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戦う相手

模擬戦闘期間前日、及び期間中は全ての授業が免除される。

いうまでもなく、生徒たちが心置きなく模擬戦闘期間に身を入れるためだ。


1週間はあっという間にたち、気がつけば期間前日。

再びフランの部屋の集まった3人はタブレットを囲むように円になって座り、画面に映る今もなお更新されている情報を見つめていた。

“申請を受けています”の画面はぽん、ぽん、ぽぽん、と様々なパーティの名前がずらりと並んでいた。


アイリスが小さな小さな声で、つぶやく。


「……おおくない?」

「そりゃそうでしょ。そもそも、元々しょっぱの模擬戦闘期間ははセンパイ方が1年生(俺たち)の実力を確認するためだったりで申請が多いんだよ。そうしたら必然的に集まるのはA組…特にお嬢さん(実力不能の天才)みたいなのを見たいに決まってるしね」


ミシェルが事前に予想していた通りアイリスたちへの戦闘申請は多かった。

一覧をスクロールすれば、2,3年だけでなく同級生のパーティも何組か入っていたが、どうしても少なかった。

おそらく、1年生は実際に授業中の光景や試験そのものをみたことがあるからだろう。


その一覧を目で追っていたミシェルは、あ、と見つけた一つのパーティに声を漏らした。


「やっぱり」

「ん、どうした?」

「前にお嬢さんに廊下で突っかかってきたセンパイいたでしょ?ほら、これ…あそこのパーティも申請してる」


指差したパーティには、少し前にすれ違いざまにアイリスに突っかかっていた先輩ことテユ・ケーリングがリーダーをしているパーティが表示されていた。

少し話は逸れるがパーティには例え形だけでもリーダーを設定する必要がある。

そしてこっそりとフランとミシェルによってそれは隠され勝手にアイリスがリーダーにされている。

当然すぐにバレアイリスに怒られたが、2人は一切後悔どころか反省もしていない。


「このセンパイ、去年の入学試験、武器使用の方の実技試験体術だけでトップをとったんだってさ。魔法は伸びなかったから総合的には1位じゃなかったけど……」

「あぁ、だからアイリスに突っかかったのか。プライドの結構高そうに見えたし」

「ま、それはおいといてリーダー、どことする?」

「そうだなリーダー」


いじめっ子の顔でにぃと笑いながら茶化す2人に、アイリスはむっと頬を膨らませた。

勝手にしたのはフランとミシェルの方なのに、と思いながらも残念ながらもう変更はできないのだ。

うぅんと唸って一呼吸、アイリスが指差したのは廊下のセンパイことテユのパーティだった。


「あ、ここでいいの?」

「うん。言い方は悪くなっちゃうけど、どこのパーティと絶対したい、とかはないし。それに…ほら、なんか…受けないとずっと申請きそうだし…」


確かに、受けなければ受けられるまでずっと申請をおくってきそうだなと同意する。

随分とアイリスのことを目の敵にしていたのだから、また突っかかって来られる可能性もいなめない。



「それもそうだね、じゃあ申請受付…っと」


テユのパーティをタッチし、申請を受け付ける画面へと進む。


〈申請受付、完了しまシタ……対戦の時間、場所については明日の朝6時にタブレットにて確認できマス〉


タブレットからは機械的な音声が流れる。





そして翌朝、アイリスたちの初めての模擬戦闘期間が始まった。

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