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んーーーー。喉が渇いてる。


体もだるい。


そういえば、昨日どうしたんだっけ…。




…。



やってしまった。

予定を立てずに寝てしまった。


「まぁ、いっか。スキルポイントの稼ぎ方は分かってるし。」


気持ちの切り替えは、大事。

自分でも切り替えは早い方だと自負している。



とりあえず昨日飲んだまま寝てしまったから、机を片付けようか。


ダラダラと片付けながら、ふと思い出す。


そういえば、昨日スキルアプリを寝る前に開いていたような…。

うーん、あまり思い出せない。


片付けを中断し、スキルアプリを開いて愕然とした。


貯めていたスキルポイントをコミュニケーション力と好感度上昇に全て振ってしまっている。

やってしまった…。

そういえば、昨日告白して振られたことを思い出してウダウダ言ってたんだよな。


クソ…。



ま、また貯めればいい。

切り替えは早い。と、自分に言い聞かせる。


悔しいけど、凹んでいてもしょうがない。

うん…。


悔しい思いを引きずりながらも、頑張って明るい気持ちになろうとする。

これって、凄く大事だと思っていて。


何か壁にぶつかったりして諦めそうな時とか、悔しい思いをした時も

なんとか明るい気持ちになろうとする。

そこでいつまでも凹んでいては、変わらない。

明るいフリをするだけでもいい。


そうやって生きるようにしている。


まぁ、今回は、たかがスキルアプリなんだけどね。

されど人生が左右されるスキルアプリだから、正直凹んでる。



頑張ってまた貯めよう…。



とにかく運動だ。運動。


途中休みを入れながら、コンスタントに運動をこなしていく。


…。

…。

…。



それは、スクワットをしている最中に起きた。


筋が張っている感じは、元々してたんだけど無理をした結果。


「いだだだだだ。いてーーーー。」


誰もいない部屋で、1人のたうち回る。

涙目になりながら、自分の足が付いてるか確認。


当たり前だけど、付いてるわ。


これは、攣った感じじゃない。

肉離れか…?


やってしまった。

スキルポイントを稼ごうと休日の2日間で無理矢理やっていたからだ。


即時に運動を中断し、病院へ向かおうとするも歩けない…。


うーん。

タクシーを呼ぼう。


タクシーなんて普段乗らないけど、緊急事態だ。

お金があるわけじゃないから、あまり使いたくないけどこういう時こそ使う時だ。


タクシーを電話で呼び、なんとか家の前までびっこをひきながら歩く。


程なくして、タクシーが来たので乗車。

ここでビックリしたのは、タクシーの形が変…?


最近都内とかではよく見るんだけど、ハッチバックのような変なタイプ。

おまけに運転がなかなか荒い。


早く走って売り上げを上げるのに必死なんだろうか。


などと考えていると、すぐに病院へ到着。


診断結果は、やはり肉離れだった。

医者もなかなか人を小馬鹿にしたような感じで


「急激に運動したでしょ~。だめだよー。」


ムッとしたけど、本当にその通りなので


「気をつけます。」


とだけ、返事をし病院を去った。

再びタクシーを呼び、家まで送ってもらった。


「せっかくスキルポイントを稼げてたのになぁ~。」


思わず言葉が出てしまった。

昨日スキルポイントを全部使ってしまったけど、また稼いだのに。


スキルアプリを開くとスキルポイントは6になっていた。


最悪、足は動かせなくても手だけ動かせばいける…?

と思ったが、無理した結果が肉離れだったから、しばらく大人しくしておこう。



なにしよう…。



うーん。


あ。

そういえば、明日からの会社の通勤どうしよう。


バスに乗るまでは頑張れたとしても、電車に乗り換えて、尚且つ駅から会社まで歩くのは今の足の状態では、なかなか厳しい。

とりあえず電話かけなきゃ…。

絶対に宮本さんには嫌味を言われるんだろうなぁ…。


少し構えながら、電話を掛ける。


「プルル…。」


「おーう。どうした。」

と宮本さんの低い声が聞こえる。


咄嗟に忙しいか寝てたかだな。と考えて


「すみません。お忙しいところ。今お電話大丈夫ですか?」

と返事をする。

寝ていたとしても、とりあえずお忙しいところすみません、と言っておけば向こうは否定しないだろう作戦。


「おー。大丈夫だぞー。」

宮本さんの声のトーンが少し明るくなった。

よっしゃ。

これで少しだけ話が、しやすい。少しだけだけど。


「実は、足を怪我してしまいまして。肉離れなんですけど…。」

と話している最中に電話口の向こう側から

「ハッハッハッハ。」

「肉離れなんてしょうもない。自己管理が出来ないから、なってるだけだろうが。」


正直ぐうの音も出ない。

急激に運動した自分のせいだから。


「申し訳ありません。」

と返事するのが、いっぱいいっぱいだ。


そしてそのまま宮本さんは


「いいから、明日も来いよ。」


とだけ、言い残し電話をブツッと切った。


なんだよそれ…。

いいよ、そんな事言うなら遅くなってもいいから無理してでも行ってやる。

本当に嫌な上司だ。

腹が立つから、意地だ。


ちくしょう。




ふー。



あれ、そういえば…。


スキルアプリを取り出し、応用スキルを開く。


「これだ!!!!!」


思わず声を張り上げてしまった。




痛みの緩和 だ!!!








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