traingeily
私はクラスメートから借りた本の作者がセットだったことに衝撃を受ける。
セットは本の内容を確かめる。
最後の頁から、ヒラリと一枚の写真が滑り落ちる。
5人が写っている。家族写真だ。
場所は水族館前だろうか。
マクロさんは思わず、それを拾ってしまう。
裏面には今日の日付が印されている。
マクロさんは疑問符を浮かべる。
「何だろうこれ」
セットは言う。
「只の写真集に挟まっていたものだ」
マクロさんは小さく笑うと、頁を捲り、魚の写真を指し示す。
セットは質問する。
「この魚の名前分かるか?」
「知るか、そんなの。其よりヘッドをお前、きちんと見てやれよ」
「寝こけていたお前に言われたく無い、マクロお前は車掌帽を捨てた身だろう」
私は窓の外をじっと見てみるトンネルを抜けると、鳥の群れが一斉に鳴き始めた。
私は思い出す、家族で水族館に行った時の両親の笑顔を、ギャグは鳥と並走しながら、
「俺のせっかく生き残った仲間の仕事を取り上げるな!!」
ギャグはイルカさんに目配せをすると、リング事件の件の虫の名前を耳打ちする。
「分かったわ」
イルカさんは乗車名簿を取り出すと、切符を握り閉めていた。
私の手にブローチを納めてくれた。
「あった!!ブレスだわ」
「私の借りた本の題名がブレスなんだけど、只の偶然なのかしら」
セットは語る。
「その本の作者は私だよ…俺と言った方が良いかな」
マクロは思わず目を閉じて、昔を思い出す。
だが、イルカさんは言ってしまう。
「その本を閉じて頂戴。余りにも昔の自分を思い出すようで、見ていられない」
セットはマクロさんの目をじっと見つめると、返事を待つ。
「どうしたマクロ?何を淋しそうな目をしている?」
マクロは頭を抱える。
私はブレスの正体に気付く、霞みの中で光る残像が写真に写るものだ。先程の写真に写っていたものはヤモリのブローチを着けて微笑む母の姿だった。
その時、地響きが起こり列車が傾く。
セットはマクロさんを指差し、
「お前の事、嫌いだ。今すぐ列車から降りて貰おうかな」




