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trainmammy
ギャグは私の周りに飛んでくるとぐるっと回転して、こう言い放った。
「や、ヘッド久し振りぃ。ネットからくすねて来た宝石の中に一つだけ、お前の気に入りそうなのがあったぜ」
何だこの虫。
こんな所で油を振りまいている場合なのだろうか。
「少し案内するぜ」
私はセットの腕の中から逃れると、学生鞄に付いていた定期券を思い出す。
確か…3ヵ月間使えるものだったはず。
私達は連れ立って運転席まで歩いて行く。
運転席には一人、車窓の景色を眺めている。一人の長髪の男が居た。
「む!君は新入りだね!」
私に気が付くと、席を立ち、此方に振り向いた。
何か凄い嫌だ。
「ネット、直流直巻式の様子はどうだ?」
「マクロのお陰で頗る調子が良いよ」
セットは頷くと、
「あんまりスピード出すなよ」
水族館まで残り一時間ほど。




