traindevil
不意に雨が降って来る。
私は恐怖感に囚われて、ヘッドの手を取り、車内に逃げ込む。
「ヘッド、あの声は何?!」
「昔、この路線が丸かった頃、私の親友が死にました。私、あの子について何も知りません…何か知っているなら教えて下さい。何なのですか、その中途半端な逃げは!!」
私は困惑する。ポケットの中身に母親からの手紙が1通ある。
私はそれを広げると、何とかしてヘッドを落ち着かせようとする。
手紙にはこう書いてある。
『愛しい我が娘へ、貴方の携帯電話がホームと電車の隙間へ落ちていくのを母は見ていましたよ。気をつけて』
ヘッドは電車が動き始めると、後ろから着いてきた、セットに泣き顔を見せまいとギャグが持っている車掌帽子を取り上げると、目深にかぶり直す。
いきなり窓の外が真っ暗になったと思うと、同時に俺は理解した。ブレス駅が近いのだ。
イルカは列車と並走すると、まるで歌いながら、この電車を守ってくれている。
雨が豪雨に変わりだした。大丈夫なようだ。
俺はマイクを手に取ると、
「次はー次はー終点。風町ー」
私はヘッドからの話を聞いた。リング事件で亡くなったのは、ヘッドの今被っているゾウの形をしたエンブレムをくれた、兄弟だったのだ。
ギャグはそれをずっと悔いているらしい…
「今でも、胸の内が痛むんだ…」
ヘッドは俯いていた顔を上げると、大きな声でこう言った!
「私、ブレスにもう一度会いたいよ!!」
列車は暗闇の中で停車した。




