表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
可愛い君は最強の力を持つが故に  作者: 林十-りんと-
第一章 縛る者
2/120

二話 転入生

 俺、草野 凌はいたって普通の中学二年生だ。中身は。


「おはよう、リーダー」

 クラスメイト達の挨拶に俺も挨拶を返す。

 よく見ると、いや見なくても良いんだが、このクラス、不良の男女しかいないんだ。金髪に染めた者、化粧の濃い女、ピアスだらけの者、色々な者が居る。そんな彼らからリーダーと呼ばれる俺。つまり不良クラスのリーダー。……色々あったんだよ。



 先生が教室に入ってきた。

 みんな静かに自分の席に向かう。不良とは思えないこの行動。成長したなぁ。俺が命令する前は、学級崩壊していたからな。俺は普通に勉強したいんだ。


「今日から、一人仲間が増える。お前ら、苛めるんじゃないぞ!!! 」


 このクラスに転入生!? 嘘だろ!?

 ここの中学校は一学年にクラスが二つしかないんだ。全学年共通で一組が不良クラス、二組が不良じゃないクラス。普通、二組に転入させるだろ!?そんなことを考えていると、転入生が教室に入ってきた。セミロングで気持ちウェーブのある茶髪の女の子。百四十センチないんじゃないかってくらい小さい。そして先生の隣に立つと俺達の方を向いた。


 っ!? ……可愛い……

「初めまして。草壁 ゆきです。宜しくお願いします。」

 声まで可愛い……

 いや、それよりも、本当に何で二組でなく一組なんだ。こんな子を一組に入れたら、苛めの標的にされるじゃないか。絶対に阻止してやる。



「俺はこのクラスのリーダー、草野 凌だ。放課後、時間もらおうか。」

 休み時間、次の授業の準備をしている草壁さんに近付いて声をかけた。許してくれ。リーダーだから、こんな声かけしかできなかったんだ。

「そう。ごめんなさい、時間はあげられない。私にも関わらないで。」

 そう返された。一瞬目が合ったがすぐに準備に戻った。怯えてる様子はない。だが、無関心、無感情。そんな感じだ。

「なんだ、こいつ! せっかくリーダーが声かけてやってるのによ! しめちまおうぜ! 」

 あああ~!!! 何でこうなるんだよ~。

 取りあえず、時間を稼ごう。

「今はよせ。放課後だ。」

 それにみんな渋々従う。




 頼む、放課後にならないでくれ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ