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麻衣、東京へ
典紀は亡くなった10代の少年の写真を見て思う。
君は果たして死ぬ必要はあったのか?と
「感情移入か。君らしいね。」
藤森弁護士だ
「僕が担当医なら彼を死なせずに済んだと思うんです。」
そうだろうね。君は高岡教授譲りの名医だ。
片平医師の携帯が鳴っている。
「片平です。」
高岡だ。いじめ自殺の件を調べているみたいだね。
「すみません。先生。」
いや。君なら調べると思っていたよ。
彼が帝都医大に来ていたら、担当は君にしようと思っていた
「先生、紹介状は書かれていたんですか?」
ああ。そう言い、高岡教授は帝都医大を紹介しようとしていた
精神科医の名を告げた
ありがとうございます。教授に電話越しに頭を下げた
いやいや。君は私が見込んだ精神科医だ。
これくらいお安い御用だ。
藤森法律事務所を後にし、彼は医大へとんぼ返り
「片平先生?」
麻衣先生…。どうして東京に
紺のパンツスーツを着た麻衣が東京に居る…。
焦る典紀…。
「帝都医大本院で勤務になったんです。驚きました?」