虫がいるようで
初めて書いてみました。どきどきです。
「わぁ、すごいよ!角が大きい!」
弟は虫に興味津々なようだ。
今日は青が空を塗りつぶしている。弟が親に虫を取りたいと言っていたのだが、父はこれからお仕事、母は夕飯の支度をするので弟の希望が通らなかった。
「ねぇ、一緒に行ってきてくれない?」
「えぇ〜。嫌なんだけど。」
「一緒に行ってきなさいよ。行ってきてくれたらあなたが欲しいもの買ってあげるわよ〜」
「ええ!ほんと!?じゃあペロペロキャンディー買ってくれる?」
「良いわよ〜」
あの時は母の言ったことが理想的すぎただけだ。
釣られたわけじゃない。決して。
「この虫さん木のこと好きすぎるよ!僕のものにしてやる!」
どうやらこの虫が気に入ったようだ。
「他にもたくさん虫がいるから見てみる〜?」
「え!みたい!みたい!」
ちょっといじわるしてしまった。可愛すぎるのがいけない。
「うわぁ〜かっこいい虫がたくさんいる!みんなほしいよぉー!」
木々が生えている間を通って走っている弟。
それを見るとなんだか心が安らぐ。
「ねぇねぇ〜全部持って帰れないのー?」
「それは無理かな〜」
「持って帰りたいよ〜!」
やってしまった。こんなときのいい言い訳はないのだろうか。
「えぇと……うんと……みんな家族なの。だからみんなは持って帰れないの」
頭をこねくり回した結果だが信じてくれるか?
「あぁ…‥そうなんだ……」
とても悲しそうだ。こっちとしても心が痛む。
「でも、虫さんたちはあなたと友達だから一匹は持って帰ってもいいって」
残酷なことを言った気がする。すまない。
「ほんと!じゃあはじめに見つけた角がかっこいい虫にする!」
「さっきこっちを見てくれたから!」
「それじゃあその虫を持って帰ろうかね〜」
「うん!」
純粋だなぁ。風景を反射する水のようだ。
これから弟は大きくなっていくのだろう。自分の記憶に弟を残しておきたいと思う。
今までは面倒な弟だと感じていたけれど、なかなかいい経験だった。これからも関わって弟と仲良くしていきたい。
読んでくれてありがとうございました。評価や感想を書いてくれると嬉しいです。次回は気が向いたら投稿します。