7
よっ。マゼンダ、また会ったな。
なにしてんの。さっきの子は?
ああ、あいつ? あれは妹だよ。プレゼント選ばされてたんだ。
へえ、そうなんだ。
なんだ、つれないな。
カノジョだと思ってた。
まじ? あれがぁ?
で、ここでなにしてんの。
なにって……、まあ、ぶらぶらとな。
妹さんは?
帰ったよ。もう十二時過ぎてるじゃん?
ブルースは……まだいいんだ。
おうよ。クリスマスだしな。そういうマゼンダは……ひとりでなにしてんだ?
ねえ、ブルース。
うん?
ジュースおごってよ。
喉奥に染み渡る味は、じんわり、じんわり。
ふいに消えることはない。じんわり、じわりと去っていく。
別れを惜しむ仔犬のように。
私は生き返った。
今まさに、私は生気というものを得た。
うるおい。
確かな。
この、うるおい。
あはは、笑顔だな。
ブルースが言う。
私は笑顔だった。オレンジジュース。
オレンジジュースの台頭。時代を揺るがすオレンジジュース。
なにかが起きてすべてが明瞭に判断できるようになった。
ブルース。
ん? なんだい?
私、分かったんだよ。
なにをだ?
――私は息を吐いた。
きみがすきなんだ。