trainseven
私は走る、動物園は昔は賑わっていたはずなのに、檻の中には気配が全くない。
私はマクロさんの初めに言っていた言葉を思い出す。確か『自分の影に捕らわれいるな』とか無いとか。
そんな言葉に私が傷付くと思っていたのだろうか。
あの人を信頼したら良いのか、それともセットと一緒に列車に乗り込み、探し物を見つけた方が気が楽になるのだろうか。
そして私は木陰に居るヘッドの姿を見つける。
ヘッドは振り向いて、こう告げる。
「あんな風に他人を傷つけるのではなかった…」
木々の囁きが煩くて私には良く聞こえなかった。
ヘッドは左手を差し出すと悲しげな表情をして、何かを選ばせる。
「…トカゲの偽物の宝石?それともなーんだ…?」
悲しげな顔には涙の後がある。
私はどうしたものかと、それを受け取る。
一つの消しゴムが私の両手に転がって、地面に落ちた。
「P.S…マクロさんって書いてあるでしょう…これは本来、貴方が持っているべき物なのだよ…」
「…ありがとう…忘れ物だね、ところでどうして、そんな顔をするの?」
少しだけ彼女は私の鞄のブローチを見ると、
「ヤモリのブローチには名前が書けないよね…でもね、書いてしまったのだよ?マクロさんは…」
「一体何を?」
ヘッドは躊躇いがちにこう呟いた。
「…あなたの名前と電話番号だよ…イレイザーはその罪を消すための道具なのだよ。ごめんね…」
そして、木々がざわめきだす。
私は不安にかられ、ヘッドの手を取り走り出す。
風が何者かの気配を知らせてくれるかのようだ。
謎の声が上空から降ってくる。
『ヘッドから手を放せ…放せ…放せ…』
私は戦慄して、紫の切符を落としてしまう。




