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しるし(詩集)

茫然

作者: さゆみ

真夜中のベランダに独りきり

静止画のようないつもの風景

ささやく虫の音が夜をひろう


私の目はこの風景を見ていて

見ていない

違うどこかを見ている

靄の中をうろついている


いつからだろうか

ふとした瞬間から

目の前ではなく違うどこかを見るようになった


もう戻れない

過去なのだろうか

けれど

人は死んだとき走馬灯のように

過去の映像が色濃く蘇ると聞いた


もし本当なら私が死んだときそれは

はっきりするのだろうか


まだ見えない

未来なのだろうか

ならば

私がすっかり未来をなくしたとき

旅立つときにそれは解決するのだろうか


どちらにしても同じだ

この靄が晴れるのはきっとーー


日常の目の前のスキルに追われながら

生きていくためには

それらを遣り過ごしていくほかはない


そんな中にあっても私はふとした瞬間に

違うどこかを見つめてしまう


ぼんやり光る三日月を見上げているのに

うっすら瞬く星たちを見上げているのに

押し黙った家並みを見下ろしているのに

今、私は違うどこかを見つめている


やがて虫の音は静まりかえり

風さえも私に寄り付かなくなる









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― 新着の感想 ―
[気になる点] 一連目見た時「ああ、これはダメだな」と思いましたね。 最後まで読みましたが、良い作品とは言えませんでした。 何でと思われるでしょうから解説すれば冷たいです。命が通っていませんね。寝ぼけ…
[一言] ベランダから見下ろす外の景色は街並みというよりは田舎や森とか静かなところなんだろうなと美しい文章力で想像させられました! 意味深な作品で、作者ではない僕らが全てを知ることは難しいというとこ…
[一言] 見ているのに見ていない。なぜだろうと思っていました。 美しい言葉で問いかけるこの詩が、好きです。
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