法の書物を解読していた。興味はない。文字は好みではない。
加えて憎き弟も本好きだった。彼はこの世界には不要なガラクタ。彼のせいで一度は王の座を奪われかけている。
彼の王の血はとても濃い。それが気に入らなかった。だからこそ憎んでいる。
「ならアタシも、弟さんをさらにいじめようかしら? どう? ジルグちゃん?」
「毎回名を呼ぶなルーア」
「あらそう? 仕方ないわね」
「残りは任せる」
◇◇◇風の街ラノグロア アレン目線◇◇◇
「ここが……フォルテさんの……」
「しばらく観光することになったからね……。そうだ、まだ宿代払ってなかった。風魔。宿代いくら?」
「……。泊数から換算するに、3000ウェレス」
「それじゃあ、バレンお金見てもいいかな?」
「ほらよ‼」
ルグア団長やっぱりかっこいい。あとバレンだったっけ? なんか顔がいやらしいけど、めちゃくちゃかっこいい。
褒めたい。褒めたいよ。絶対俺よりかっこいいって‼ 最近自分の顔見てないけど。俺よりモテる‼
それくらい顔立ちの良いバレンは、お金の入った巾着袋を、ルグアに向かって投げる。中身を覗くルグア。その中身は……。
「懐かしい。メリナ通貨が入ってる。今の価値からすると3枚で足りるかな?」
「知ってんのかよチビ。警戒している俺も悪ぃが……。どっから来たんだよ‼」
バレンさん怖っ⁉ 口調ヤバッ‼ まだ団長の方が優しいよ。マジでそう思った。この人のオーラどんな人よりもパない。
なぜなら、どの色にも属していない無色透明。オーロラのようなものは見えるけど、はっきりした色が存在しない。
「それじゃあ、3メリナでお願いします」
「承知した。預かっておく」
「ルグア。自分で行かないんすか?」
「まあね。これからクエスト攻略に行こうと思ってるし。あ、そうだ。ロム達の冒険者ランク〝D〟まで引き上げるそうです」
「冒険者ランク? ってなんすか?」
「今度教えてあげる。まずは。冒険者ランク〝D〟になると、〝C+〟クラスまで受注可能とのことです。それと……」
「それとなんすか?」
「アレンは最下ランクの〝F〟ランクスタートという形で成立しました」
お、俺も冒険者なんの⁉ しかも最下位ランクからって‼ みんなと行動できるようになるには、〝D〟ランク以上に……。
ってかどんなクエストすればいいんだよ‼ そもそも冒険者ランクってなんぞや? 教えてくだせぇ女神のルグア様ァァァ‼
「それでは、シュトラウトへ出発しましょう‼」
「だんちょー‼」




