14/36
trainlucky
ヘッドは、その大きな大きな水槽の前に佇む、モジャモジャ頭の正体不明人物に近づくと、その人の服の裾を掴んだ。
その人は見てみぬふりをすると、ジッとヘッドの顔を覗き込む。
「やほー、クラゲさん。偽物を持って来たよー」
「…」
クラゲさんは抱き付こうとするヘッドをフラリとよけると、こう言い放った。
「あなた達、腹ペコのようね。私の家でご飯でもいかが?」
明らかに怪しい。凄く怪しい。
「それでは頂こう、幹は何でも食べられる子か?」
「えーっと私。椎茸が嫌いです」
さっきから良い匂いがするのには気付いていたが、まさか水族館で焼き肉なんかやらないだろう…。
私の心配をよそに、クラゲさんは海藻サラダと鍋を用意してきた。
「嫌だなぁクラゲさん。そんな事言わないでさぁ、これ…綺麗でしょ?」
セットは欠片を取り出すと見せびらかす。
「それは偽物なんでしょう?それを加工するのが私。お腹の中に海藻を詰める必要があるわ」
一体何の話しをしているのか私にはさっぱり分からない。
「それじゃあ、みんなでいただきまーす」
私に差し出されたのは一杯の水だった。




