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【初代地球王】  作者: 池上雅
第一章 【青春篇】
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*** 6 背中パワー実験***


 翌週のキャンパス。


 月曜の昼休み前の四限目は、光輝は必修の語学だったが奈緒は授業が無い。

 いつもなら奈緒は光輝のいる講義室の前で待っているのだが、最近は異常研の部室に行って、みんなと楽しそうにお喋りをしているので光輝もほっとしていた。

 だが、その日は珍しく、部室には麗子さんことアロサウルスしかいなかったのである。


「おはようございま~す」


「あ、ああ、奈緒ちゃんおはよう」


 他に男性がいないとアロサウルスはより親しく奈緒とお話をしてくれるそうだ。

 だがその日は……


「ん? な、奈緒ちゃん…… そっ、その胸どうしたの!」 


「え。ああ、これ新しいブラしてるんです。

 前のブラはきつくなっちゃって苦しくて。

 だから光輝さんに言われて新しいブラを買ったんです」 


(こ、光輝くんに言われて……)


 またフツーのアロサウルスが赤いアロサウルスになり始めた。


「そんなにすぐわかりますか、麗子さん」 


「あ、ああ、わかるわ。なんか前と比べて倍ぐらいになってるわよ」

 

「あははは、倍は大げさですよぉ」 


(いや、大げさじゃあないな。突き出し方なら倍以上だ……)


「みんな光輝さんのおかげですね」 


(げっ! ま、また始まるのか!)


「光輝さんのおかげで、奈緒は内面だけでなく見た目も女になれたみたいです」 


(うああああああー。た、助けてくれぃ)



 麗子のバストも決して小さい方ではない。

 百人の女の子がいたら、大きさといい形といい、優に偏差値七十は越えるだろう。

 奈緒のそれよりは少し小さいが、それでもほとんど変わらない。

 ただ、麗子は長身なので、小柄な奈緒ほどにはそれが大きく見えないだけなのだ。


 麗子は無意識に自分のバストの下に手を持って行き、少し持ち上げたりしてみてため息をついた。

「……うらやましいわ……」 

 ぼそっとそう言う麗子。


「あ、それでしたら麗子さん。

 駅前ビルのランジェリーショップのフィッターさんがとっても上手に選んでくださるんで、今度一緒に行きませんか? 

 麗子さんのブラも上手に選んでくださるかもしれませんよ」 


 しばらく奈緒の顔と胸を交互にまじまじと見ていた麗子だったが、決心したかのように言った。


「うん。行く。奈緒ちゃん、今度一緒に行ってっ!」


「はいっ!」 


(この娘がそんなこと触れまわったら、そのショップ、売上倍増だろうなあ……)

 麗子はそう思ったが何も言わなかった。



 それからも光輝と奈緒は異常研のみんなとはますます親しくなった。

 あの豪一郎さんことT・レックスですら光輝に話しかけてくるようになったのだ。


「なあ、光輝。最近またお前の後ろの温度が上がった気がするんだが、なんかあったのか?」


 光輝は思わず奈緒ちゃんを見て顔を赤らめた。

 光輝は自分のみょーな能力が、奈緒ちゃんと一緒に暮らし始めてから上がって来ているような気がしていたからである。

 狼狽した光輝は思わず言ってしまった。


「あ、あの、T、い、いや豪一郎さんはそう感じていらっしゃるんですか?」


 すかさず麗子さんことアロサウルスが聞いてきた。


「光輝くん。今『T』って言いかけたけど、なんて言おうとしていたの?」


「そっ、それは単なる噛みですっ。とっ、特に意味はありませんっ!」


 龍一部長がにこにこしながら言う。


「大丈夫だよ光輝くん。豪一郎くんに襲われそうになっても助けてあげるから。

 だから正直になんて言いかけたのか言ってごらん」


 光輝は観念した。なぜだかこの龍一部長には逆らえないのだ。

 これこそ異常現象じゃあないかと光輝はいつも思っている。


「あ、あのそのあの…… 

 実は最初にこの部室にお邪魔した時に、皆さんのお名前をまだ知らなかったものですから、心の中で皆さんに勝手なアダ名をつけていたんですぅ」


 部長は(それで?)という顔をしたまままだ微笑んでいる。

 他の全員も期待に満ちた目で光輝を見ている。


「そ、それで、豪一郎さんのことは、心の中で『T・レックス』って呼んでたものですから……」


 みんなが爆笑した。

 豪一郎さんだけはまた顔面の筋肉を盛り上げている。

 だがその盛り上がり方が毎回びみょーに異なっているような気もする。


(あれは表情筋っていうだけあって、なにか表情を意味しているんだろうか?) 

 光輝はそう思ったが何も言わなかった。



 龍一部長はお腹を押さえて苦しそうに笑っている。

「あー苦しい。そ、それで、麗子さんのことは心の中でなんて呼んでたの?」


 部長の目はさらに期待に輝いている。


「そ、そそそっ、それはぁっ!」


「大丈夫だって。噛みつかれそうになっても助けてあげるから」


「あ、あのそのあのいやその…… 

 あ、アロサウルスですぅ……」


 今度の爆笑はもっと大きかった。

 T・レックスですら腹を押さえて野太い声で咆えている。

 麗子さんだけは光輝を睨んで口を開けて「しゃ~~~っ」と声を出した。


 しばらく笑っていた部長が涙をぬぐいながら言った。

「じ、じゃあ他のみんなのことは心の中でなんて呼んでたの?」


「あ、あのぉ…… 小恐竜1~6ですぅ」


 またみんなで爆笑した。

 小恐竜たちは、「ひっどぃなぁ~」とか「ひっどぃわねぇ~」とか言いながらそれでも笑っている。



 数日後に、麗子さんは部室に爬虫類革のスプリングコートを着て現れ、光輝を絶句させた。


 そんなもんどこで売ってるんだ?




 麗子さんはタマに豪一郎さんに、「ねえレックス」と話しかけるようになった。

 その度に豪一郎さんは、「なんだアロ」と答える。

 そんなときの麗子さんの頬はちょっと赤い。


(もしかしてこの二人……) 

 光輝はそう思ったが何も言わなかった。


 また、光輝のアタマの上に子供のころに見た「恐竜大進撃」という映画の題名が浮かんだのだが、光輝は慌ててアタマの上で手をパタパタして消した。



 小恐竜たちに言わせると、光輝と奈緒が入部してからみんなの部室への集まりが抜群に良くなっているそうだ。

 特に龍一部長の御機嫌が実に麗しくなっているために、豪一郎さんや麗子さんの御機嫌もいいらしい。


 小恐竜♂の一人には、「僕、小さい頃から龍一さんにお世話になってるんだけど、龍一さんが爆笑したのって初めて見たんだ」と言われ、小恐竜♀の一人からは、「私も、麗子さんのギャグ、初めて見たわ」と言われた。

 そうして全員から、「だからキミタチも頻繁に部室に来てね」と頼まれた。


 光輝も奈緒もフシギそうに頷いた。

 この部室に来ているのは楽しくて仲間に会えるからであって、来たいから来ていたからである。




 ある日部長が光輝に聞いた。


「そういえば光輝くん。レックスくんに言わせると、キミの背中パワーはだんだん強まってるそうなんだけどさ。自分ではそれわかるの?」


「は、はい。なんとなくですけど」


「それってなんでだか原因はわかってるの?」


 光輝は赤面した。

 自分では奈緒ちゃんとエッチするたびにそのパワーが強まっていると思っていたからである。


「そっ、それは……」


「もし差支えなかったら教えてくれないだろうか」


 レックスさんやアロさんの表情を見る限り、それは依頼と言うよりは命令に近いようだ。

 光輝は観念して白状することにした。


「そっ、それはですね…… 

 な、奈緒ちゃんと二人で暮らすようになってからパワーが強まって来たような気がするんです……」


 アロさんの上空にまた架空の「ぼんっ!」という効果音が出現すると共に、その端正な顔が爆発的に赤くなった。


(アロさんが睨むから言ったのに……)

 光輝はそう思ったが何も言わなかった……

 奈緒ちゃんは光輝を見て嬉しそうに微笑んでいるだけだ。


 小恐竜たちも顔が赤くなった。

 レックスさんはまた別の顔面筋を盛り上げている。

 部長だけは冷静だ。


「そっかー。じゃあ明らかに相関関係はあるっていうことなんだね。

 だけど光輝くん。これはいつも気をつけていなくちゃいけないことなんだけど、明らかな相関関係があるからって言っても因果関係があるとは限らないんだよ」


「…… ? ……」


「例えば昔さ、第二次世界大戦が始まりそうになってた頃、アメリカでは良質な鉄製品を大量に作る必要に迫られてたんだよ。

 量はなんとか確保出来そうだったけど、その品質の向上が急務だったんだ。

 だって、航空機用のエンジンなんかに使われる鉄の質が悪くって、飛行機落ちちゃったりしらタイヘンだからね」


「え、ええ……」


「だから当時のUSスチールでは、学者さんたちを大動員してその製品である鉄の品質を必死で調べていたんだ。

 それで分かったのが、日によって出来上がる鉄の品質に大きなバラツキがあったことなんだよ」


「…………」


「それでみんなしてさらに必死でいろいろ調べたんだってさ。

 そしたら良質な鉄が出来た日には、無断欠勤者が多かったんだって。

 そうして製品の質が悪かった日には無断欠勤者が少ないことが発見されたんだよ。

 それはもう見事な相関関係があったそうなんだ」


「へ、へぇ~」


「じゃあもしキミがそのときのUSスチールの社長だったらどうする?」


「無断欠勤するような不真面目な社員が、職場にいないと鉄の品質が良くなるんですよね。

 それでもって、そうしたひとたちが職場にいると鉄の品質が悪いんですよね」


「うん」


「それじゃあやっぱり無断欠勤が多い人を配置転換して別の職場に回すとか……」


「うん。実は当時のUSスチールもそうしたんだ。

 無断欠勤したひとをどんどん首にしたり、無断じゃあなくっても突然の病欠の多い従業員を配置転換したりしてさ」


「ええ」


「それでどうなったと思う?」


「えっ。て、鉄の品質は良くならなかったんですか?」


「それがどんなに従業員をクビにしたり、配置転換したりしても、鉄の品質はぜんぜん変わらなかったんだよ。バラツキも元のままだったし」


「へ、へぇ~」


「驚いたUSスチールはそれからも必死で調べたんだ。

 そうしてようやく、無断欠勤者や突然朝連絡してきて病気休暇を取る人が多かった日って、雨が降ってる日だったっていうことに気がついたんだ」


「…… !!! ……」


「そう。雨が降っている日には欠勤者が多かったんだね。

 当時の製鉄所って野ざらしで屋根が無かったんで、ずぶ濡れになるから」


「じ、じゃあ……」


「そう。雨が降っていて湿度が高い日には、出来上がる鉄の品質が良かったんだよ。

 試しに製鉄所を覆う建物を建てて、その中が高い湿度になるようにしたら、出来上がった鉄の品質が劇的に向上したんだってさ」


「へ、へぇ~」


「ということでね。

 どんなに相関性が高くっても、そこに因果関係があるとは限らないっていうこと。

 このカン違いはいまだに経済学なんかの社会科学には多いねぇ。

 ちょっと相関関係があるだけで、この事象の原因はコレなのである! 

 以上証明終わり! みたいなさ。

 あれは社会科学とか言ってるけど科学じゃあないね。せいぜい哲学かな」


「は、はい……」


「だからキミも、相関関係を見つけるだけじゃあなくって、因果関係も探してみてね」


「は、はい。わかりましたっ!」



 光輝は感心した。この龍一部長というひとは本当にスゴいひとだと思った。


「ああそうそう。キミタチの高校時代の友人とかで、光輝くんの背中パワーに特に敏感だったひとを一度この部室に招いてみてくれないかなあ。

 そのひとたちに今の光輝くんの背中を感じてもらって、当時からパワーが上がっているかどうか聞いてみたいんだ」



 光輝と奈緒は顔を見合わせた。


「それならやっぱり桂華かな」


「ええ、桂華さん、いっつも夏は光輝さんに『近寄るな! 暑いっ!』って言ってましたもんね。

 その代わり冬はいつも『光輝っ! こっちへ来いっ!』って言ってましたし……」


「うん」


「あ、あと詩織ちゃんもスゴかったですよ。

 光輝さんが廊下にいても、いらっしゃるのが分かるって言ってましたもん。

 背中を向けてなくってもわかるって言ってました」


「へぇ~、そうだったんだ」


 龍一部長の目が光った。


「その詩織ちゃんって、光輝くんを前にしていなくっても背中パワーを感じられたの?」


「ええ。いつもそうでした」


「それじゃあ是非その子も呼んでくれないかなあ。御馳走するからさ」


 桂華は近くの市立大学に通っていて今二年生である。

 詩織ちゃんは少し離れた大学に通っていたが、幸いにして二人とも次の日曜日には予定が無いという。

 もっとも詩織ちゃんの場合は、崇拝する女神さまからのお召しだということで、いつだろうが夜中だろうが来てくれるそうだった。




 次の日曜日。

 光輝は実験をより明確なものにするために、部室にほど近い外で待たされている。 

 小恐竜のひとりが部のクルマだという小型バスを運転してくれて、奈緒と麗子さんを乗せて桂華と詩織ちゃんを迎えに行ってくれた。


 三人は久しぶりの再会を喜びあってはしゃいでいる。

 詩織ちゃんは清楚なワンピース姿だったが、桂華はいつものジャージ姿だ。

(桂華さんらしいなぁ)

 奈緒はつい微笑んでしまっている。


 部室に向かう車中での会話も弾んだ。


「そういえば桂華さん。今日は大学のバレーボール部の練習は無いんですか?」


「ああ、アレ、やめちゃったんだ」


「えっ、ど、どうしてですか!」


「だってアイツらろくに練習もしないで合コンばっかししてるんだもん。

 もうアタマの中はオトコのことばっかし。

 だから呆れてやめちゃったんだよ」


「そうだったんですか……」


「それで今はオヤジの店を手伝ってるだけなんだけどさ。

 それじゃあちょっとツマんないから文章書いてみたり、高校の後輩たちの練習の面倒を見たりしてるところなんだ」


 麗子さんことアロさんは、そんな会話を黙って聞いている。


「詩織ちゃんは元気にしてた? もうサークルには入ったの?」


「い、いえそのあの……」


 桂華と奈緒が聞き出したところによれば、やっぱり詩織ちゃんは、激しい人みしりのせいでやや大学生活に馴染めないでいるそうだ。

 教育学部で教職課程を取ろうとしているために勉強自体は忙しく、教室と自宅を往復するだけの毎日らしい。

 それだけに今日は女神さまのお召しをものすごく喜んでいるようだった。




 一行は無事瑞祥大学に到着すると部室に通された。

 日曜日なのにキャンパスにはけっこうな人数の学生たちの姿も見える。

 桂華と詩織ちゃんは豪華な部室に驚いた後、部長やレックスさんや部員一同に紹介された。


 桂華はしばらくびっくりしたように龍一部長を見た後に、レックスさんに目を転じてつかつかと近寄り、「う~ん。素晴らしい僧帽筋ですねぇ。ちょっと失礼」と言ってレックスさんの首の下辺りをぺたぺたと叩いた。


 レックスさんがたじろいだ。


 奈緒は如何にも桂華らしい行動に微笑んだが、たじろいだレックスさんを見るのは初めてだったので少し驚いてもいる。 

 詩織ちゃんがレックスさんを見て怖がったりしないか心配していたのだが、桂華の行動のせいでどうやら大丈夫になったようだ。


 二人はしばらくコーヒーとケーキでもてなされた。

 龍一部長が二人を見て口を開く。


「それではお嬢さん方、たいへん申し訳ないんですけど、光輝くんの背中パワーの実験に協力していただけますでしょうか」


 お嬢さんではなくお嬢さん方と複数形になっていたので、桂華は思わず後ろを振り返っている。

 それを見てまた奈緒は微笑んでしまった。


 龍一部長も微笑んで続ける。


「今光輝くんはこの建物の外のある場所にいるんですけど、お嬢さん方には光輝くんのいる場所がわかりますか?」


 詩織ちゃんが申し訳なさそうに首を振った。

 桂華はぶんぶん振っている。


 アロさんがスマホでなにやら指示を出した。

 しばらくすると、詩織ちゃんが「あっ!」と声を出した。

 桂華も少し硬直している。


「どうされましたか?」


「い、今建物の中に入って来られました……」 


 桂華も頷いている。


 アロさんがスマホに「そこでストップ!」と言う。


「光輝くんがどこからこの建物に入って来たかわかりますか?」


 二人は同時に建物の南側を指差した。

 部長の目が光る。


 アロさんの口から「ほー」っとため息が漏れた。


 部長がアロさんを見やると、アロさんは「ゴーアヘッド」と言った。


 小恐竜のひとりに連れられて光輝が部室に入って来ると、桂華と詩織ちゃんは飛び上がった。

 光輝が嬉しそうに、「やあ桂華、詩織ちゃんお久しぶりっ!」と言っても二人は硬直したままだ。


 桂華が恐る恐る口を開く。


「こ、光輝…… あ、アンタまた熱でも出してるの……」


「いや、至って健康体だよ」 


「ま、まさかまた大地震でもくるのかな……」


「いやそんなこと無いと思うよ。忘れものもしてないし」


「それじゃあいったいこの熱さはなんなのよ!」


 桂華はそう言うと手で顔をぱたぱたと煽ぎ始めた。

 すかさず小恐竜♀の一人が可愛らしい女性用の扇子を桂華に渡す。


 部長の目が恐ろしい程に鋭くなる。


「三尊くん。背中を向けてくれるかな」


 光輝が背中を向けるとまた桂華が飛び上がった。

 そのままソファの後ろに回って光輝から逃げて行く。

 可哀想に詩織ちゃんはソファの上で硬直している。


「あ、アンタいったいっ!」桂華が叫ぶ。


 季節外れのエアコンを入れて、ようやく桂華たちは少し落ち着いた。

 桂華は奈緒に、「アンタもよくこんな暑っついのとイッショに暮らしてられるわよね」と言った。


 その日は様々な実験が用意されていたのだが、部長にはもうこれで十分だったらしい。

 あと二つだけ実験が行われてそれで終了ということになった。

 一つ目は光輝に分厚いコートを着せて、そのパワーが減じるかどうかという実験だったが、そのパワーは、光輝が着ているものには全く影響を受けないようだった。


 次はまた光輝が小恐竜♂のひとりに連れられて部屋の外に出、建物の二階や三階に行って、桂華たちにその居場所を当ててもらうという実験だった。

 二人は光輝のいる方向は高低も含めて完全に当てたが、どうやらその距離はわからないようだ。


 最後にまた光輝が建物の外に出ると、二人は光輝を完全に見失った。

 レックスさんたちもその実験に参加していたが、彼らも桂華たちほどには当てられなかった。


 どうやら人によって、背中パワーの感度は異なっているらしかった…… 







(つづく)


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