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リンとブルースと私、マゼンダ。
三人だけで一緒に遊ぶこともあったけれど、大抵はそれ以上の人数だった。
あるいは、リンと私の二人きりだったほうが多かったんだと思う。
はぐれもの。
自覚はあった。リンはどうだったか分からないけれど、私たちは確かに、あの中で浮いていた。歪んだ時計の絵みたいに、はぐれていた。
ブルースは莫迦。
莫迦な人。
あたまがわるい。せいせきはいいけど。
ブルースは変動していく人間関係の状況というものを知らない。
知っても気にしない。
おばかさん。
つまらない?
つまる。
誰とでも仲が良い。
リンとだって。
だから。
暗い。暗い。断絶。分断。どう言えばいい? 渡れない。
この先は本当に続いてる? 幻想ではない?
どうして言い切れるの。
怖い怖い怖い。すぐ先に装飾。
今日はホワイトクリスマス。
忘れちゃいけない。
今日はホワイトクリスマス。
渡りたい渡りたい渡りたい。
怖い怖い怖い。
どうして。
怒鳴り声。
ばいばい。
つまらない。
どうして言い切れるの。
どうして笑っていられるの。
今日はホワイトクリスマス。
だけど私は。
今日はブラッククリスマス。