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trainslow
それはちょっと…電車の上ってパンタグラフがあるから、邪魔になるのじゃないの?
ヘッドちゃんはジャケットのロープを使うと、列車の上に到着したようだ。
セットは小さく咳払いすると、初めて私の目を見てこう告げた。
「今宵は冷えるな…幹」
「あなた…どこかで…出会った事があるような…」
そんな私の言葉を無視して、セットは上を伺う。
ヘッドは何かをしているみたいだ。
物音に混じって…何か、キャーキャー音がする。
「どうやら、件の事件の被害者が暴れて居るようだ。見に行ってみるか。幹」
「…はい」
セットは私を降ろすと運転席に入り、減速レバーを引き、列車の速度を落とす。
「…上に上がるにはどうすれば?」
「そうだなぁ…おーい。ヘッド。何とかなるか?コードの機嫌は良いか?」
そう言えば、この人コードさんと私を引き合わせたく無いのだっけ…そんな雰囲気がする。
ヘッドの声がする。
「もう大丈夫だよー」




