trainbook
まったく人使いの荒い連中を乗せていると気苦労が耐えない。
「これより停車いたします。足元に注意して下車ください」
定員100名の列車だからと言って、これだけ乗車人数が少ないと逆にブレーキも効きにくくなるな。
制御装置のレバーを統括制御に合わせると、古い列車の軋む音が聞こえる、古き良きボールドオン。
イルカは嘆くように呟く。
「列車が着いたようだわ」
「幹、下がっていろ」マクロは幹を庇いながら、俺を見つめる。
「ギャグ、ヘッド、これは一体どういう事だ?!」
ヘッドは震える手を振り払い告げる。
「リング事件で、居なくなったハムスターの群れだな…動物園が壊されて怒っているようだ…どうする?ギャグ?」
ギャグは思い付いたようだ。
「1両目から3両目まで全てを、俺の仲間を呼んで樹海にしてしまおう」
ギャグは首から下げているホイッスルを一笛。虫たちが6匹で1両に2本ずつ極彩色のピンを打ち込む、それが流枝となり、車両全体を包む。
私は驚いて持ち物を落としてしまう。
ヤモリのブローチが仲間を呼ぶかのように光ると列車についていた流枝を弾き飛ばす。
俺は驚いた。
「おい、幹。何をするんだ」
「私は何も…」
ヘッドは持っていた車掌帽を外すと、1つの虫の目玉に似た、宝石を動物達に分け与える。
動物達は喜び、食い付くが固くて食べれないことに気付く。
「これでよし」
俺は一安心する。
乗客名簿を指差すと、彼女を安心させる為、こう告げた。
「幹の両親の名はギャグが葬り去った虫たち13匹のうちの2匹だ。必死に助けようと思ったのだが…」
幹は落ちた荷物から1冊の本を取り出す。
俺の書いた本の1つだ。
イルカは1つ咳払いして告げる。
「ヘッド、貴方、学校に来たこと有るわね」




