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共戦

人間を見つけた主人公。


しかしその前には魔物が。

戦闘音に起こされあまり機嫌が良くないが、まずはじっくり観察する。


2mはあろうかというゴリラのような魔物に2人対峙している。


1人はロングソードのようなものを両手に持ち、もう1人は片手で短い剣を持っていた。

しかし、片方の人間は片手を糸のようにぶら下げていた、片手剣を持っている人間だ。怪我をしているのだろうか。


魔物に目を凝らす。


【コング】

【ランクC+】

【縄張り意識が高く、気性もあらい。食料を求めて人里に降りてくることもしばしば。】


-----------------

ステータス


コング

Lv 25/65

HP 250/345

MP 185/200

攻撃力 180

防御力 110

素早さ 85

魔法力 75


-----------------


…きつい、俺一人では勝てないだろう。

そう思い人間2人に目を向ける。


-----------------

種族 ヒューマン

Lv 18/75

HP 54/97

MP 25/42

攻撃力 65

防御力 55

素早さ 43

魔法力 35


-----------------


もう1人、怪我をして腕を垂らしてる人間だ。


-----------------


種族 ヒューマン

Lv 25/78

HP 14/102

MP 13/86

攻撃力 85

防御力 73

素早さ 97

魔法力 45


-----------------


(…無理だ。あの二人では勝てない、どうしたものか)


木の陰に隠れて様子を見ている。


「くそ…こんな時に限って出てきやがって…!」


腕を怪我している人間はが汗を垂らしながら呟く。


「兄さん…!」


2人は兄弟か、と考えていると


「ボォォォ!!」


コングが腕を振り上げ叩きつけようと走ってくる。


「く…!!」


ロングソードを持った男が構える、だが勝てる自身は無いのだろう、手がカタカタと震えている。

足は震え1歩下がる。これでは殺られると思った矢先。


「ボォァ!」


コングが腕を振り下ろしてきた。


「うっ!!!!」


人間が防御の姿勢を取る



「ドン!!!!」


何かを殴る鈍い音がした。

コングの手を大きく黒く鋭い爪をした手で受けていた。

俺の手だ。

殴られる一瞬、勝手に体が動いていた。


「ボァ!?」


ビックリしたコングが後ろに跳ぶ。


「う…?」


ロングソードを持った人間がゆっくりと目を開けていく。


「あぁ…」


腕に怪我を負った人間がへたり込む


「ドラゴン…だ、。。終わった。。」


続けて言葉を漏らした。


「兄さん!!」


怪我をしている人間を庇うように、前に立ち俺に歯を向ける。


「グルル…」

(やっぱこうなるか)


予想通り、と言った感じで喉を鳴らす


「ボォォォォァァァア!!!」


獲物を横取りされたような感じで地団駄を踏み怒り出すコング。


「ボ!!!」


足元にあった石を投げてくる。


それを翼を広げ、後ろに行かないよう体で受ける。


「グ…グゥゥルルル!!!」


痛い、しかし倒れるほどではない。


体力が少し減るくらいだ。しかし、倒せはしない、せめて撃退くらいはしたい…。


「グルルァァァアァァ!!」


前に跳び噛み付く、肉を引き裂く思いで噛み付くが硬い。


「ボボボァァァ!!!!」


コングが痛みに耐えられず暴れる。しかし離さない。


「ボ!!ボ!!」


暴れるにつれ歯が肉にくい込んでいく、その度に血が口に流れてくる。


ーー美味い。


やはり俺はドラゴンになったんだろう。という思いを馳せながらコングのお腹にパンチを繰り出す。


「グルルゥゥ!!」


コングの暴れる力が強く、地面や木に当たる。

これでも体力が削られる。


「あのドラゴンは味方をしているのか…?」


人間が怪我をした人間を抱え、気の影に隠れている。


(そうだ、そのままそこに居ろ)


俺は安心して戦いに集中出来る。

相手は俺よりもランクがひとつ上、そしてレベルも上の格上に戦いを望んできる。

今は押しているが逆転も十分にありえる。

気が抜けない。


「ボァ!」


俺の体をめいっぱい押し出し、引き剥がそうとする。


「グル…!!」


歯が筋肉の繊維を引き裂きながら離れる。


(しまった…!)


しかしもう遅い。コングは俺を突き飛ばした。


「ボボボォォ…」


コングは距離を取りながら睨みつけてくる。


俺は歯を下で舐め取りながら睨みつける。


(ここからどうするか、勝てない相手ではないだろうが、こっちも無事じゃ済まないだろう。でも殺らなきゃ殺られる…)


俺はググ、と喉に魔力を込める。


そしてそれを息を吐くように吐く。いつもより多めに魔力を込めた。


「グルァァァァァ!!!!!」


コングに向け火の息を放つ。


「ボァァ!!」


よし、上手く当たった、そう思ったがコングは跳んできた。


「ボゥォァ!!」


上から拳で叩きつけようとしてくる。


しかし高く跳んだため避ける時間はある。


半身横にズレ追撃する体制を整える。


「ボォア!!」


腕を振り下ろし叩きつける気でいるコングを、横に飛びながら側転する要理で尻尾をコングに叩きつける--予定だったが、その尻尾をコングが殴るように叩きつける。


(うぐっ…!)


尻尾に激痛が走る


「ダァァァン!!!」


地面がヒビ割れている。


「グルァ…!」


後ろに跳び距離を取る。


尻尾を見ると鱗は剥がれ赤い血が出ていた。


しかし、コングも無事ではなかった。

殴った尻尾が拳から外れ胴に当たっていたようだ。


「ボボ…」


悲痛に顔を歪ませながら尚こちらを睨む。


(撃退は…難しそうだな。)


HPは30くらいしかない、どうするか。


「グルルル…」


威嚇しているが、正直そこまで頭が良くない俺は勝てる戦略を立てれる気がしない。


その時、藪の中から10人ほど人間が出てきた。

その中には先程の2人も居た。


「お、おい!このドラゴン本当に敵じゃないんだろうな!!?」


「ああ、こっちに攻撃はしてこない、それにコングの攻撃から守ってくれた…!」


「今度こそ、あのコングを叩き伏せるぞ!!」


人間が大小様々な武器を抱え俺の横に並ぶ、防具は精々魔物の皮から作った鎧だろうか。


(さっきの2人組は仲間を呼んだのか…これでコングを撃退できるかもしれない…!)


「グルルルァァァ!!!」


声を荒らげ威嚇する。


ビクッと人間が体を硬直させるが、火の息を放つ。


人間がおお、と声を上げるがおそらく倒せてないだろう。


「コングはまだ倒せてない!行くぞー!」


1人が先陣を切って走り出す、それについて行くように人間達が走り出す。


(くそ、体が重い、MPの使いすぎか…?!)


ぐら、と体が揺れるのを両手両足で踏ん張り耐える。


「食らえ!!」


人間の1人がロングソードを振り下ろしコングに叩きつける。


「ボ!」


コングはひらりと後ろに飛んで避ける。


人間達は次々と攻撃を仕掛ける。

コングと言えども次々と攻撃を仕掛けられ、ひとつずつだが切り傷を追う。と言っても浅い。


「ボ!!」


コングが人間に攻撃を仕掛ける。しかし、人間も間一髪で避けている。


俺は歯をグッと食いしばりコングに向かって走り出す。


「グルァ!!」


腕を上げ、爪を立てるようにして振り下ろす。

コングは人間に気を取られこちらに気付いていない。おそらく「隠密」スキルも働いているのだろう。


「グルァァア!!」


人間に当たらないよう気をつけながらコングに振り下ろす。

スパッと身が切れる。


「ボォォオォ!!」


コングが痛みに叫ぶ。


そこに人間が次々と剣を突き刺していく。


「ボォオ…!」


それでも尚睨みつけるコング、

俺は大口を開け肩に噛み付く。


「グルルル…!」


これでもかと力を込める


「ボ…ォォ…」


コングの力が抜けていく。


(勝、てた…!)


勝利を確信したその時。


コングがカッと目を見開いた。


「ボォォ!!」


最後の力を振り絞りコングが殴り掛かる。

咄嗟のことで防御力できずモロに受ける。

ドンっ!という音と共に後ろに吹っ飛ぶ。


「ドン!!」


そしてそのまま気に叩きつけられた。

朦朧とする意識の中で頭に声が響く。


「経験値を520会得しました。レベルが17→26上がりました。」


「スキル【下克上 Lv1】を会得しました。」

「スキル【噛み付く】のレベルが1→2にあがひました。」

「スキル【弱者救済】を会得しました。」


(倒せ…た……。)


ボヤけた視界に、人間達がこちらに走ってくるのが見えた。


そして意識を失った。



どれくらいたっただろう。

祭りのような音。人々の声。

様々な音で目が覚める、

うっすらと目を開くと、そこは人里のような所だった。

人里の中で目が覚めた主人公。


果たしてこれから食われてしまうのか??どうなる??

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