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ギャグがしたり顔で、ヘッドの大切にしていたゾウのエンブレムが付いた車掌帽を幹の頭から取り上げる。
「な、なんで、持っていくの?」
私は今更ながら気付く、この帽子結構気に入ってたのに、ギャグは口笛を吹いて言い放った。
「これ、ヘッドに返そうかな。でも、ネットに高く売り付けた方が次の駅で何かと優遇されそうだ」
私は激怒する。
この非常事態に何を言っているのだ。この昆虫は。
その時、列車から寝ぼけた表情のマクロさんが、車掌姿で登場する。
「よう、マクロ?ご機嫌はいかが?」
「良い訳ないだろう?この駅が俺の故郷だから、めかし込んで来た。何だ、この有り様は」
モニターには動物が一匹も映って居ない。
私は紫の切符を握り締める。
「幹?どうした、その顔は気分でも悪いか?」
「…そうじゃないのです。只、私は家に帰りたいだけなのに…」
私は改めて、自身の服装を見てみる。
持っているのはヤモリのブローチの偽の宝石だけ。
「それ、ネットが好みそうな品物だぜ。誰に貰った?」
「…ヘッド…だけど…」
そう言えばヘッド達の姿が見渡らない。
イルカさんと一緒なのだろうか。
セットは傍らに立ち、マクロの方をじっと見つめている。
まるでハムスター達を見るかのような目だ。
「セット、何をニヤついている?動物も居ない。あのヘッドも居ない、しかも、クラゲがイルカなってしまった以上。この列車を動かせるのは、お前しか居ないのだぞ」
セットは目深に車掌帽を被ると、こう呟くように言い放った。
「マクロ、あのブレスを知っているか?コードの話だと、この駅の名前になったようだぜ」
マクロさんはセットを睨み付け、ギャグから帽子を奪うと、エンブレムを指差し、怒鳴った。
「これを見てみろセット!エンブレムはこの駅が終着駅だと示している!俺の大切な象のエンブレムだ…みんな逃げてしまった!俺はあの子達について何も知らない……何をニヤついているのだ!!何だよ!その中途半端な逃げは!」
セットは私の肩を持つと、こう言い放った。
「あの、ヤモリのブローチが破壊された時、賽は投げられた。ヘッドもそれに気が付いているだろう…」
ギャグはマクロさんの隣に羽ばたくと、私に向かってこう言った。
「ヘッドを探しに行こう。紫の切符があれば…ブレスに会えるかも知れないぜ」
「…本当!?」




