第2-59話 クエスト受注
◇◇シュトラウト 冒険者ギルド案内所◇◇
「マスター。ただいま戻りました」
「もう帰って来られたのですか、ロム様」
「ちょっとね……」
「おや? そちらの方々は?」
ロムが〝マスター〟と呼んでいるらしい、スモールドワーフ……。長命なのは知っているけど、ものすごく若い。
「はじめまして巣籠明理です。こうりゃ……。じゃなくて、ルナジェイン王認定ギルド【アーサーラウンダー】の団長をしています」
「ルナジェイン認定⁉ こりゃたまげた。おっとコホン。……少々驚きすぎましたね。アレストロ街王城の第二王子と言い」
「んだから、俺は王子じゃねぇって‼」
「ババ、バレン君。あまり取り乱さないで……」
「今度はルナジェイン認定ギルドとは……。どれどれ?」
マスターは私の左胸に付いた勲章を眺め、物珍しそうに目を輝かせる。この勲章は特注品。そこらで落ちてるものじゃない。
思ったよりも広い冒険者ギルドの案内所。ロムの言った通りに、掲示板は貼り紙で埋まっていた。
私は一旦受付から離れ、貼り紙を見に向かう。討伐クエストから、採集クエスト。タライ回し系の連続クエストまで。
――魔術判
「明理様一体何を?」
「その……。クエスト用紙の階級がバラバラだったので、階級ごとに整理と、魔術判で留めただけです。私の魔術判は五年持つので」
「なるほどそうでしたか。すみませんありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ」
ちなみに魔術判というのは、ホチキスのようなもの。複数の用紙をまとめて魔術判を押すことで、バラバラになることを防ぐ。
普通の人の場合は、ひと月から2ヶ月ほどしか効果がない。もちろん寿命があるので、魔力が弱まるとバラけやすくなる。
五年耐久の魔術判は私限定らしく、長期保管には持ってこいだと、ユーラスさんに褒められたことがあるくらいだ。
「ちょっと、クエスト確認してみてもいいですか?」
「ぜひぜひ‼ ルナジェイン王認定ギルドとなれば、手続き不要ですので」
「ありがとうございます‼」
私はまとめたばかりのクエスト帳を見る。しっかり階級ごとに整理されたので、とてもわかりやすい。
一番気になったのは、階級設定が英字だということ。このような表記は初めて見たので、掲示板の階級詳細を確認。
――――――――――――――――
最下位階級
F ・
F+ ・
E ・
E+ A
D A+
D+ G
・ G+
・ L
・ L+
・ L++
最上位階級
――――――――――――――――
「レジェンドクラス……。案件は30枚あるみたいだけど……。マスター。特級クラスって?」
「特級クラスですか……。それならあまりにも危険なクエストになるため、開示せずにこちらで預かっているんですよ」
「そうなんですね……。その……。例えば……」
私よりも背が低いスモールドワーフ。受付嬢の補助を借りながら、カウンターの裏手にまわる。
あくまでもこれは、アレンの居場所を明確にさせるための情報収集で、本気で冒険者をする気はない。
せめてでも、ここに貯まった大量の依頼をクリアし、手助け出来ればと思っているが、行き当たりばったり程度で十分。
「その。明理さん」
「なんですか?」
「どうして特級クラスを……? 僕達はまだ冒険者になったばかりで、冒険者ランクも〝F〟ランク。
マスターに聞いたところ、バレンとメルフィナさんは〝D〟ランク相当だけど、それでもパーティランクが〝F〟なので……」
「たしかにそれはロム君の言う通りね。あたしが騎士団長していた、っていうのもあるけど……。
Fランクパーティは、E+までしか受注出来なかったと思うわ」
(そうなると、ロム達を連れて行くことができないのか……。最終的に特級クラスを受注するとして、まずは下積みからかな?)
私は改めてクエスト帳を見る。
階級の順は〝F〟クラスから。
基本的に〝F〟クラス〝F+〟クラスは、辺境の地等を目的地とした採集クエスト。
危険性がない案件がほとんどで、案件枚数は50枚。〝F+〟を含めると86枚。
次にその一つ上の〝E〟クラスと〝E+〟クラス。この階級からは小型の魔物討伐が多い。案件枚数は意外と少なく36枚だった。
「またせてすみません。明理様。こちらが特級クラスの案件一覧になります」
「わざわざすみません。ちょっと確認します」
マスターに呼ばれて受付カウンターへ向かう。そこで手渡された紙は文字色が薄れ、私でも読み解くのが不可能だった。
相当前に登録されたクエストなのだろう。ここまで放置されると、情報入手が難しそうだ。
一旦特級クラスの一覧を返して、再び開示された一覧表を手に取る。
「それじゃあ。最初は案件数の多い〝F〟から消化していくとして……。あれ? このクエストだけなんか違う……」
――――――――――――――――
【ミニオンゴブリン討伐】
クエストクラス:F+
クエスト形式:魔物討伐
クエスト場所:西部ラウナ遊園地周辺
クリア報酬:5000ウェレス
サブクエスト:金鉱石50個納品
――――――――――――――――
なぜかわからないが、このクエストだけが〝F〟クラスの討伐だった。最下位階級は採集クエストが推奨されているため、紙は新品そのもの。
もしかしたら、アレンを見つけるヒントがあるかもしれない。気になったら受注する。
私はクエスト用紙を破り、マスターの元へ。内容に間違いがないか再確認後。
「マスター。受付嬢さん。このクエスト受注します。参加人数は私とバレン、ロム、メルフィナさんの四人で」
「かしこまりました。受注書の控えをお渡しするので、無くさないように持っていてください」
私はクエストを受注した。
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第1部分は、宮鳥亜蓮が主人公のVRゲームジャンルなので、よろしくお願いします。
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