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白い魔王と黒い勇者  作者: 八幡さや生
1/1

花宮が彼女になりました

「よくわかったね、おめでと」

俺の能力に気づいてる奴に用は

ない。

たとえ、すっっごい美少女でも。

でも聞きたいことが一つだけ。


「何で俺の能力に気づいた?」

俺はそこまで分かりやすい奴では

ない、と思う。

いくらこれから死ぬ人を見たって

あからさまに顔色は変えない。


「...同じだから」

「私も能力持ちだから、よ」

花宮はボソリと呟く。


「お前も?!」

俺は能力持ちにあったのは

――二度目――だ。


「..何の能力なんだ」

「それはまだ教える気はないわ」

――――――気になるな。


「あなたの能力は人の死期が

わかるというもの?」

「ああ、その通り」


「あなたは、その力で人を助けたり

はしないの?」

「...しないんじゃなくて

できないんだよ、俺に死期が見えた

時にはもう手遅れなんだ」

俺は絞り出すように、言う。


「そんなことないわよ。だって

本当は交通事故に会うはずだった

女の子はあなたのおかげで死なな

かったでしょ?」

「あの時は、ね」


「死は絶対なんだ。俺一人の力で

変えられるもんじゃない。

あのこは事故以外で死ぬことに

なった、それだけだ」


「..俺に変えられるのは死因だけ

結局はみんな死ぬんだよ...」

こんな力、使い道もないのだ。


「...死因が変えられるなら、

ひどい死にかたをする人にいい死に

かたをさせてあげられるから、

いいじゃない」

花宮はケロリと言った。


俺のシリアスを軽く受け流したこと

に拍子抜けしてしてしまった。


それと同時に重くのし掛かってた

ものがスッとなくなるのを感じた。


「簡単に言ってくれるなぁ..」

「考えても仕方ないのよ、そういう

風に生まれてきたんだから」

頼もしい奴だ。


俺は純粋に興味を持ったので、すぐ

帰ろうとはせずに話ぐらいは聞いて

やらことにした。


「それで、俺に言いたいこと、

それだけなの?」


「...いいえ、まだあるわ」

「高橋勇馬、」

いきなり改まる花宮。

「あなたを呼び出したのは、私に

協力してもらうため」


「ほあ....?」

いきなり何言い出すんだこいつ。

一体何に協力させる気だ?


「あなたの能力をあることに使わせ

てもらいたいのよ」

「...あること、とは?」

「..まだ秘密」


自分の能力も教えなければ、

協力してほしいことも秘密だとか

隠していることばかりだな。


「まず手始めに...」

「おいおい、俺は協力するなんて

言ってないだろ」

「あなたに拒否権はありません」

こ、こいつ断言しやがった。


「手始めに、

私と付き合って」


ヒュウウウ..

風が俺の前を通る。

俺は胸いっぱい息を吸い込み..


「はああああああ?!!!」

「何かしら?今日は奇声をよく

発するけど」

花宮の頬は少し赤くなっている。


「は?ぇ?いや、何言ってるの!」

屋上に呼び出されて本当に告白

されるとは...っ!


花宮、俺のことそんな風に思って、

いや~まぁじか、

ほっぺ赤らめて可愛いなぁ。



「いたって真面目に言ってるのよ」

「俺がお前と付き合うってのが

協力なのか?」


協力だなんて...照れ隠し

すんなよ。フッ

思わず受かれてしまう。


同じ能力持ちだもんな、俺たち

だけの共通点の話をして親密に

って魂胆か...

成る程、それなら納得だ。


「始めのね」

「始めってことはまだする事が

あるのか?」

これから、あんなことやこんなこと

するのか~


花宮はうなずいた。


「だから、始めに、付き合って」


...こんなに美人な彼女

がいたら、毎日幸せだろうな~



俺は自分の能力を知られた相手とは

もう関わらないという、そういう風

に決めてたんだ、


それも今日で終わり...

同じく能力を持つ彼女が

できるのだから!



まあ、最初はイエスとは言わない。


いい男はここでいったん

断って女を焦らすものさ...


童貞諸君、心がけておきなさい。

俺も童貞ダケド、


「ごめん..悪いけど、俺、君の

気持ちには答えられない、フッ

ごめんよ」

あれ?格好よく断ったのに視線が

痛いな。


「勘違いしてるわね、私はあなたの

こと別に好きじゃないわ」


「ほあ?そうなの?」

「私の能力があなたに協力して

もらった方がいいと言うのよ」


能力がしゃべるとかなんだそれ、

ていうか、俺のこと好きじゃない

のかよ...!!


勘違いとか恥ずかしすぎて

顔が熱くなってきたわ!!


「さて、私に惚れられていると

勘違いしていた勇馬君、」

「ウワアアアア!!その呼び方

やめてくれ!」

「付き合うの?付き合わないの?

どっちなの?」

有無を言わさない顔。


「...付き合えばいいんだろ。

わかったわかった、付き合う」


「付き合わせて下さいでしょ?」

付き合ってとか言っといて

なんなの?こいつ。


「...付き合わせて下さい。」

ボソリと呟く。


それを聞いて花宮は満足したよう

に白とピンクのコントラストが

美しい髪をかきあげる。


その瞬間一緒に昼休みの終わりを

告げるチャイムがなった。


リーンゴーンガーンゴーン


「今日から、私とあなたは恋人よ」


俺はヘンテコで物凄く可愛い恋人が

できてしまった。
















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