trainmorning
私は水を一口飲むと、顔をしかめる。これ海水じゃない!!
「あら、間違えた。あなたにはコレが一番良かったかもね」
次に差し出されたのはハーブティーだった。
私…あんまり好きじゃないんだけど…一口啜ってみる。美味しい。
ヘッドはミックスジュースを訝しげに飲んでいる。
どうやら件の宝石の話しが通らなくって不機嫌なご様子だ。
セットはビールをチビチビ飲みながら、後ろの水槽のジンベイザメに乗る想像をしている。
クラゲさんは私の眼を見て聞いてくる。
「それで?あなたのご両親は一体どんな方なの?」
「えーっと、とても優しい人達です」
「あなた一人っ子?」
「はい、そうです」
「その服装、私には見覚えあるわ。あなた今、中学生でしょう?」
何で分かるのだろう。クラゲさんの丸ぶち眼鏡の奥が見えないので、私は余計に警戒してしまう。
「幸せな家庭に育ったのね。なのに何故こんな所に来てしまったのかしら」
「そこなんですよ!!」
不思議と活力が沸いてきた私にギャグが横やりを入れる。
「幹、家はなんて事無い普通の家庭だぜ。ただ一つ問題を抱えているがな」
私は内心ドキリとする。
そう言えば最近、母親の様子がおかしいんだったわ。
「ギャグ。あまり人の家庭に足を突っ込まないことだな…」と、ギャグは私をかばってくれた。
「さてと、そろそろお腹もいっぱいになった事だし、仕事をしましょう!!」
沢山の海藻を両方にかかえて、クラゲさんは立ち上がる。
「そうするか」
「そうしようか」
「そうしようぜ」




