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十二時を過ぎても装飾が解除されることはない。
ひんやりとした夜は、溶かさずに飲み込むと凍え死ぬ。
意味不明な散文。
知らないまま変わっていった認識。
私はリンが現れないかと期待した。
ブルースでもいい。
誰かここに来てはくれないかと思った。
それと同時に、本当に来たら拒む自分が想像できた。
このまま行方不明になってしまおうかと思った。
方法は分からない。けれど今ならできると思った。
なぜなら今日は、クリスマスなのだから。
サンタさん、私にプレゼントをください。
なにが欲しいのかい?
オレンジジュースを。ひんやり冷えた、美味しいオレンジジュースを。
財布を忘れてしまったね。
ええ、忘れてしまったの。
ならば取りに行けばいいだろう?
でもどうやって。
黒い線は、次第に光を取り戻しつつあった。
シャッターの中から声が聞こえたのだ。
でもそれは幻覚だった。
そう思い込むことにした。
暗い店。閉じた店。
そこに人がいては、興醒めだ。
つまらない。
それはイヤだ。
喉が渇いた。
寒い。
私は自分の言葉を思い出そうとした。
なぜリンを怒らせたのか思い出そうとした。
思い出した。
思い出せないことにした。
つまらない。
渡りたくない。