第2-14話 強面ライマン
「お兄ちゃん。大丈夫?」
囁きかけるような男の子の声。目を開くと、そこはクエスト受付場所に設置された、ソファーの上だった。
誰かが俺を運んでくれて、見守ってもらったらしい。けど、やっぱり団長の立場って恥ずかしい。緊張する。ゲームなのに心臓バクバクいってるんだけど‼
「お兄ちゃんって、変わった人だね」
「そ、そうっすか?」
「うん‼」
『おーい、レッサーJr‼ パートナー決まった?』
レッサーJr? それって、この男の子の名前なのだろうか? レッサーJr、レッサージュニア。動物好きだったりして……。
そういえば、この前テレビで――と言っても二ヶ月前だけど――レッサーパンダが本当のパンダで、ジャイアントパンダがパンダと呼ばれるようになったのは、記事のミスなんだとか……。
それはさておき、俺の近くに駆け寄ってくる五人の少年達。第二十層に来ているからには、相当な実力者だよね? 平均年齢いくつなんだろ?
「ちぇ……。コイツかよ……」
「えっ?」
番長並に強面の青年が、俺に向かって舌打ちしてくる。『とにかくステータスを見せろ』と、肘打ちもしてきたため、メニューからステータス画面へ……。
プレイヤー名:アレン
レベル:99988 ジョブ:剣士
HP:3,500 (オートロック)
攻撃力:-999,982,630
防御力:-9989,968,560
魔法攻撃力:-999,479,550
魔法防御力:-997,982,930
【ユニークスキル】
・レベルダウン
「あれ、ほとんど変化が……」
「ブフォ‼」
突然吹き出す強面の青年。続くように他の少年も覗き込み、クスクスと笑い始める。何が面白いのだろうか? 俺にはわからない。わかるわけもない。年下に笑われる十六歳の俺。
こっちの方が恥ずかしいけど、仕方ないのだろう。目の前には腹を抱えて笑う青年とその仲間達。青年は笑い声を抑えながら、口を開くと、
「例のユニーク持ちじゃねーかよ。レッサーJr‼ こんな雑魚に任せられるわけないって……。雑魚雑魚雑魚。ユニークスキル持ちの雑魚にーーちゃんは、使いものなんかなんねーよ‼」
「で、でもこのお兄ちゃんは、ギルドの団長だよ? あの有名な【アーサーラウンダー】の……」
「嘘だね。こんな雑魚が団長って、頼りにならないだろ? 弱小に決まってる」
レッサーJrと青年の言い合い。たしかにルグアがいない今、俺達のギルドは弱小に違いない。でも、俺には切り札があるんだから……。
「あ、あの……二人とも俺と一緒に……」
「雑魚団長は黙れ‼」
「ちょっと、ライマンってばぁ……」
「ライマン?」
「この強面にいの名前だよ。ライマンもせっかく一緒に行ってくれるって……」
「なら証明してみろよザーコ‼ これから行くクエストは難易度高いから、死なねーようにな」
(なんかヤバいやつに付き合わされちゃったんすけど、元団長さーん‼)




