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へッドは幹を抱えながら檻の間を走り抜ける。
「俺の折角、生き残った仲間の仕事を取り上げるな!!」
ギャグはイルカさんに目配せをすると、リング事件の件の虫の名前を耳打ちする。
「分かったわ」
イルカさんは動物園の中にある切符売場に入ると来日した客の名前とセットの持っていたノートの照らし合わせるする。
「あった!!ブレスだわ」
「私の借りた本の題名がブレスなのだけど、只の偶然なのかしら…」
ヘッドがイルカさんに耳打ちをする。
「その本の作者は俺だよ」
俺は訝しげにその二人の会話を聞いてしまう。
「その本を閉じて頂戴。余りにも昔の自分を思い出すようで見ていられない」
イルカさんに俺は尋ねる。
「内容は…聞いて良いものなの…?」
イルカさんはウンザリした顔で答える。
「主役が他人に甘い。偉い人に弱い。仕切りやさん。美人に案外たらし。いつもダロっした服。いつもゲーム夢中なのよ」




