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異世界Cマート繁盛記  作者: 新木伸


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122/142

第71.5話「林間部活?」

 『異世界Cマート繁盛記』コミカライズ開始記念。特別増補版です。

 時系列的にいうと、第71話「つかみどり無双」と第72話「イメチェン」の間あたりにあった話です。


 71.5話~71.7話まで、1日1話で、3話連続で連載しまーす。

 マレビトさんとエナとの関係に、ある変化が起きた――そのきっかけとなったキーエピソードでもあります。

「林間部活? なにそれ?」

「林間学校っていうか、林間教室っていうか、林間部活っていうか、いつもと違う体験ができる的な……なにか?」


 いつもの昼すぎ。いつものCマートの店内。

 地響きを立てて荷下ろしをしつつ、スーパーJCのジルちゃんが、そんなことを言った。


「へー。学校で行くんか」

「学校。てゆうか。部活ですけど」

「部活? なんの部活?」

「うちの部って、いろいろと、楽しいことやる部なんですよ」

「ほー。へー。はー」


 部活の皆と行くわけか。旅行か。それはたしかに楽しそうだな。


「だけど学校。大丈夫なの? 旅行っていうからには、泊まりがけで行くんだよね?」

「あっち、いま、夏休みなんですけど」

「へ?」


 ジルちゃんに言われて、俺は目を丸くした。


 そういえば……? そんな時期だっけ?

 仕入れで向こうに行くときに、なんか暑くなってるなー、とは、思っていたが……。


 そうか。向こうは〝夏〟なのか。

 だから暑くなってきていたわけか。

 ほー。へー。はー。


「……ひょっとして、気づいていませんでした?」


 ジルちゃんが、青い目で、疑るような目線を向けてくる。


「いやー。なんとなーく、そんな気はしていたんだけどねー」


 こちらの世界にいると、暑さ寒さとは無縁なので、正直、気がつかなかった。


「マスター。マスター。〝なつ〟って、なんですかー? なんですかー?」

「いっとくが。食いもんじゃねえぞ」


 バカエルフがさっそく騒ぎはじめる。

 俺は釘を刺した。勘違いパターンはすべてお見通しだ。


「それは前にも聞きましたよー。わたしが思うに、〝なつ〟っていう言葉は、なにか、美味しい食べものと関係しているのです」


 そういえばこのあいだ、この世界に〝夏〟があるのかないのかという話題をやっていたっけ。


 その話の流れでバーベキューをやったものだから、この頭が粗雑な作りをしているおバカなエルフは、〝夏〟=〝バーベキュー〟と学習してしまったに違いない。


 だから勘違いパターンは、すっかりお見通しなのだ。


「ここの世界って、夏、って、こないんですか?」


 金色の髪をさらりと揺らして、ジルちゃんが尋ねる。


「こないですねー。しらないですー」

「季節が……、ないとか?」

「ないですねー」


 それだけのやりとりで、ジルちゃんは、「ああ」と了解したような顔になる。

 さすが、幾つもの世界を渡り歩いてきている娘。理解が早い。


「だからこんなに涼しいんですね。やっぱりここ。いいなぁ……。ね? だめですか?」


 いやだからね?

 小首を傾げて、金髪をさらりと揺らされてもね?

 だめですか? ――とか聞かれたってね?

 なにかを頼まれているみたいなんだけど?


「ああ。ごめんなさい。――さっき言ってた林間合宿? 泊まりがけの合宿の場所を探しているんです。去年は聖羅ちゃんのおうちに泊まったけど、今年は変わったところに行きたいねー、って、カスミちゃんたちと話してて」


 〝カスミちゃん〟とかいう名前は初耳だが、話に夢中になってるジルちゃんは、ぜんぜん気づいていないようす。


 このへん、スーパーなJCであっても、女の子だなぁ、と思ったり。

 うん。かーいー。かーいー。


 まあ、たしかに、〝変わったところ〟ではあるな。――異世界だし。

 しかし、学校の部活の仲間で行く旅行先を探していると言われてもな……。


 べつに、困ることもないのだが……。


 しかし、このCマート……。単なるスーパーマーケットだったはずだが……。

 まあ、最近は喫茶店になったり、会議スペースになったり、色々だな。

 ここで〝宿屋〟が増えたところで、べつにどうということもないな。


「でもうち、布団ないけど? 毛布敷いて雑魚寝になるけど?」

「寝袋あります。平気です」


 俺はまえに美津希ちゃんがお泊まりに来たときのことを思いだしていた。

 皆で雑魚寝で、エナが、はしゃいでいたっけな。


「そっか。じゃあ……、いっか」


 特にNOという理由もないので、俺はなんとなくうなずいた。


「じゃあ、いいんですか!?」

「ああ。いいよ」

「よかったー! 去年は女の子三人だけだったんですけど。今年は男の子たちもいるから――」

「男の子?」


 俺はぎょっとした。


「はい。ケンケン君と――」


 ああ。あのオスガキか。現代から異世界に、十トンの塩を運ぶときに手伝ってくれたオスガキだ。


 そういや、友達だかカレシだか知らんが、ジルちゃんの周囲をチョロチョロしているわけだから、同じ部活でも不思議はないわけか。


「あと、もう一人――」


 まだいるのかっ?


「ジンジン君っていって――」


 またオスガキかっ!


「あ――。ジンジン君は、あんまり〝男のコ〟って感じのしないコなんです。ケンケン君の真逆です。親友です。ケンケン君♡ラブです」


 ラブ♡なのか。……まあ、そのへんは、どーでもいいけど。


「〝らぶ〟って、なんですかー? それはどんな味のする食べものですかー?」

「ついてこれないなら、黙ってろよ」


 俺はバカエルフに、ハードボイルド風味に、そう言った。

 前々から、なんか語彙ごとすっぽり抜け落ちていることがあるなぁ、と、思っていたが……。「ラブ」もないのか。この世界には。


賓人まれびとさんは、ケンケン君と似てるところありますよねー」

「どこがだ!」

「オレオレ……なところ?」


 指先をぷっくらした唇にあてて、ジルちゃんは言う。

 俺がオレオレだって? どこがだ?


「そのオレオレとかゆーのは、どうでもいいとして……」


 俺は咳払いをひとつ。話題を変えた。


「……しかしな。中学生の女のコと男のコたちだけで、大人もなしで、一緒に旅行とは。感心しないな。色々な面で。……うん。まったく感心できん」


 俺は真面目な顔を作って、そう言った。


「はい。だからここに来させてもらえると助かるんです」


 ……ん? あれれっ?


 そうか。俺は〝大人〟となるのか。あんまり自覚がないが。

 いま自分で言ったことは、つまり、よそに行かないでうちに来い、ということになってしまうわけか。


 なんだか、ジルちゃんのしたたかな戦略にはまってしまった気もするが……。


「よし。そのオスガキども連れてこい。調教してやる」


 俺はうなずくと、そう言った。


「あとですね。男のコはその二人だけなんですけど。わたしとカスミちゃんとセイラちゃんの他に、小森さんと、女の子は、四人になりますけど。……いいですか?」

「うお。後出しかよっ」


 なんかいきなり人数増えた。大所帯になった。


「ご迷惑なら他をあたりますけど」


 最初は女の子の友達二人ぐらいの感じで話しだったのが、オスガキが増えて五人になって……。いま何人だ?


 きっとジルちゃんは値切り上手な女の子だ。


 ジルちゃんは、その青い目で、試すような視線で……俺のことを見ている。

 ここで「だめ」とか言ってしまうと、ケツの穴の小さい男だと思われてしまうだろう。


 俺は「イエス」と、頷かざるを得なかった。


「わあっ! ありがとーございまぁす!」


 ジルちゃんは喜びをあらわに、飛びついてきた。

 純真無垢な笑みだが、もう、信じねー。

 そんな抱きついてきたって、なんも出ねえからな。


    ◇


「じゃ! 何日かしたら! みんなで来ますねー!」


 嵐のようにJCは立ち去っていった。

 あー。若いなー。エネルギッシュだなー。

 あのパワフルさに巻きこまれていると、疲れるわー。


 しかし……。

 何月何日、と、取り決めをしなくて、「何日かしたら」というところが、ひどく、異世界的だと思った。


 こちらの世界は、あちらの世界と違って――。

 日々、淡々と同じ日常が過ぎ去ってゆくばかりで、毎日ほとんど同じことを繰り返しているだけで――。


 〝それ〟が来るのが、明日でも明後日でも、たいした違いはない。

 現実世界が夏休みだっていうことを忘れていたくらいだしな。


 と、俺はそうしたわけで――。

 いつもの日常に、ちょっとした変化をもたらすであろう、ジルちゃんたちの訪れを、とりたてて待つこともなく、ぼんやりと待った。


 そして当日がやってきた。

 中坊どもがやってきた。


「部長のカスミでーすっ! お世話になりまーっす!」

「ん」


 ザ・庶民派・妹といった感じの女の子が、元気よく挨拶をする。


「セイラと申します。このたびは無理を聞いていただき。ありがとうございましたわ」

「いえいえ。森さんにはお世話になってますから」


 こちらの黒髪の子は、お嬢様・オブ・お嬢様、といった感じだ。


 思わずこちらも敬語になってしまう。

 この娘が、あの大きなお屋敷の主かと思うと、なるほどー、と納得するものがある。


『ね。いい人だったでしょ? いい場所だったでしょ?』


 ジルちゃんは、なんでか、筆談少女になっていた。胸からぶら下げたホワイトボードに文字を書いて、友達と会話している。


『わたし。日本語。得意ですよ?』


 不思議に思って、じーっと、見ていたら、つらつらとホワイトボード用マーカーで、そう文字を書いて、俺に見せてきた。


 ……わけわからん。


 どうもこちらの世界では、言葉が自動翻訳されるようらしい。

 英語しか話していないジルちゃんと、日本語しか話していない俺とが、普通に会話できてしまっている。


 ジルちゃんは、普段、部活の友達とは、ホワイトボードを通して筆談で話しているのだろう。


 それが急に饒舌になって、割とテンション高めで、かしましガール風にしゃべくりはじめたら、みんな驚いちゃうし引いちゃうし……。

 だからいつも通りにやっているのだろう。


 女の子の三名は、元気だけどちょっとアホっぽい感じの子と、物静かだが不思議な迫力のあるお嬢様と、女の子っぽくておとなしそうだが、じつはパワフリャーなスーパーガールと、そういう組み合わせだ。


「……で、そっちが、オマケにくっついてきた、オスガキ二匹か」


 俺は、男子二人のほうをねめつけた。


「にーちゃん、よろしくな!」

「お世話になります。ご迷惑かと思いますがよろしくお願いします」


 何度か面識のあるケンケンとかいうのが、片手を挙げて挨拶する。

 いま「にーちゃん」と言って良かったな。「おじさん」とか言いやがっていたら、張り倒していたところだぞ?


 もう一人の男子は、大人しそうな眼鏡男子で――。礼儀もわきまえていそうだから、とりあえず、許す。

 こっちのが〝ジンジン〟とか呼ばれていたほうか。


 うるさいクソガキの〝ケンケン〟と、静かな理系男子の〝ジンジン〟と、オスガキ二名は、静と動って組み合わせらしい。


「マスター。男の子には、ヒドいですねー」

「女の子にばかり、優しい……」


 うちの女子二名が、なんでか、俺をにらんできている。……なんでだろう?


「よし。女だからといって、べつに優しくないってところを、見せてやろう」


 ――と、俺は言った。

 そして、女子中学生のほかに、ついてきている、成人女性の一人に向かって――。


「おい。翔子……。なぜ、おまえがここにいるんだ?」

「え? なぜって? 保護者的な……、ナニカ?」

「なんだよ? 保護者ってのは? 誰の保護者だよ?」

「だって。年頃の男のコ、女のコ、たちだけじゃ、心配じゃん?」


 どこかで聞いたようなことを言う。

 ま。こいつ。このオンナ。いいかげんなノリでいるようでいて、そういうとこ、かっちりしてるヤツ。


「だから保護者はともかく。なんでおまえがいるんだっつーの。どこの関係者だっつーの」

「あ。高坂翔子さんは、僕の姉的な感じの人でして……」


 と、ジンジン少年が証言をする。


「そうそ。道場の姉弟弟子といえば、もお、姉弟も同然さねー。うち。弟も妹もいないから、もう、可愛くてー」


 と、ジンジン少年の顔を、ぎゅーっとその大きな胸に抱きしめにかかる。


「やめてください翔子さん。それはセクハラです」

「誰か大人がついていかないと心配じゃん。だからわたしが、しかたなく――」

「うっそでー。しょこたん。旅行に行くならわしも行くー! 行かせろー! って、無理やり、くっついてきたんだぜー」


 ケンケンが、別な証言をする。


「畳の上で、じたばたと手足を暴れさせている様は、ちょっと大人として、どうかと思いましたね」


 ジンジンも、銀縁眼鏡を、ついっと持ちあげて、ちくちく、ざくざくと、翔子を始末しにかかる。


 あははは。いいぞもっとやれ。


「まー。そういうワケで」


 すっかりバレて、あっけらかんとした顔で、翔子は笑った。


「仕方ねえな」


 もうこの際、一人増えようが二人増えようが、何人増えようが、同じことだ。

 Cマートの床は広い。テーブルどかせば数人ぐらい余裕で寝れる。


「いやー。でもねー。だけどねー……。来るのが、もっくんのところって、知っていたらー……? こなかったかもー?」

「カエレ」


 俺は道の向こうを指差しながら、そう言った。

 その道が現代世界に通じているかどうかは知ったこっちゃないが、とにかく、あさっての方向を指差した。


「そんなぁ~、わたしともっくんの仲じゃないかぁ~」

「もっくん、ゆーな! あと指を掴むな。ええい。さわるな寄ってくるな!」


 昔のノリでくっついてくる女から、俺はそそくさと距離を取った。


 べつに女だから甘いわけではない、と、見せようとしたのに、藪蛇な気分だ。

 バカエルフとエナの視線が痛い。特にエナの視線が、肩の後ろに突き刺さってくるカンジ。


「ほ、ほら……、エナっ……。あっちに同い年くらいの女の子もいるぞっ。お友達になってきたら……、ど、どうだっ?」


 俺は女の子のうちの一人を指差して、そう言った。

 他の娘たちよりも小柄な女の子が、一人で、ぽつんと、皆から離れたところに立っている。


「……小森です。セイラ様のお世話できているだけですので。おかまいなく」


 その子は、あまり表情を変えずに、そう言った。

 ああ。この子があのお屋敷の、ちっちゃい方のメイドさんか。

 エナのメイド服をもらってきたときに、サイズがぴったりと合う服があった。

 その持ち主なわけだ。


「ほ、ほらエナーっ……、無表情仲間だぞーっ」


 お友達に向けて、エナの背中を押しやる。


「前から思っていましたけど。マスターってかなり失礼なほうですよね」

「え? ええっ? ……えーっ?」


 なぜだかバカエルフのやつにダメ出しをされた。

 なにがいかんのか、どこがアウトだったのか、よくわからない。


「え、えっと……、え、エナ、です……」

「小森です」


 さすが無口同盟。速攻で会話が終わってしまう。


 それでも無口同士なりに、「お店。みる?」「おねがいします」とか、短い会話がかわされる。


 あっ。手――ちょっと握って、二人で店のなか、入っていった。

 よし。エナに友達ができたぞ。よしよし。


「マスターって、やっぱりひどいですねー」

「なんなんだよ! 微笑ましく見ていてもダメ出しかよ!」


 バカエルフはさっきからこれしか言ってない。


「うおー。すっげー! 駄菓子屋みてーっ!」

「あーこら! ガキども! 勝手に入んな!」


 オスガキどもが、店の中を、ウロチョロとしている。店の商品にぺたぺたと手垢をつけている。


「あらごめんなさい。止めたのですけれど。うちのケンケンがおいたをいたしまして……」


 お嬢様のセイラちゃんが、「うちの犬が粗相をしまして」的なノリで謝ってくれる。


「いやいや。いいっていいって。気にしないで。どんどん見てくれ。俺の自慢の店なんだ」

「マスター。さっきから言ってることが変ですよ。見ていいのか、見ちゃだめなのか、どっちなんですか?」

「うるさいな。もう。さっきからおまえは。……なんなんだよ?」

「おー! エルフさんだ!」


 オスガキが、こんどはこっちに来やがった。


「エルフさんだ! 本物のエルフさんだ! すっげー! すっげー! 耳、なげーっ!」

「あっ。さわっちゃだめですー」


 あろうことか、バカエルフの耳をさわっている。


「ゴオラ! てめえなにやってんだオラアァァ! さわんじゃねえよ! さわっていいのは、俺だけなの!」

「マスターもさわっちゃだめですよ? って、ふわん……、だめですってばー」

「こらケンケン! もうバカ! エロガキ! ――あんたちょっと! こっちきなさい!」

「痛い痛い痛い。痛い……。カスミー、みみー、ちぎれるってばよー」


 オスガキは、カスミちゃんに耳を引っぱられて退場していった。

 ざまぁー……。


「マスター。いまのは、わたしのこと、守ってくれたですか?」

「ばーか。誰がてめーなんか守るか」

「でもエルフの耳は、ほんと、意味深なんですから。マスターも触っちゃ、め、ですよ?」

「うるせばーか。ばーか。ばーか」

『あっ――そうだ賓人さん』

「あのー。もっくん。……紹介してくれない? そちら……、ええと? あっ――、わたしは高坂翔子といいます。もっくんとは、同じ高校で、あとそれから――むぐぐっ!」

「いいから黙れ。翔子。それ以上言うな。そこは言うな。言ったらコロス。わかるな?」

「なんですかー。なんですかー? わたしには秘密なことですかー?」

『賓人さーん』

「いいんだよおまえは知らないで。ガキに耳触られて、ふわん、とか言ってろ」

「言ってないですよー」

「いーや、言ったね。言ってたね!」

「マスターの聞き違いですよー」

「あの、もっくん? えと、こちらの美人さんは……、えと、いまのカノジョ?」

「んなわけあるかーっ!」

『賓人さーん!』


 目の前、一面を、急にホワイトボードが塞いできた。

 さっきからホワイトボードを振り回してアピールしていたジルちゃんが、ついに、強行手段に出てきたのだった。


「なに?」

『修羅場中のところ。もうしわけないんですけど。あとで美津希さんも来るって言ってましたよーー。おじいさんのご飯作ったら、来ますってー」

「あー。はいはい。……え?」


 軽く返事をして――、俺は、ぎょっとなった。


 うわー。美津希ちゃんまで来るのかー。

 まー。そうだよなー。そうだろうなー。


 こういうメンツで、いないわけ、ないよなー。

 バカエルフと、翔子の顔を、交互に見やりながら……。俺はため息をついた。

 もうこれだけでも充分に混沌カオスなんだが……。


明日につづきます。明日は正午の更新です。


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